FAQ

よくあるご質問

よくあるご質問をまとめました。

歯周病の治療はポケット退治!
歯周病の治療と聞いて想像するのは、歯磨き指導・歯石とり・プロによる口腔清掃だと思います。これらの治療を行うのは、深い歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)をなくすため。歯周ポケットは正常な歯茎にも存在しますが、その深さは2~3ミリです。ところが歯周病になると、細菌によっておこる炎症のせいで歯周ポケットの深さは4ミリ以上へとどんどん深くなっていきます。深い歯周ポケットは、炎症によって腫れ・出血をひきおこし、歯磨きで汚れが取りづらく炎症がさらに悪化する…という悪循環を引き起こします。さらに炎症は歯茎だけでなく歯を支える骨まで広がり骨を溶かしてしまうため、歯周病を放置すると最終的には歯が抜けてしまうのです。炎症を食い止めるためには深くなった歯周ポケットを浅くして、炎症を取り除くことが必要なのです。

歯周外科が必要な歯周病って?
先ほども記載したように、歯周病の治療ではまず『歯磨き指導・歯石とり・プロによる口腔清掃』を一通り行います。これを歯周基本治療と呼びます。歯周外科が必要な歯周病とは、ずばり、『歯周基本治療を行ったあとに4ミリ以上のポケットが残っており、検査時や歯磨き時に出血する場合』です。ただし、例えば歯周基本治療後に4ミリのポケットが残っていたとしても炎症が落ち着いていると考えられる場合は歯周外科を行わない場合もあります。ある論文では6ミリ以上のポケットは歯周基本治療(SRPという歯石とり)よりも歯周外科が効果的だったという結果がでています。*1
そのため6ミリ以上のポケットがある場合は歯周外科が必要かもしれない!と頭の片隅で思っていても良いかもしれません。
*1 Lindhe J, Socransky SS, Nyman S, Haffajee A, Westfelt E: “Critical probing depths” in periodontal therapy. J Clin Periodontol, 9: 323-336, 1982.

歯周外科ってどんなことをするの?
歯周外科では歯茎を開いて、根っこにくっついている歯石を目視で確認してきれいに取り除きます。歯周基本治療でもSRPと言って、根っこについた歯石をとる処置をおこないますが、この処置は目で見ることができないため細かい部分まではとりきれません。歯周外科ではSRPではとりきれない歯石を取り除き、根っこの表面をきれいに整えて、炎症を引き起こす原因をなくすことができます。そのほかにも歯周外科では、溶けてしまった骨を再生したり、歯茎が下がって見えてしまった根っこを元にもどす歯肉移植、歯ブラシが歯茎にあたって痛い方にはあたっても痛くない角化歯肉を増やすなど、さまざまな処置をおこなうことができます。

歯周外科と聞くと何だか大ごとで恐ろしく聞こえてしまうかもしれませんが、歯周外科という選択肢は歯茎の中は目に見えない世界を見えるようにし、さらに普段の治療では行うことのできない再生治療などをすることができるため、歯周病という慢性疾患に対してもとても有効です。必要な方にはご説明させていただいておりますが、ご自身でも気になる方はお気軽にご質問ください。

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迫田 敏 理事長
  • 長崎大学 歯学部歯学科
  • 鹿児島大学 歯学部 付属病院研修医
  • 鹿児島大学 医学部臨床検査医学講座(丸山征郎教授)学内留学
  • 同年 さこだ歯科 開設
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