みなさんこんにちは!!!
赤ちゃんの吸啜行動は哺乳から離乳に至るまでの口の働きだけでなく、こころと行動の発達に深く関係しています。
吸っているのは母親の乳首や自分の指であったり、身近なタオルやおしゃぶりといった人工物であったりといろいろです。
こうした背景からヒトやチンパンジーなどの高等霊長類の吸啜行動は3~5歳まではあたり前の行動と考えられています。
幼児期になると、子どもは母親が自分とは異なる存在であることを理解し始め、基本的信頼感が確立する3歳ごろには、親元を離れて一人で行動できるようになります。さらに行動範囲や興味が広がる4歳以降では、不安解消が目的の吸啜も不要となっていきます。多くの子どもたちがこのような経過をたどっていくので、3、4歳までの指しゃぶりを心配する必要は無いのです。
おしゃぶりを常用している子どもに指しゃぶりはみられません。また、指と違って手元になければ吸えないので、
おしゃぶり習慣ならやめさせやすいと考えられています。ただ、日常目にするのは”吸いたい放題”の状況で、指しゃぶりに比べて使用時間は圧倒的に長いことが判明しています。
歯列や顎骨成長への影響も認められ、指しゃぶりの影響以上に、歯列狭窄(しれつきょうさく:U字型をした歯列弓の幅が狭くなりV字型になる状態)は後方部にまで及ぶとされています。
指しゃぶりが長期間継続すると、この繰り返し行動は中枢と抹消をつなぐ学習となり、もはや簡単にはやめられない行動パターンとして定着してしまいます。
おおむね5歳を過ぎると、乳歯から永久歯への交換が始まるなど、口や顔の大きな成長変化がみられます。この時期まで指しゃぶりをしていると、指が押す持続的な力で、上顎前突や開咬を生じます。また、吸うために働く頬の筋力で上顎歯列が狭窄すると、臼歯部の交叉咬合も招くことになります。