2003年に厚労省研究班より、愛知県在住の65歳以上の健常者を対象に4年にわたって調査が行われました。
調査内容は4年の間に「認知症の認定を受けたかどうか」というものです。
調査結果をひも解くと「歯が殆ど残っておらず義歯である」「噛む力が弱い」「かかりつけの歯科医がない」といった方は認知症の発症リスクが高いことが分かったのです。
特に「歯が殆ど残っておらず義歯も使用していない人は、20本以上歯が残っている人よりも1.9倍も認知症リスクが高まる」という研究結果が出ました。
では、なぜ歯を失うことが、認知症の発症につながるのでしょうか。
認知症のリスクを抑えて予防をするには一体どうすればいいか、それは「よく噛んで脳に刺激を与える」ことです。
歯は、食べ物をすり潰し細かくして飲み込みやすくするという役割だけではありません。
歯の噛み合わせによる刺激が、歯の根元にある歯根膜より脳へと伝達されるのです。
刺激を受けるのは主に記憶力や思考力、意欲力、そして運動や感覚を司る部位であり、これが「脳の活性化」に繋がるのです。
認知症の発症リスクを減らす為に大事なのは、「毎日しっかりと噛むこと」です。
噛むという行為を意識的に実行することが、日々脳の活性化につながるのです。
歯のある内に食事やガム等で噛むことを癖づけ、認知症のリスクを低下させましょう。