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豆知識(旧ブログ)

さこだ歯科のスタッフが綴る、口腔内に関する豆知識です。
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みなさんこんにちは(*´-`)

骨粗鬆症の治療をされている方でお薬をのんでいる方も多いのではないでしょうか…
お薬を服用するにあたり注意点として歯科治療の際は骨粗鬆症の薬を服用していることを伝えて下さいと言われることもあると思います。

骨粗鬆症の治療薬と歯科治療にはどんな関係があるのでしょか…

歯科治療と関係する薬剤とは?
高齢女性の骨密度低下の原因は骨吸収の増加です。この骨吸収を抑える有効な薬として、ビスフォスフォネート剤(以下BP剤)が普及しており、効果を上げています。つまり、BP剤は骨密度を上昇させ、背骨や股関節の骨折を予防するために服用を強く勧められる薬剤なのです。米国や豪州ではBP剤の使用で骨折リスクが減り、疫学的に生命予後が改善しています。
ところが、BP剤の使用下に歯科的治療に関係して顎骨壊死(BRONJ)という副作用が報告されています。この副作用に関しては、以下の様なことが分かっています。

1.がん患者さんの高カルシウム血症を治療する目的の注射薬で数%程度起こる。起こる場合は薬剤投与1から2年で発症している。

2.骨粗鬆患者さんに対する経口薬の使用で0.01%程度起こる。起こる場合は服薬開始から3年ほどしてから発症している。

3.抜歯等、歯科的治療をすると危険度が上がる。口腔内の細菌感染が関係している。
骨粗鬆症治療のための経口BPでのBRONJ発症リスクはきわめて高いとは言えませんが、発症した場合、治療は困難なことがあります。そこで、現在歯科治療中・或いは今後歯科治療を受けられる方は、BP剤の使用に関して医師および歯科医師にご相談いただくことをお勧めします。あらかじめ歯科検診を受けるのが理想的と言えます。
ちなみに、最新の関係各科のポジションペーパーの上では、骨粗鬆症患者さんに対して、抜歯などの歯科治療を行うことに対しては、
・投与期間が3年未満でがんや透析、糖尿病などのリスクファクターがない場合はBP剤の休薬は不要。
・投与期間が3年以上か、3年未満でもリスクファクターがある場合は判断が難しく、処方医と歯科医で検討する必要がある。
・骨折リスクが高くない場合は休薬が望ましい。