みなさんこんにちは(*´∇`*)
今日はあまり聞きなれない三叉神経痛についてです。
三叉神経痛とは
典型的な三叉神経痛の症状は「激しい発作性の片側顔面痛」が特徴です。顔面ではなく歯痛で始まる事もあり、何本も抜歯治療した後に三叉神経痛と診断される事も少なくありません。
三叉神経痛の原因
典型的な三叉神経痛の原因は顔面の感覚を司る「三叉神経」の付け根に血管が圧迫することによって起こるといわれています。血管の圧迫により三叉神経に異常な神経回路ができ、疼痛の原因になると考えられています。
非典型的な三叉神経痛は原因不明な事が多いですが、中にはヘルペスウイルスによる感染、多発性硬化症、脳腫瘍などが原因になっている事があります。
三叉神経痛の検査
まずは外来での問診です。いつから痛みが出たか、どのような痛みがでるか、現在までの治療の有無、治療を受けられた事のある方は治療の経過、その他の病気がある場合はその治療についても伺います。
画像検査
MRIによる詳細な画像検査を行います。また、詳細なMRI検査から3D画像を作成し、手術前術野シミュレーション画像の作成を試みています。
耳鼻科的検査
三叉神経痛の手術は周囲に聴神経、顔面神経などの重要な神経がありますので、手術が決まったら手術前に検査の必要な方は耳鼻科受診、耳鼻科的検査を受けて頂きます。
循環器科検査
循環器系(心・血管系)の病気を持っている方は手術が決まった際には術前に受診をして頂き、全身麻酔などのリスクが無いか判断します。
三叉神経痛の治療
まずは飲み薬の治療を行います。「テグレトール」という薬を内服します。これによって神経の異常な興奮を抑え、痛みを抑えます。「テグレトール」を内服しても改善しない場合やめまい、ふらつきなどの副作用が出てしまう場合には他の治療法を選択します。
飲み薬以外の治療法
代表的な治療法として以下の治療法がありますが、その選択については施設の設備、主治医の経験や技術に左右される事があります。
手術治療について
耳の後方から手術します。傷は髪の毛の生えている部分の中につけますので、髪の毛が生えてくればほとんど目立ちません。
約6cm程の皮膚切開を行い、その下の頭蓋骨に500円玉大の穴を開けます。
この先は小さな術野になりますので、手術用顕微鏡を使って行います。
小脳の表面を見ながら三叉神経がある部位まで到達します。周囲の血管、神経を傷つける事の無いように細心の注意を払って操作します。
三叉神経の周囲の原因となる血管を探し、これを三叉神経から剥がします。
剥がした後再び三叉神経を圧迫する事の無いようにフィブリン糊(献血血液から抽出した接着物質)で固定します。人工物を生体内部に留置しないことで、術後の癒着(固定した血管や神経が周囲の組織とくっつく事)などの可能性が低くなるとされています。
手術時間は通常約2時間程度で終わりますが、血管が何本も当たっている場合や、太い血管が当たっている場合など難しい症例によってはそれ以上に時間がかかる場合があります。
定位放射線治療(サイバーナイフ、ガンマナイフ)治療について
高齢の方や合併症により全身麻酔のリスクが高く手術の出来ない方の選択肢として放射線治療があります。これは三叉神経に直接放射線を当てて痛みをコントロールする方法です。手術による根治療法に比べると治療成績が劣りますが、手術の出来ない方にとっては良い選択肢となります。
その他の治療
神経ブロックを行う施設もあり、症状に効果的な場合もありますが顔面の知覚神経を人為的に傷害して痛みを感じさせなくする治療のため、後に顔面に痺れが残る事があります。
後に三叉神経痛が再発した際に手術を行っても神経ブロックによる顔面の痺れは改善しません。