口腔ケア用品の用途を知り、使い分ける
近年の口腔ケア用品は、用途別に様々な種類があります。口腔ケアの重要性が注目されるなかで、目的や好みに応じて選べるよう各メーカーも工夫して開発しているんですね。ただ、注意しておきたいのがそれらの使い方です。
ケア用品をあれこれ持ち変えるのが面倒だからといって、いつでも誰に対しても同じものを使ってしまうと、その効果が半減してしまうこともありうるのです。たとえばスポンジブラシは、歯ブラシに似た形状なのでつい歯みがきにも使ってしまいがちですが、粘膜についた汚れを先端のスポンジでやさしく取り除くためのものです。歯をいくらこすっても表面に付着している細菌の塊(バイオフィルム)までは破壊できません。
また口腔ケア用のウエットティシュも同様に、もともと想定された使い方があります。粘膜の汚れを拭き取ったり、うがいができない方や嚥下障害のある方、あるいは座位をとれない方に歯ブラシでかき出した汚れや細菌を拭き取ることで口の外へ回収する目的でつくられています。
せっかくケアに取り組んでいるのに、思ったような効果が得られないのは、もったいないですよね。ケア用品の用途をしっかり理解して“適材適所”で使えば、ケアの質が上がるばかりか介助自体も楽になるはず。そのためには「まずケアが必要かどうか、必要ならばどんなケア用品が適切か」を口の中の状態を見て判断していかないといけません。それが難しいようなら歯医者さんに来てもらって指導を受けてもいいと思います。