誤嚥性肺炎とは
喉から食道に行くはずの食べ物や唾液が気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」は、この誤嚥によって起きる肺炎です。
肺炎には、誤嚥性肺炎とその他の肺炎がありますが、両方合わせると日本人の死因の第3位になります。中でも、高齢になると誤嚥性肺炎の割合が増えます。高齢者にとって誤嚥性肺炎の予防はとても重要です1)。
気管に食べ物や唾液が入ってしまったとき、通常はむせて、食べ物や唾液を気管の外に出そうとします。ところが、飲み込みに問題がある人は、気管に食べ物や唾液が入ってもむせないことがあるため、誤嚥性肺炎になりやすくなります。寝ているときに、胃に入っていた食べ物が食道に逆流して気管に入りこみ、誤嚥性肺炎を起こすこともあります1)。
誤嚥性肺炎の症状とは
肺炎の症状というと、高熱、激しい咳、苦しそうな呼吸をイメージしますが、高齢者の場合はこのような症状が出ないこともあります)。
「食欲がない」「食後に疲れてぐったりしている」「ぼーっとしていることが多い」「失禁する」「口の中に食べ物を貯めこんで飲みこまない」「なんとなく元気がない」「ふらついて歩けない」「呼吸が速い」といった症状は、誤嚥性肺炎のサインかもしれません。病院を受診して、誤嚥性肺炎にかかっていないかチェックしてもらいましょう)。