お口の粘膜ってなーに?
粘膜とは、お口の中のほほ、唇、上あご、歯ぐき、舌といった歯以外の柔らかい組織です。吸収や分泌などの機能を持ち、血管、神経などが分布しています。粘膜はお口の潤いの源であるだ液を分泌するためのとても大切な役割を持っています。
どうして粘膜のケアが必要なの?
お口の中は歯だけではなく、ほほや唇の内側、上あご、歯ぐき、舌の粘膜にも、食べかすや細菌が付着します。
健康なお口であれば自分で清潔を保つ力である自浄作用により、汚れが洗い流されるのですが、お口の機能が低下していると自浄作用が働きにくくなります。
入れ歯を使っている場合には、入れ歯が直接触れている部分に、口腔内やお口のまわりの筋肉にまひがある場合は、まひ側の粘膜に、それぞれにたくさんの汚れや細菌がついています。
自浄作用が低下しているお口の粘膜は、歯磨きだけで汚れや細菌をしっかり取り除くことが難しくなるため、粘膜をケアする意識が必要なのです
粘膜ケアの効果
粘膜をケアすると次のような効果が期待できます。
粘膜の新陳代謝を促す
粘膜を清潔に保つ
お口の感覚を取り戻す
お口の筋肉のトレーニングになる
だ液の分泌を促す
高齢者の多くは、加齢に伴うからだの変化や薬の副作用により、だ液が減少し、口腔内は乾燥しています。
経管栄養の方やお口で呼吸をしている方は、特にひどく乾燥している場合があります。
詳しくは「乾燥」ページにてご確認ください。
粘膜の汚れや細菌を取り除くことでお口を清潔に保てると、だ液がよく出るようになります。
また、お口の筋肉のトレーニングをし、だ液がよく出るようになると、お口の自浄作用が働きます。
粘膜のケアをすることにより、健康なお口を維持するための良い循環が生まれるのです。
誤嚥性肺炎の原因菌は、舌や上あごに多く付着していることも報告されています。 粘膜のケアは、お口だけではなく、全身疾患の予防のためにもとても大切なケアの一つです。
粘膜のケアは誰もが必要です
歯がまったくなくても、お口からなにも食べていなくても、口腔ケアは必要です。
歯を全て失い総入れ歯になった方や、お口からお食事をしていない胃ろうの方などは 口腔ケアが必要ないと誤解される場合があります。
たとえ何も食べていなかったとしても、粘膜の新陳代謝や痰などで口腔内には汚れがたまり、細菌はどんどん増えていきます。
お口を動かさないことや、お口からお食事を摂っていないことで、自浄作用が低下しています。
粘膜はケアをしていないとだ液の出が悪くなることで乾燥し、汚れやすくもなってしまいますので 歯の有無、お食事の状態にかかわらず、粘膜のケアは必ず行いましょう。
粘膜のケアをしていると、ケアの刺激によりだ液の分泌が促されます。
誤嚥しやすい方には「安全な姿勢にすること」、「だ液の喉への流れ込みを防ぐこと」ができているか確認しましょう。