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豆知識(旧ブログ)

さこだ歯科のスタッフが綴る、口腔内に関する豆知識です。
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ニュースレター Vol.85 今月の特集

 こんにちは。いよいよ令和が始まりましたね(*^^*) 
この新たな門出が皆様にとってすばらしいものになることを心よりお祈りしております(*^▽^*)
 さこだ歯科は令和の年もより一層皆様のお役に立てるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

嚥下障害(飲み込みの障害)について

嚥下障害とは

「嚥下」とは、口の中のものを飲み込んで胃に送ることで、飲み込む動作が上手くできない状態を嚥下障害といいます。食べ物を上手く飲み込めないと食事が取りづらくなるため、「低栄養や脱水を起こす」「食べ物が喉に詰まって窒息する」といった危険があるほか、高齢者の命を脅かす病気「誤嚥性肺炎」を引き起こす原因にもなります。

嚥下障害の症状は?

【食事中にむせる】
味噌汁やお茶などの水分、または水分と固形物の入り混じった食べ物でむせやすく、むせるのを避けようと水分を多く含むものをあまり取らなくなると、脱水につながります。飲食物だけでなく、自身の唾液でも咳き込む場合があります。

【固形物を噛んで飲み込めなくなる】
硬い食べ物はよく噛まないと飲み込めないため、柔らかいものや、噛まずに食べられるものを好むようになり、栄養が偏ります。

【食事後の声がれ】
食べ物を飲み込んだあとに声がかすれたり、口腔内に食べ物が残留することから痰が絡みやすくなり、がらがらした声になったりします。

【食事をすると疲れる・最後まで食べきれない】
時間をかけてよく咀嚼しなければ飲み込めなかったり、飲み込んでも口腔内に食べ物が残ったりするため、食事に時間がかかるようになります。食べられるものも制限されるため、食事自体の楽しみが奪われ、食べる意欲の低下につながります。

【体重減少】
食べる量が減る上、食事の内容が偏るため、低栄養状態になって体調を崩しやすくなり、体重が落ちていきます。

嚥下障害の原因は?

食べ物が口腔内から咽頭、食道、胃へと運ばれるまでには多くの器官が関わっていますが、嚥下障害はこれらの器官が何らかの理由で上手く働かないことが原因で起こります。

誤嚥性肺炎について

嚥下障害が引き起こす『誤嚥性肺炎』

嚥下障害が招く「誤嚥性肺炎」は、高齢者の死亡原因としても多くの割合を占める怖い病気です。
通常、口腔内のものを飲み込むときは気管につながる部分が閉じています。しかし、嚥下障害があるとこの機能がうまく働かず、唾液や食べ物、胃の逆流物などが気管に入ってしまうことがあります。気管に入った唾液や食べ物に含まれる細菌が肺に送り込まれると、中で炎症を起こし、激しく咳き込んだり高熱が出たりといった症状が現れます。これが誤嚥性肺炎です。   また、胃の逆流物を誤嚥すると、それに含まれる消化液や酸で気道粘膜が損傷してしまいます。傷ついた気道粘膜は治りにくく働きも鈍くなり、誤嚥しても咳などでなかなか異物を追い出せなくなるので、一度誤嚥性肺炎にかかるとまた繰り返してしまう危険性が高くなります。   ちなみに日本人の死因の上位を占める脳血管疾患は、嚥下障害の原因の一つです。 嚥下障害の兆候を見逃さないことは、がんや脳の疾患、肺炎など、命の危険がある病気の早期発見や予防につながっています。

誤嚥性肺炎の症状

肺炎にかかると、通常、「高熱が出る」「激しく咳き込む」「呼吸が苦しくなる」「肺雑音がする」「黄色く濃い痰が出る」といった症状が現れますが、誤嚥性肺炎ではこうした症状がはっきり見られないこともあります。
特に高齢者の場合は、病状が進んでも表に現れる症状は軽く見えることがあるので、重症化してから初めて気が付くという事態になりかねません。 「なんとなく元気がない」「ぼんやりしている時間が増えた」「唾液や食べ物をなかなか飲み込まない」「食後に疲労している」などの様子が見られたら、誤嚥性肺炎を疑いましょう。

嚥下障害は誰にでも起こり得る障害です。
嚥下障害の症状が見られたら、リハビリなどで嚥下機能を回復させ、誤嚥を防いで誤嚥性肺炎を引き起こさないことが重要です。また、嚥下障害のある人が食べにくい食品、誤嚥を起こしやすい食品をあらかじめ把握しておきましょう。 そのほか、口腔内の細菌を繁殖させないように歯磨きなどの口腔ケアをしっかり行うことも大切です。 嚥下障害の正しい対策を実施し、誤嚥性肺炎を防ぎましょう。