Blog

「むっつい」は命がけ

2023.12.14

おはようございます。

さこだ歯科の衛生士です。

私はお昼はお弁当を持参していて、自分が作るのでだいたい内容はほぼ同じ、自分で「ネタバレ弁当」と呼んでいます。

なのでお昼ご飯に大した楽しみは持っていないのですが、ゆで卵を食べる時だけはある意思を持って食べています。

いつもゆで卵は横に半分に切って入れているのですが、それを丸ごと口の中に入れて噛んで、お茶などの水分を加えず、まとめて飲み込んでちょっと苦しい感じを味わい、ようやく飲み込むという事をしています。

かなり高い確率でしゃっくりも出ます。

なぜかこの工程を楽しんでしまうのです。

つい最近、津軽弁に「むっつい」という言葉があるという事を知りました。

むっついは標準語一語で表す事は難しく、砂漠で水も牛乳もない状況でオールドファッションを食べるような事を指すそうです。

もう少しちゃんと言うと、喉の通りが悪いものを食べて飲み込みにくい状態を表す言葉だそうです。

私は毎日ゆで卵でこの「むっつい」を体感していたのです。

しかも積極的に。

私がやっている「むっつい」を言語化し、解剖すると、

・一口にはやや大きめのゆで卵を口の中に入れる

・まずは歯でゆで卵を咀嚼する

・舌と口蓋でもゆで卵をつぶす

・舌と口蓋でゆで卵をつぶしながら一つの塊にまとめていく(この時なるべく唾液が混ざって飲み込みやすくならないように舌の横を上の奥歯の内側につけてガードする )

・飲み込む準備をするため舌の奥に塊を持っていく

・塊を一気に飲み込む

・苦しい

ということになります。

自分で書いててバカバカしいと思いますが、この行為の中に咀嚼筋や頬粘膜、歯、口蓋、舌の先、舌の真ん中、舌の奥、舌の横の筋肉、喉の筋肉など口の中の機能を連動させフル活用しているのがわかります。

今はこれらの口腔周囲組織の使い方を意識的にも無意識的にも使えているのでこのような戯れができますが、私も若くはないのでこの複雑で繊細な口腔周囲組織の連動のどこかが衰えると飲み込めていたものが詰まって窒息したり、間違って肺に卵が飛び込んでひどいむせ方をする可能性はあります。

「むっつい」に命を取られることも覚悟しておかないといけません。

なぜ命を危険に晒しながら毎日ゆで卵を飲み込んでいるか考えてみると、たぶんダチョウの卵を飲み込んで喉が膨らんだヘビの映像を小さい頃に見たからそれを真似したいんだと思います。アホですね。

お正月が近づいて来ました。

全国的に「むっつい」が猛威を振るい、お年寄りの命を奪う季節です。

お餅と「むっつい」のタッグは凶悪です、お餅は小さく切って、よく噛んで、お茶と一緒に飲み込んで良い年明けを迎えましょう。

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科衛生士 藤井

RELATED

関連記事

スタッフブログ記事一覧