偉大な発明の影に偉大な女性あり
2023.09.11
こんにちは、さこだ歯科の歯科衛生士です。
今回は麻酔がテーマという事で、私にとって麻酔といえば華岡青洲です。
子供の頃、学習マンガを読むのが好きで、偉人の伝記を良く読んでいたのですが、その中でもトップクラスの衝撃を受けたのが華岡青洲の伝記でした。
華岡青洲とはどんな人かというと、江戸時代後期に存命した元々貧しいお医者さんで、西洋医学を学ぶうちに外科手術には麻酔が必要だという事を痛感し、
あらゆる薬草の種類や配合を試して麻酔薬を完成させ、世界初の全身麻酔下での外科手術を成功させた人です。
世界初というのがすごいですね。
その功績だけでも華岡青洲の伝記のインパクトは強いんですが、青洲が開発する麻酔薬は飲み薬で、飲むと意識がなくなるというものなのです。
猛毒としても知られるトリカブトという植物なども使われていたので、組み合わせや配合を間違えると死に至らしめてしまうものなので、動物などでは実験に成功していたのですが、
人間に効く麻酔薬を作るためには人間で試さないといけないという問題が出てきます。
そこで実験台として名乗りを上げたのが華岡青洲の妻である加恵です。
青洲は慎重に麻酔薬を調合しますが、最初は意識を失ってもすぐに感覚が戻ったり、何回か調合を変えて妻の加恵が麻酔薬を服用するうちに、加恵は失明してしまいます。
この実験は危険なので青洲も加恵を気遣いながら行っていましたが、むしろ加恵の方が「最適の調合を見つけるまで、どんどん自分の身体で試してみて」という姿勢だったそうです。
麻酔薬といっても毒性の成分も混ざっていたはずですので、加恵さんの身体に異変がなかったわけじゃないと思います。
失明というのが子供心に怖かったのと、加恵さんの献身的すぎる姿勢がとても印象的でした。
この華岡青洲という人は医学の勉強のために京都に留学する時の費用を母親や妹が工面したり、麻酔薬の開発に母親や妻の協力を得たり、女の人が助けたくなる何かがあるのかもしれません。
この加恵さんの献身は「華岡青洲の妻」というタイトルでドラマや映画や舞台となっていますし、今でもリメイクなどされています。
現在は麻酔薬も色んな種類があり安全性が段違いに高いものになっていますが、私はあまり麻酔が好きではなく、
胃カメラの検査の時、麻酔で数時間寝るのがもったいないと理由で麻酔なしで胃カメラを飲んだ事があります。
わかっていた事ですがカメラが喉を通る時凄まじい嗚咽を起こしながら涙とヨダレをダラダラ流しながら耐えました。
検査してくださった先生は「麻酔なしですごい!根性がある!」と褒めてくださいましたが、こんな事で根性をみせずに素直に麻酔しとけば良かったと思いました。
鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科衛生士 藤井