恩納村の海で人の歯茎の中を思う。
2026.02.07
こんにちは、さこだ歯科の衛生士です。
冬ですね。私は去年に引き続き冬の沖縄に行ってきました。
暑いのと人が多いのが苦手なので夏の沖縄には行った事ないのですが、初めて行った沖縄がプロ野球のキャンプシーズンで、お目当ての球団の練習試合も良かったのですが、先駆けて春めいたちょうどいい気候を大変気に入りました。
真冬の沖縄はこちらの感覚で言うとちょうどお花見の季節のようだなと思いました。
それ以来、1番寒い時に沖縄に行くのを気に入ってその後2回ほど行っています。
冬でも沖縄の海は綺麗なので見に行くと、波も強いため消波ブロック、いわゆるテトラポットが無数に海岸に並んでいるのですが、
「沖縄の海は綺麗だから沖縄のテトラポットは綺麗なままのかな」と考えてしまいます。
というのも私は瀬戸内海に面した土地の出身で、海と言えば瀬戸内海です。
中国の人に「日本にも黄河並みの川があるじゃないか」と川と間違えられるほど穏やかで本州、四国、九州に挟まれた内海の瀬戸内海です。
外海からの潮の流れが入りにくいため、瀬戸内海は栄養豊富で瀬戸内海で養殖される牡蠣は濃厚で太っててとても美味しいんです。
そのかわり潮の流れが悪く、澱んでしまうと赤潮や貝毒などが出てしまい、高校の同級生の牡蠣工場の長男は「赤潮が出るとお小遣いが千円に値下がるんだ」と赤潮を何よりも恐れていました。
そういった瀬戸内海近辺で育つと、瀬戸内海のテトラポットはドロドロというか小ちゃい貝やら海藻やら色んな有機物がこびりついて、干潮の時はとてもはっきりいうと汚いし臭いです。
このテトラポットの中に落ちたら精神がどうにかなってしまうかもなと想像し、足取りは慎重になります。
その点沖縄の海はきれいだし、常にフレッシュな海水が外海から供給されるのでテトラポットもきれいにみえます。
そしてこのテトラポットの比較は口腔内でも同様です。
人の口の中は口腔内細菌という菌が300〜700種類住んでいると言われています。きちんとメンテナンスして歯磨きする人で1000〜2000億個、歯磨きをあんまりしない人は一兆個いるそうです。一兆って。
付け加えると口腔内細菌は感染するものなので、人によって口の中に住んでいる細菌の種類は違います。
歯周病リスクの高い菌が感染している口腔内だと歯茎が炎症して出血し、その血液の中のカルシウムが細菌と合わさって歯茎の中の歯の根の表面で石灰化します。
これを歯石というのですが、この歯石の周りに歯周病菌やその他有機物がウヨウヨと蠢いているのです。
まさに瀬戸内海のテトラポット!
反対にきちんとお手入れをしてメンテナンスに通う方の口腔内は沖縄のテトラポットなのではないか。
と沖縄の海で思ってしまったのです、職業病です。
いわゆる歯周病治療で歯石を取るというのは、海水に浸かったテトラポットを水上からゴリゴリ削って綺麗にするような作業です。
沖縄の海ならそれで綺麗になるかも知れませんが瀬戸内海ならそうはいきません、やっぱり潮が引いてテトラポットか剥き出しになった時に一気に掃除してしまいたいよね、となります。
これが歯周病治療でいうと歯周外科になります。
一度歯茎を開いて複雑な表面の歯の根を見ながらそこにこびりついた歯石や感染した組織を削り取って根の表面を綺麗にして行くのです。
歯周病が重度になった方には有効な場合があります。
もしかしたらこの歯周外科を勧められて「そんな歯周病ごときで外科なんて!」と怖いと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、長年溜めた細菌とその副産物を一掃する口腔内のグレートリセットにもなります。
もちろんそのあとは悪い細菌が増えないように定期的なメンテナンスも必要です。
でもそれは瀬戸内海でも沖縄の海でも同じです。
自分のお口の中も良い細菌の住む綺麗な環境がいいですよね。
鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科衛生士 藤井