日々、歯を食いしばって生きています
2023.02.06
みなさんこんにちは!
去年の暮れはサッカーのワールドカップがあって日本代表の活躍もあり大いに盛り上がりましたね。で、今年は野球の世界大会ワールドベースボールクラシックがあります。
私はスポーツ観戦が好きなので中継などを観る機会がよくあるのですが、最近は野球選手の中にもマウスピースを付けている方がちらほら見られます。
マウスピースを装着するスポーツと言えばボクシングやラグビーなどが思い当たりますが、
激しいボディコンタクトや打撃があるスポーツはその衝撃で歯が折れてしまわないようにガードの意味でマウスピースを装着します。
では野球選手がマウスピースを付けるのは、飛んできたボールが口にぶつかって歯が折れるのを防ぐためかと言えばそうではなく、
マウスピースを付けている選手はピッチャーではなくバッターが多いですね。しかもホームランや長距離ヒットを打つタイプのバッターに多いと思います。
それはなぜか?バット強く降ってボールに当てる瞬間、身体には相当の力がかかります。その力を産むためには歯を食いしばらなければいけないんです。
その時に相当の負荷が歯にかかるため、それを長く続けると奥歯が折れてしまうこともあります。
またマウスピースで適切な噛み合わせに誘導する事で噛む力が増してより大きな力を産む事ができます、それにより遠くにボールを飛ばす事ができるのです。
野球選手のマウスピースには「歯を(奥歯)を守る」「しっかり噛めるようにしてより強い力を発揮する」という目的があります。
昔私が担当した患者様に女性でコントラバス奏者の方がいらっしゃいました。
コントラバスというのはバイオリンを人の身長と同じくらいの大きさにしたものでかなりの重量があります。
その患者様が「奥歯の虫歯が痛くてコントラバスを持ち上げる事ができなくなった」とおっしゃっていたのですが、最初私はよく理解できませんでした。
痛くて奥歯が噛めないと力が出ないという事をその時理解できていなかったからです。
歯が無くなる原因の3大原因は「虫歯」「歯周病」「咬合の力」ですが、虫歯は皆さんよくご存じでとても恐れられています。
歯周病もだんだん恐ろしい病気だと知られていますね。
最後の咬合の力に関してはまだあまり知られていませんし、歯科医療に携わる人間でもここを理解するのはとても時間がかかります。
また長く人の口腔内をみればみるほど「力の問題」というのはかなり大きな要素だなと思います。
それは野球選手やコントラバス奏者に限らずどんな人でも当てはまる事です。
一日のうちで一番強く歯を噛みしめてる時間はいつかというと寝ている時です。歯ぎしりでかなりの負荷が歯にかかります。
さこだ歯科では夜に装着するマウスピースを保険対応で作成しています。歯を長持ちさせるために作製される事をお勧めします。
昔、歯科メーカーが出店するイベントに行ったときに歯医者さん用のマウスピースを作るメーカーのブースがありました。
歯医者さんが患者さんの歯を削ったり、被せ物を合わせたり接着する時は思いのほか集中して体に力が入っているので奥歯を食いしばってるそうです。
私も難しい施術をしたあと左下の犬歯ズキズキして「ああ、力が入ってたんだな」と気付く事があります。
患者さんも歯医者さんに行くと緊張すると思いますが、歯医者さんも案外、身を削って診療しているんですね。
そんなに毛嫌いせずにリラックスして歯医者さんにいらしてくださいね。