こんにちは!
鹿児島の歯医者 さこだ歯科の歯科医師の柿沼です。
とある患者様からこのような質問を受けました。
「歯周病です、とほかの歯医者さんに行ったときに診断を受けて、自分でもネットで色々調べてみたら歯肉炎だったり、歯周病だったり、歯周炎であったりいろんな言葉が出てきて混乱しました。これらはどう違うのですか?」
確かに、言葉が紛らわしくて複雑ですよね。簡単に言うと
1 歯肉の表面に炎症が起きて腫れているのが歯肉炎
2 歯肉炎の状態から病態が進んだものが歯周炎
そして歯周病とはこれらをまとめたものの病名になります。
ではそれぞれ細かく説明をしていきます。
1 まず歯肉炎とは?
歯の構造についてまず説明させてください。
歯の表面は白くて丈夫なエナメル質という成分で出来上がっています。歯をイメージすると白くて硬いものを想像すると思うのですが、それはエナメル質に覆われているからです。そして歯はその下から根っこ(歯根といいます)が伸びており、それが上顎、下顎の骨に埋まっているような構造をしているのです。
ただ通常埋まっている箇所は見えません。なぜかというとその根っこと骨が埋まっている境目は歯肉が表面を覆っているからです。
こんな構造をしています。
そうして磨き残しにより発生した細菌の塊(プラーク)がくっつくことによって歯肉が腫れて炎症が起こります。この炎症のことを歯肉炎と呼ぶのです。
歯肉炎はこの赤く膨らんでいる部分を指します。
この状態になると、歯磨きや歯間ブラシなどを通した際に出血が起こりやすくなります。見た目でも赤く腫れたような所見が見られます。
2 歯周炎について
先ほど説明した細菌の塊であるプラークを放置していると、固まって歯石という物質を作り上げます。これをそのままにしていると何が起きるかというとその歯石があるせいで歯茎のみならず歯を支えている骨(歯槽骨)に炎症が起きて、次第に骨を溶かしていってしまいます。
この歯肉が腫れているだけの状態から一歩進んで歯を支えている骨を溶かしてしまう炎症のことを歯周炎と呼ぶのです。
そしてその歯周炎を特に何もせずにさらに放置していると、歯が揺れてきたり、膿が出てきたり、自然と歯が抜けてしまったりといった弊害が起きてきます。
この歯肉炎・歯周炎をまとめて僕たちは歯周病と呼んでいるのです。
ではこれらの対処はどうしたらよいのでしょうか。
歯肉炎の状態であればついている歯石も柔らかかったり、器具が届きやすい範囲であることが大半なので、汚れがたまらないように日頃の歯磨きを頑張っていただきつつ、歯科医院で器具を使ってお掃除をすればだんだん炎症は引いていきます。
ただしさらに進んだ歯周炎の場合では、歯ブラシでは届かない、ひいては歯科の専門の器具でも簡単に取れないような歯茎の下の奥深くに硬い歯石がついていたりするケースが多いです。
そのため病状の進行を抑えるために、歯科医院にて時間をかけてしっかりと歯石の除去、お掃除といった歯周病の治療が特に必要になります。
またその後は一度改善しても歯周病の再発のリスクが高いため、定期的な歯医者さんでのメンテナンスをしていただくことを検討していただけたら、と思います!
以上簡単ですが歯周病についてご説明させていただきました。
気になることやご不明な点があればお気軽にスタッフにお尋ねくださいね。
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