穴のあいた虫歯は口臭の噴火口
2022.09.08
歯科医師の柴田です。
口臭の原因は多種多様ですが、今回は虫歯から発生する口臭について、私が持っているイメージを書いてみたいと思います。
虫歯が知らぬ間に進行してしまい、歯表層のエナメル質のカルシウム構造が完全に崩れてくると、穴があいてきます。
穴があくと、お口の中の虫歯菌にとってそこは洞窟のような住処となり、
日々の念入りなブラッシング、フロスでのお手入れがあっても、その住処の中までは行き届きにくくなります。
それまでじわじわと進行してきた虫歯(C1〜C2)は、穴の中に虫歯菌が停滞しやすくなることで、さらに進行スピードが速くなります。(C2〜C3)
そこまで進行した虫歯を実際に治療すると、穴の中はプラーク(細菌の塊)や、食べ物の残りなどで、ベッタリです。
マイクロスコープで虫歯を拡大して見ながら治療していると、におわなくても口臭を連想しまうほどの状態です。。
神経に近い部分にある象牙質も、虫歯菌が出す酸でコラーゲンが変性し、茶色く軟らかくなっています。
スプーンエキスカベータと呼ばれる虫歯を掻き出す器具で、その軟化しか象牙質を触ると、
染み込んだ唾液等の水分もじわ〜っと浮いてくる状況にまでなります。
虫歯は歯と歯が接するコンタクト部分の下辺りに発生しやすく、フロスを通すと必ずニオイがする場合は、
そこに虫歯が進行しているサインかもしれません。
虫歯が口臭の噴火口というタイトルを付けましたが、日々のお手入れを念入りにしているにもかかわらず口臭で悩まれてる方は、
虫歯がどこか気付かないところに潜んでいる可能性を疑ってみた方が良いと思います。