細菌といいお付き合い
2023.08.04
こんにちは、さこだ歯科の衛生士です。
もう過ぎた話ですが、今年はスギ花粉の飛散が過去にないほど多く、花粉症の方の「今年はヤバい」という阿鼻叫喚をよく聞きました。
花粉症はスギ花粉のアレルギー反応で鼻水やくしゃみが出たり、目が痒くなったりします。
よく言われる免疫の過剰反応ですね。
歯科でアレルギーと言えば金属の被せ物や矯正のブラケットでの金属アレルギーが1番知られています。
他にも歯科医師や歯科衛生士が手にゴム手袋をつけて施術すると、ラテックスアレルギーと言って天然ゴムの成分でアレルギー反応が出る方もいらっしゃいます。
病気の原因になる異物(抗原)が体内に入る事で、体内からそれを排除するための抗体を作って抗原を攻撃するという免疫機能で私達の健康は維持されています。
ただ、そもそも病気の原因にならない異物でも体の免疫機能の異常で「これは病気の原因になる悪い物だ!」と判断されると免疫の過剰反応が起きて、あちこち痒くなったり麻疹ができたりします。
私達人間でもそうですが「知らないもの」に対しては警戒したり怖がったり過剰に反応してしまうものです。
免疫機能もそうなのかもしれません。
細菌の勉強をした時、「花粉症やアトピー性皮膚炎など数十年前はなかった、なぜ今は多いのか?」という話になりました。
昔は子供の時に田んぼの中で泥だらけになって遊んだり、畑で野菜などを育てる時に人間の排泄物を肥料にしていました。
土の中や排泄物は細菌がたくさんいます、細菌というと「汚いもの、病気のもと」と思いがちですが、身体に良い作用をする細菌もたくさんいます。
その時に教わったのは「生まれてから一歳半の間になるべく多くの細菌に触れさせる事で免疫機能の対応能力があがる」という事でした。
昔ながらの生活は細菌に触れる機会が多く、自然と身体の免疫機能の対応パターンを増やしていけていたのだと思います。
現代社会は清潔になっているので新しいアレルギーの病気が増えているのかも知れません。
もちろん過度に不潔にする必要もないですし、手洗いなどは大切です。
細菌とウイルスは違うものですが、ここ数年の新型コロナウイルスの感染対策でアルコール消毒など細菌を排除する傾向は強くなっています。
細菌の勉強をして、細菌に肩入れしている人間としてはこれが続く事で人間の免疫機能にどんな変化が出るのだろうと考えてしまいます。
日本は幸い細菌による発酵食品(納豆や味噌、お酒など)が豊富です、そういったものを活用して免疫のバランスを取る事も大切ですね。
鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科衛生士 藤井