高齢者の体力低下にはまず歯の健康
2022.05.04
こんにちは、さこだ歯科の歯科衛生士 藤井です。
私は両親と離れて暮らしているので年に数回帰省して顔を合わせるのですが、たまに会うと「あ、細くなったな」と思う事があります。
年を取ると食が細くなるので痩せがちになるとは聞いていましたが、自分の両親がそうなると心配なものです。
日々の診療でも何人か高齢者の患者さまを診ていますが、
メンテナンスを受けられている患者様は、全身的に変化を感じたりすることなくお元気に通院されていました。
でも、この丸2年に及ぶコロナ禍で感染を警戒されて来院が途絶えた方が数ヶ月ぶりに来院されると痩せておられたり、
中には歩く事が不自由になって、診療台まで支えて歩かないと難しい方もいらっしゃいました。
全員が全員そうと言うわけではなく、様子が変わった方に共通するのは感染が怖くて家から出なくなって運動しなくなった、
運動しないと食欲もなくなるので食が細くなって痩せたら、どんどん体力が無くなってこんな感じになったという生活の変化でした。
コロナ禍というのはこういった副作用的な影響もあるのかと思いました。
感染は怖いですがなるべく歩くなど運動して、お出かけのきっかけに歯医者に通うというのも口実にしていただけたらと思います。
冒頭の両親に話を戻すと、会うたびに痩せているなーと思うのは父親の方で食事の時に食べられるものが減ったというのが理由です。
歯が何本かダメになって入れ歯になって、入れ歯が合わず噛まなくなったことで食べられるものが減ったそうです。
食事の席でも寂しそうな感じに見えます。
中でも好物だったお刺身などは硬いので噛む事ができなくなったそうです。
お肉やお魚などのタンパク質の食べ物は噛むのに力がいるで歯がダメになると避けがちになり、
パンや麺類など噛まなくてもいい炭水化物が増えがちになるのです。
タンパク質を取らないと筋肉が作られなくなり、さらに体力が落ちるという現象が起きます。
昨今のタンパク質ブームを考えると完全に逆行しますね。
なので、歯を大事にするということはお年寄りの体力を維持する意味でもとても大切なことなんです。
父親の話を聞くと、コロナの感染が怖くて入れ歯が合わないのに歯医者に行くのを避けて食事が不自由なのを我慢していたとの事でした。
ここにもコロナと高齢者の体力低下が関係しているのかと感じました。
私も日々の診療での感染対策を万全にして、患者様に安心して来院していただけるようにしないと、と改めて痛感しました。