大型で肉食性で大きな口のサメの歯は、尖っていて獲物を食いちぎるのに適しています。人間の歯は、前歯、犬歯、奥歯の3種類の歯がありますが、サメの歯は先端が尖った歯ばかりです。
サメの歯の形や数は、サメの種類によって違いますが、6~20列の歯が並び、なかには3,000本の歯を持つサメの種類もいます。サメはたくさんの歯列がありますが、餌を捕るときは前から2列までの歯を使います。
その後ろに並んでいる歯は、予備の歯になります。獲物に喰らいついたり、前列の歯が割れたり、すり滅ったりすると自然に抜け落ちていき、代りに後ろの歯が移動して前へと出てきます。
サメの歯は、人間の歯と違い、抜けては生えてを何度も繰り返しています。約2~3日ごとに歯を交換して常に鋭い状態を保っているサメは、一生に2万本以上の歯を使うと考えられています。サメの歯が抜けやすい原因の一つは、人間の歯と違い、歯を支えている歯槽骨や歯根膜がないことです。サメの進化の過程で、皮膚(ウロコ)の一部が発達してできたからと考えられています。
人間も、重度の歯周病になると歯がグラついてきて、この歯槽骨や歯根膜が破壊され歯が抜け落ちます。サメの歯は、人間の歯と違い、抜けては生えてを繰り返しますが、私たちの歯は、抜け落ちたあとに次の新しい歯は生えてきません。しっかり歯周病予防を行い、サメの歯のようにボロボロと抜け落ちないように気をつけましょう。