periodontal disease

歯周病診療案内

歯周病の基礎知識や予防法などを解説します。


1. はじめに

– 歯周外科・歯周再生療法とは?(歯周病の治療)

歯周外科治療と再生療法は、進行した歯周病を治療するために行われる処置です。

歯茎の深いポケットや、失われた骨を再生することで、健康な口腔状態を取り戻します。

– これらの治療の重要性

軽度の歯周病では、歯磨きを見直したり歯石の除去を行ったりすることで歯茎の腫れが改善し症状が落ち着きます。一方重度の歯周病になると、歯磨きの改善によって歯茎の腫れがひいたとしても深い歯周ポケットが残り、吸収した骨は戻りません。さらに根っこの深いところについてしまった歯石を全て取り切ることは難しいため、放っておくと歯茎の炎症を繰り返してしまいます。そのため、歯周病をしっかりと治すために歯周外科処置が必要になるのです。

こんなお悩みをお持ちではありませんか?

  • 歯がグラグラしている
  • 歯をなるべく抜きたくない
  • しっかりと歯周病を治したい

当院では、これらのお悩みに対して効果的な治療を提供し、健康で安心できる笑顔を取り戻すお手伝いをします。

2. 歯周病の概要

– 歯周病の原因と進行

歯周病とはお口の細菌によって歯茎が炎症を起こし、歯を支えている顎の骨が溶けて最後には歯が抜けてしまう病気です。

歯周病の原因は細菌です。

お口の清掃が不十分な場合、プラーク(歯垢)と呼ばれる汚れが歯の表面に残ります。このプラークは主に細菌が集まったもので、1㎎あたり1億個の細菌が存在しています。そしてプラークを放置して固まったものが歯石です。これらが歯茎のまわりに停滞していると歯茎は炎症を起こします。炎症が進むと歯を支えている骨は溶け、歯がグラグラしてきます。歯周病は痛みがでることはあまりなく、気づかないうちに進行していきます。

そのため定期的に歯周病検査をし、問題がないかをチェックする必要がある疾患です。

– 歯周病による影響

歯周病は口臭を引き起こします。歯周病原菌が産生する代謝物が臭いの元となり、特有の臭いがします。歯周病が原因で起こる口臭は歯周病が改善すると無くなりますので、治療を積極的に行っていきましょう。

歯周病は全身の病気とも関連があります。歯周病原菌が血液を通して全身に運ばれることで、心疾患や脳梗塞、早産や低体重児出産を引き起こします。そのほかにも誤嚥によって肺炎をおこすこともあり、健康のためにも歯周病の治療は不可欠なのです。

3. 歯周外科治療

– 歯周外科治療の概要

歯周外科治療とは、歯周病が進行した部位の歯茎を切開し、歯周ポケットが無くなるように歯肉の位置を変えたり、歯根に残っている歯石を除去したり、溶けてしまった骨を増やしたりする外科処置です。

– どのような場合に行うか

歯周病が進行しており、歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残ったままの場合に行います。

つまり、手術なしで一連の歯周病治療を終えた後にも4mm以上の歯周ポケットがあり、炎症が治まっていない時に必要となる処置です。


4. 歯周再生療法

– 歯周再生療法の概要

溶けてなくなった骨を増やす処置のことを歯周外科の中でも歯周再生療法と言います。一般の歯科医院では行っていないこともある処置ですが、当院では治療設備を整え、各地の勉強会に参加し経験を積んだ歯科医師が在籍しているため、安心して治療を提供しております。

– エムドゲインを用いた再生療法

エムドゲインとは、豚の歯胚(歯の赤ちゃん)から作られたエナメルマトリックスタンパク質という通常歯が生えてくる時に重要な働きをするタンパク質を含む薬剤です。歯周組織の再生を促し、溶けてしまった骨を増やす効果があります。

– バイオスを用いた再生療法

バイオスとはウシ由来の人工骨補填材です。世界中で使用されており安全性が実証されている材料です。エムドゲインとバイオスを併用することで、骨再生が大幅に期待できます。そのため当院では、骨を再生する場合エムドゲインとバイオスの併用をおすすめしています。

5. エムドゲインのメリット

骨の再生

患部にとどまりやすく、骨が部分的に吸収した症例に効果があり骨再生を誘導します。

歯周ポケットの減少

歯周組織の再生を促し、ポケットを減少するのに貢献します。

安全性と実績

厚生労働省に認可されており、安全に使用できます。また、以前より世界的に使われている薬で歴史があり、日本および世界の学会で有効であると報告されています。アレルギーの報告や副作用の報告もありません。

6. 治療に関して

歯周外科治療は、まずは手術なしで歯周病の治療(歯周基本治療)を一通り行なった後に、必要と判断される場合に行う処置です。

歯周病が進行しており、初診の時点で歯がグラグラしているなど重度と考えられる場合は、将来外科処置が必要になる旨をお伝えすることもございます。

歯茎の炎症が強いままで手術をしてしまうと、手術中の出血がひどくなり、傷の治りは悪く、せっかく行った手術が無駄になってしまうため、まずは皆さんに歯周基本治療を受けていただきます。

– 手術内容

手術では歯茎を開いて、根っこにくっついている歯石を目視で確認してきれいに取り除きます。

歯周基本治療でもSRPと言って、麻酔をして根っこについた歯石をとる処置をおこないますが、この処置は目で見ることができないため細かい部分までは取りきれません。手術ではSRPではとりきれない歯石を取り除き、根っこの表面をきれいに整えて、炎症を引き起こす原因をなくすことができます。

これにより歯周ポケットの改善が期待できるのです。この処置にあわせて、エムドゲインを用いた骨再生も行うことができます。ポケットの除去と再生療法を一緒に行うことができるため、手術は基本的に1回で済みます。

-アフターケア

手術は1.5~2時間で終了します。

歯茎を切って縫い合わせるため、手術翌日に問題がないかのチェックに来ていただきます。また、術後1~2週間で抜糸を行います。

手術後は患部をなるべく触らないようにお願いしております。痛み止めと抗生物質を処方しますので服用してください。


7. 再生療法の適応と効果

– 適応症例と具体例

再生療法は、歯周病によって歯を支える骨が吸収され、歯がぐらつくようになった場合や、歯周ポケットが深くなり、通常の治療では改善が難しいケースに向いています。特に、次のような症状や状態の方に効果的です。

  • 骨の吸収が局所的に進行している場合

    例: 奥歯の周囲で骨が大きく減少しており、歯周病治療後もポケットが残っているケース。

  • 歯をできるだけ残したい方

    例: 抜歯が推奨されるほど進行している場合でも、再生療法によって骨の再生が見込まれる場合。

– 治療後の効果と予後

再生療法を行った後、多くの患者さんが以下のような効果を実感しています

  • 骨の再生による歯の安定

    骨 が再生されることで、以前ぐらついていた歯の揺れが軽減され、噛む際の不安感が減少します。

  • 歯周ポケットの改善>

    深い歯周ポケットが浅くなることで、炎症が治まり、歯茎の健康が取り戻されます。これにより、歯を長く維持できる可能性が高まります。

  • 予後の安定性

    再生療法を受けた患者さんの多くは、治療後も定期的なメンテナンスを続けることで、長期的に良好な状態を保っています。適切なケアを行うことで、治療効果が長期間持続し、再発を防ぐことが可能です。

8. よくある質問

Q治療の期間と費用
A

手術は1.5~2時間程度で終わり、約1か月後には歯茎が完全に回復します。
費用は【マイクロスコープを使用+基本的な処置+エムドゲイン+バイオス+CT】の場合

  • 1本165000円~
  • 2本目から1本あたり+55000円
Q痛みやリスクについて
A手術中は麻酔が効いているため痛みはありません。術後には痛み止めをお出しします。
歯周外科手術は出血性の疾患(血小板減少症、血友病など)や月経の最初の2日間、血液抗凝固剤を使用している方はリスクがあります。また、悪性腫瘍や重度の心疾患、妊娠2~3か月と10か月の方も手術ができない場合がございます。

9. なぜ「さこだ歯科」を選ぶべきか

– 経験豊富な歯科医師と歯科衛生士の連携

専門知識と技術を持つ歯科医師と歯科衛生士がチームで連携し対応しています。歯科医師だけではなく歯科衛生士も、全国の勉強会に参加し知識と腕を磨いているため安心して任せていただけます。

– 担当の歯科医師・衛生士が対応

当院は担当制ですので、患者様との信頼関係が築きやすいのが強みです。担当制では治療歴はもちろん、患者様個人に関しても把握して対応することができます。

– 最新の設備と技術

最新の設備を備えており、高水準の予防ケアを提供することができます。

– 患者さんに優しい治療環境

リラックスできる環境づくりを心がけております。また、清掃や消毒も徹底して行っております。

治療のご相談はこちら

ご相談フォームからご連絡を頂いた後、担当より日程の調整を行わせていただきます。
お電話(TEL:099-285-2011)からも受付いたします。

もしくは、Web予約をされる場合は、予約の際に「再生療法希望」とコメント欄に記載をお願いします。
記載をいただくことで治療に詳しい担当とのご予約を調整いたします。

webから予約する

author avatar
迫田 敏 理事長
  • 長崎大学 歯学部歯学科
  • 鹿児島大学 歯学部 付属病院研修医
  • 鹿児島大学 医学部臨床検査医学講座(丸山征郎教授)学内留学
  • 同年 さこだ歯科 開設