みなさんこんにちは(*´∇`*)
歯痛に悩む人たちが詐欺師に頼らなければならないことはあまりないでしょう。現代の歯科医は歯痛を治せますし,歯を失わずに済むようにできる場合も少なくありません。それでも多くの人は,歯科医を訪ねることに不安を感じます。ではこれから,歯科医が患者の痛みを取り除くことに成功するまでのいきさつを調べてみましょう。そうすれば,現代の歯科治療のありがたみが分かるかもしれません。
人間にとって虫歯は,風邪に次いでよく見られる病気だと言われています。虫歯は単なる現代病ではありません。古代イスラエルでは,ソロモン王の詩からも分かるように,年を取ると歯が少なくなって不自由を感じるものだと考えられていました。
エリザベス1世は英国の女王でしたが,歯の痛みを免れることはできませんでした。あるドイツ人の訪問者は,女王の黒い歯を見て,それは「砂糖を大量に使うイギリス人にありがちな欠点のようだ」と報告しました。1578年の12月,女王は昼夜を問わず歯痛にひどく悩まされていました。医師たちは虫歯を抜くことを勧めましたが,女王は拒みました。おそらく痛みを恐れたのでしょう。女王を促すために,ロンドンの主教ジョン・エイルマーは,虫歯になっていたと思われる自分の歯を1本,女王の目の前で抜いてみせました。それは勇敢な行為でした。この老人は,歯がわずかしか残っていなかったからです。
当時,歯を抜く必要のあった一般庶民は,床屋か,さもなければ鍛冶屋に行きました。しかし,砂糖を買う余裕のある人が増えると,歯痛に悩む人も多くなり,上手に歯を抜くことのできる人がますます必要になりました。そのため一部の医師は,虫歯の治療に関心を払うようになりました。ところが,抜歯に熟達した人たちは“企業秘密”をだれにも知られないようにしており,その技術に関する本もほとんどなかったため,医師たちは独学しなければなりませんでした。
歯痛の真相
昔から人々は小さな虫が歯痛を引き起こすと考え,その説は1700年代まで根強く残っていました。1890年,ドイツのベルリン大学で働いていたアメリカ人の歯科医ウィロビー・ミラーが,歯痛の主な原因である虫歯がなぜ生じるかを突き止めました。とりわけ砂糖によって繁殖する,ある種の細菌が,歯を侵食する酸を生み出すのです。では,どうすれば虫歯を予防できるのでしょうか。一つの答えが全く偶然に見つかりました。
長年の間,米国コロラド州の歯科医たちは,その地域に住む多くの人の歯がなぜ斑点だらけなのか不思議に思っていました。ついに,人々が使う水にフッ化物が過剰に含まれていることが原因だと判明しました。そして,その局地的な問題を調査していた研究者たちは偶然にも,歯痛を防ぐ上で世界的に重要な事実を発見しました。それは,飲料水にフッ化物が十分に含まれていない場所で育った人たちは虫歯になりやすい,ということです。人々が使う水に自然に含まれていることの多いフッ化物は,歯のエナメル質を構成している成分の一つです。フッ化物の足りない水を使っている人々が適量のフッ化物を与えられると,虫歯の発生率が最大65%も低下します。
こうして,なぞが解けました。歯痛は大抵の場合,虫歯によって引き起こされます。砂糖は虫歯になりやすくし,フッ化物は虫歯の予防に役立ちます。もちろん,フッ化物の摂取は,歯ブラシとデンタルフロスを使って歯を十分にきれいにすることに代わるものではありません。