虫歯を削った直後から歯が、痛んだり、しみたりすることがあります。原因を取り除いたはずなのに、なぜこのような症状が出てしまうのでしょうか?
歯の構造は、エナメル質、象牙質、歯髄の3層構造となっています。歯髄には神経があるので、むき出しになると痛みが生じます。
象牙質には神経がありませんが、虫歯になったり、削ったりすると、痛みやしみるなどの症状がでてくることがあります。
これは、象牙質に流れている「組織液」が原因です。
象牙質には、表面のエナメル質から中心の歯髄に向かい、細い管(象牙細管)がたくさん走行しています。
この中に「組織液」が流れており、象牙質に機械的・科学的な刺激が加わると、組織液に波動が起こり、それが歯髄(歯の神経)を刺激することによって痛みなどの症状が出るのです!
しかし、このような症状は一時的なもので、象牙質は外的な刺激が加わると、新たに象牙質(第二象牙質と呼びます)を作る力を持っていますので、1~6ヶ月後に症状が落ち着く傾向にあります。
ただし、歯髄と近接したところまで削った場合、歯髄への刺激が大きく、治療後に歯髄炎が起こることも。耐えがたい痛みが起こってしまったら、歯髄を取る処置が必要な場合もあるので、我慢せず歯科医院に連絡しましょう。
また、虫歯を削った歯に詰め物をする治療をしたとき、その詰め物の高さが合っていない時も痛みを感じる場合があります。
この対策として、詰め物を入れた後、別の日に改めて「噛み合わせ」の状態をみる歯医者さんも多くいます。
噛み合わせをみるだけなら、行かなくてもいいかと思う人もいるかもしれませんが、これをして治療が完了となる大切な確認ですので、指示に従い、必ず受診しましょう!