物の硬さを量る単位として、硬さを10段階で表した「モース硬度*」というものがあります。人間の歯をモース硬度で表すと「7」で、これは水晶とほぼ同じ
硬いものとして連想しやすい”鉄”のモース硬度が「4」ですので、いかに歯が硬くて傷が付きにくいのかがわかります。
正確にいうと、人間の歯の表面を覆っている「エナメル質」が硬く、人間の身体の中で一番硬い組織といわれています。
この「エナメル質」の内側には、「象牙質」があります。
そして象牙質の内側には「歯髄」と呼ばれる神経や血管の多く通ったやわらかい組織があり、硬いエナメル質が神経や血管のある歯の内部を保護する構造になっています。
この一見頑丈そうな歯のエナメル質ですが、実はとても弱いものがあります。それは、歯に穴を開けてしまう「虫歯」です。
歯垢の中にいる虫歯菌(ミュータンス菌)は、私たちが食べたり飲んだりしてお口に入った糖分を利用して「酸」をつくり、エナメル質を溶かします。(脱灰[だっかい]といいます)
この脱灰が続くと、どんどん歯が溶けて穴が広がってしまい、虫歯は歯の内部にある象牙質、そして神経がある歯髄まで破壊してしまうので、場合によっては、歯を抜かなければいけなくなります。
鉄が水や酸素にさらされると錆びてもろくなるのと同じように、人間の歯(エナメル質)も、しっかり手入れをしないと虫歯によって簡単に穴が開いてしまいます。
日ごろからしっかりとした手入れをし、健康な歯で快適な食生活を送れるように定期的なメンテナンスにも行きましょう!!