今と昔の日本、虫歯人口の割合は?
「朝夕歯を磨けば虫歯にならない」。
この一文は平安時代に書かれた日本最古の医学書「医心方」に記されたものです。
私たちの遠いご先祖様たちも、虫歯と戦っていたことがわかります。
ところで、日本における虫歯人口はどのように推移しているのでしょうか。
厚生労働省の統計データでは1987年からその記録が残っています(歯科疾患実態調査)。
これによると、調査開始から以降、日本の虫歯人口(永久歯に虫歯あるいは虫歯を治療した歯を持つ人の数)の割合は、緩やかな減少傾向にあります。
しかし、世代別にみると様子が少し異なります。
45歳?84歳は調査開始時と比べ割合が増加。
2011年時点では80%超が虫歯の問題を抱えています。
その一方で、未成年者の虫歯人口は大きく減少しています(下の図表参照)。
■今と昔の虫歯人口割合(1987年と2011年の比較)
※厚生労働省(2012). 平成23年歯科疾患実態調査より抜粋
若い世代が、虫歯人口の“緩やかな減少傾向”に貢献しているということです。
未成年者の虫歯人口が減少した理由は、フッ素水溶液を使ったうがいを導入する学校が増えた事が考えられます。
フッ素は歯の表面を強化して菌から守る働きがあり
現在わかっている虫歯予防法の中では最も有効だとも言われています。