『酸蝕歯』とは、酸性度の高い食べ物、飲み物を頻繁に摂取することで歯の表面のエナメル質が溶けていく状態です。
虫歯は、砂糖やでんぷん質などを摂取するとお口の中の細菌がこれらをエネルギーとして『酸』を作り出します。
細菌が作り出した酸がエナメル質を溶かしていくのですが酸蝕歯と虫歯は違う点はできる場所が異なること。
虫歯は、歯と歯の間や歯ぐきの境目など細菌が生息しやすい、磨き残しが多く出てしまいやすい部分など少数歯に対して起こります。
ですが、酸蝕歯は細菌とは関係なく酸にさらされる範囲すべての歯に起こることが特徴です。
酸蝕歯ができる原因はいくつかあります。
●酸が多く含まれる食べ物・飲み物(ワイン・果物・酢・スポーツドリンク・栄養ドリンクなど)が一定時間以上歯に触れていることで起こる…歯の表面はエナメル質といって水晶よりも固いといわれています。酸に触れる時間が長いとエナメル質表面は軟らかくなりミネラル分の一部も失っていきます。
●過剰な刺激…歯の表面が軟らかくなった状態に力を入れて歯を磨いたり、歯ぎしりなどの力が加わるとエナメル質がはがれたり、削れていきます。
酸食歯の大きな原因は歯に触れる酸の濃度と頻度が関係してきます。
また、歯の表面が溶けてきても身体にはエナメル質を修復する力、『再石灰化』がありますがこれには唾の働きが重要になります。したがって、唾の量、質も関係してきます。
一人ひとり、生活スタイルは異なりますが、最近は『酸』を多く摂取する傾向が高くなってきており、昔に比べ酸蝕歯も増加してきています。
今一度、食生活、生活スタイルで思い当たる節がないか振り返ってみてはいかがでしょうか。