TVなどで耳にすることが増えてきた歯周病。
これまで歯周病は、お口の中だけの病気と考えられてきました。
しかし近年、歯周病が全身にもたらす影響、また全身が歯周病に与える影響があることが分かってきました。
歯周病とは、歯のまわりの組織である歯肉、歯槽骨などの病気で、細菌によって引きおこされる感染症です。
お口の中に細菌が定着すると、炎症が起こり、歯肉が赤くなったり、腫れたりします。
この炎症が継続して起こると、歯の周りの組織が破壊され、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病と関連のある全身疾患にはいくつかありますが、今回は糖尿病との関連についてお話しします。
糖尿病は、血糖を下げるホルモン(インスリン)が足りなくなったり、
うまく作用しなくなることで、高血糖が続く病気です。
血糖値が高い状態が続くと、様々な合併症が起きやすいとされており、歯周病は糖尿病の合併症となっています。
糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べて歯周病になるリスクが高いということ、
歯周病の治療によって歯肉の炎症が改善すると、インスリンが働きやすい状態になって、血糖値が改善する可能性があるという報告があります。