ニュースレター Vol.86 今月の特集
口腔機能発達不全症について
梅雨入りのニュースが気になる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。季節の変わり目ですので、体調など崩さないようお気を付けください<(_ _)>
さて、今月は『口腔機能発達不全症について』です。
口腔機能発達不全症とは「食べる機能」、「話す機能」、その他の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態です。
症状としては、咀嚼(食物を歯で噛み粉砕すること)や嚥下(飲み込むこと)がうまくできない、構音(発音の操作)の異常、口呼吸などが認められるといったものがあります。
まずは、次のシートを使ってチェックしてみましょう!!
2つ以上該当するものがある場合は『口腔機能発達不全症』が疑われます。
該当するものがある場合は歯科医院で相談してみましょう。
口腔機能の発達については次の表を参考にしてみましょう!
①咀嚼(食物を歯で噛み粉砕する)機能
・歯の萌出に遅れ、歯列・咬合に問題がある
・咀嚼に影響があるようなむし歯がある
・強く咬みしめられない
・咀嚼時間が長すぎる
②嚥下(飲み込み)機能
・飲み込む際に舌の突出がないか
・臼歯で噛み、唇を閉じた状態で飲み込めるか
③食行動・栄養
・極端な身長、体重の異常がないか
・哺乳量や食べる量の回数が多すぎたり、少なすぎたり、ムラがあったりしないか
④構音(発音の操作)機能
・構音時に音の置換、省略、ゆがみなどの異常がある
・口唇の閉鎖不全
・舌小帯に異常がある
・顎の発育に異常がある
⑤呼吸機能
・口呼吸をしていないか
・睡眠時にいびきをかいていないか
口腔機能発達不全症は日々の生活全体を見ることが重要になります。
口腔機能発達不全症は早期に発見することにより、その後の口腔機能の発達を促すことが容易になる可能性が高い症状です。
気になるところがある場合は早めに歯科医院に相談しましょう。
参考:デンタルハイジーン1月号、日本歯科医学会『小児の口腔機能発達評価マニュアル』