Blog

「沈黙は金」になり得ぬもの

2023.10.19

こんにちは、診療放射線技師の上村です。

突然ですが、皆さんは「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉をご存じですか。19世紀のイギリスの評論家、トーマス・カーライルという方が出版した本に出てくる言葉だそうです。雄弁とは説得力を持って力強く話すこと、つまり「雄弁は銀、沈黙は金」の意味は、説得力のある言葉を持つのは大事だが黙るべき時を知るのはもっと大事である、ということです。僕自身も経験があります。余計な一言を言って先生や親の怒りに油を注いでしまったこと。昔のことわざは現代でも通用するので、人間って昔から何も変わってないんだろうなあ、なんてしみじみと思う今日この頃。しかし一説によると、この言葉ができた時代は銀の方が価値が高かった可能性があるそうです。もしこの説が本当だとすると、ことわざの意味も逆になってしまいますが、結局はどちらでも正解なのかもしれませんね。

長々と変な話をしてしまいましたが、今回の本題は別にあります。

それはズバリ、「歯髄」についてです。歯に虫歯ができると痛くなることからわかるように、歯には神経が通っていて、その周囲には血管やリンパ管などもあります。その空間のことを歯髄といいます。もし虫歯が大きくなり、歯髄にまで到達してしまった場合、炎症になって激しい痛みを感じるようになります。しかし治療をせずに放っておくと、やがて痛みは治ります。ではこの状態は治ったと言えるのでしょうか。答えは❌です。

なぜ痛みが消えたのかというと、神経が腐ってしまい、神経としての役割を果たせなくなっているからです。リンゴがたくさん入ったカゴの中に、一個だけ腐ったリンゴを入れたらどうなるでしょうか。他のも腐りますよね。歯も一緒です。なので、虫歯は早く治すに越したことはないのです。

虫歯に関しては「沈黙は金」になり得ません。トーマス・カーライルにもそこだけはしっかり言って欲しかったものです。

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
診療放射線技師 今村

RELATED

関連記事

スタッフブログ記事一覧