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お口の中で溶け出す、リスクのある金属とは

2023.08.01

歯科医師の柴田です。

歯科の分野で金属アレルギーを引き起こすものとして注意しておきたいものに、パラジウム、銅、水銀があります。

パラジウムや銅は、俗に銀歯と呼ばれる、健康保険適応の金銀パラジウム合金(キンパラ)の中に含まれます。

この合金は、日本以外では使われておらず、外国人が日本人の笑顔からのぞく銀歯を見たら、なぜ日本人は歯にシルバーを好むのかと不思議に思うことでしょう。

この金銀パラジウム合金は嚙む力に耐える硬さがあり、以前は比較的安価で作れる合金だったことが、日本で主流の治療材料となった要因です。(誰でも安心して医療を受けられる、健康保険制度が充実した日本ならではの、安価で耐久性がある金属でしたが、最近は金やパラジウム、銅の価格も高騰しています)

また、20年以上前にはアマルガムという水銀を含む金属が使われていた時期もありました。

これらの金属は、唾液や飲み物が絶えず触れる口腔内では微量ずつ溶け出し、イオン化して体内に入ると異物として認識 して抗体が作られます。タンパク質と結合してアレルゲンとなるわけです。

個人の免疫応答や感受性も様々で、すべての人が金属アレルギーになるわけではありませんが、誰でもリスクがあるのは確かですから、古い金属は外してメタルフリーの素材でやり替えることには大変意義があります。

篤志会では、ジルコニアやセラミックス等のメタルフリー素材を使ったかぶせものを、口腔内スキャナ(プライムスキャン)とマイクロスコープを使用して、高精度の治療を選んでいただくことも可能です。

また、インプラント治療では、チタン合金ではなく、純チタン製の最新インプラント体(京セラ製ファインシアレリオス FINESIA Relios)を採用しています。

口腔内の環境を整えて、金属アレルギーによる全身リスクを減らす。そして不自由なく、美味しくお食事ができることが、健康で長生きすることに繋がります。

お困りのことがありましたら、ぜひ篤志会にご相談ください。

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科医師 柴田

 

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