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しもた、はいた(歯痛)

2023.09.28

皆さん、こんにちは。秋分の日も過ぎて今年も残りおよそ3か月となりましたね。

夕方に周りが暗くなる時間も早くなり、車や自転車の早めの点灯、歩行時の足元に気をつけたいものですね。

 

さて、視覚のお話をさせていただきましたが、今回は痛覚、歯のお痛みのお話をさせていただきたいと思います。

健康な歯は外層から順に「エナメル質」、「象牙質」、「歯髄」という構造で成り立っており、それぞれ構成する成分、構造が異なります。

「歯髄」は歯の神経、血管、タンパク質などで構成されています。

「象牙質」はカルシウムなどの結晶成分やタンパク質など、そして、歯の神経の一部(神経終末)です。象牙質はその成り立ちの過程の名残で、多くの極々細い穴が存在します。

その細い穴の入口1/3程度まで歯髄からの歯の神経の一部が入り込んでいます。

「エナメル質」は大部分が結晶成分で構成されていて、わずかにタンパク質などを含みます。そのため、初期のエナメル質のむし歯では歯の痛みは感じにくいです。

では、むし歯の痛みはどうやって起こるのでしょうか?

歯の痛みは不明な点もあり、「一つの説」として前述の「象牙質の細い穴」と「象牙質の細い穴に入り込んだ歯の神経の一部」が関係しているといわれています。

簡単に説明しますと、細い穴の中には神経の一部と水分が入っていて、刺激を受けるとその水分が細い穴の中で動いて神経に刺激を与えているといわれています。

そのため、むし歯が進んで歯の神経がまだ露出していない段階でも、飲食物の刺激でむし歯の痛みが起こると考えられています。

そして、むし歯の治療では「歯医者の麻酔」を使用します。治療でよく使われる麻酔の方法は、歯茎に麻酔薬を注入して治療する歯の神経を鎮静する方法です。

この方法で麻酔をするのは、歯の結晶成分には麻酔薬が浸透しないので、歯茎から麻酔薬を浸透させて歯の神経を鎮静させているからです。

また、この方法では2段階で麻酔をしています。まずは麻酔薬を注入する歯茎の神経を鎮静させてから、歯茎に麻酔薬を注入しています。

多くの方がむし歯の治療にご不安を抱えていらっしゃるかと思いますが、「歯医者の麻酔」のことを知っていただいて少しでも治療のご不安が軽くなっていただければ幸いです。

 

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科医師 児玉

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