Blog

むし歯を知り己を知れば、むし歯予防も危うからず

2024.03.29

皆さん、こんにちは。1月には雪の降り積もった冬も終わり、春らしくなってきましたね。
私も歯科訪問診療の移動中にちらほらと咲いている桜の花を見て日々春を感じています。

さて歯科訪問診療といえば、患者さんのお宅などにお伺いしてむし歯の治療や入れ歯の作製などの治療の他に、お口や入れ歯の定期検診やお口のお手入れも行っています。

今回はその中でもお口の定期検診、特にむし歯についてお話しさせていただきたく思います。

歯科訪問診療は歯医者への通院が難しい患者さんを対象としているという特性上、高齢者の患者さんの割合が多く、入れ歯をご使用されている患者さんが多いです。しかし、本数に個人差こそありますが、ご自分の歯が残っている患者さんも多いです。

お口の定期検診では、残っている歯がむし歯になっていないか、もしくはむし歯になっているけど経過観察中のむし歯の状態、進行の程度もチェックしています。

むし歯の発生には、年代別に発生しやすいむし歯のパターンや特徴があります。一般的に高齢者は若年者と比較して、「慢性う蝕(むし歯)」と呼ばれる種類のむし歯が多くみられます。

う蝕(むし歯)を進行速度により分類すると、「急性う蝕」と「慢性う蝕」に分類されます。

※慢性う蝕とは…

前述の通り高齢者に多く、色調は黒に近く、急性う蝕と比較すると硬さが硬いです。進行が遅いため歯の防御反応が起こりやすく、急性う蝕と比較すると痛みを感じにくいという特徴があります。

その他の高齢者に発生しやすいむし歯のパターンに、歯の根に発生するむし歯があります。

お歳を重ねると、歯茎が下がりやすくなります。歯の根に発生するむし歯とは、この歯茎が下がって露出した歯の根に発生するむし歯のことをいいます。黒に近い着色があり、歯茎のラインに沿って横に広がっていき、時には歯茎の中の部分にまで広がっていくのが特徴です。

高齢者に発生しやすいのは、高齢者は若年者と比較して唾の分泌量が少ないことも原因の一つです。

今回は歯科訪問診療に関連して、高齢者に発生しやすいむし歯のパターンのお話をさせていただきました。

入れ歯を着けていると、入れ歯にもお口の中にも汚れが着いてしまいます。むし歯を予防するためにも、お食事の後は入れ歯を外して入れ歯とお口のお手入れが大切になります。

また、1本(ないしは2,3本)孤立して生えている歯は歯みがきの時にみがき忘れたり、歯ブラシを上手く当てるのが難しかったりします。どうか歯みがきの時はご注意ください。

そして、年齢に関係なく唾の分泌量が少ない時はむし歯になるリスクも高くなります。夜寝ている時は唾の分泌量が少なくなるので、いわゆる「寝る前の歯みがき」もお忘れにならないようご注意ください。

年齢を重ねてもむし歯のない健康なお口でいたいですね!

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科医師 児玉

RELATED

関連記事

スタッフブログ記事一覧