むし歯菌の正体と生態
2022.07.25
「むし歯菌」と聞くと、小さいお子さんなどはアニメのバイ菌みたいなキャラクターが槍を持って歯をつついている姿を想像するかもしれません。しかし、実際の「むし歯菌」は歯を物理的に直接攻撃はしません。
う蝕(むし歯)の発生には複数の要因が関わっていますが、今回はむし歯菌についてお話しさせていただきます。
まず、お口の中のう蝕を誘発する細菌(いわゆるむし歯菌)は、食事やお菓子の中の糖質(特にスクロース)を利用して粘着性のある物質を形成して歯の表面に付着します。このように歯の表面に付着した粘着性のあるヌルヌルした物質は「歯垢(プラーク)」と呼ばれ、数多くの細菌と細菌の形成した物質などで主に構成されています。
そして、歯垢(プラーク)のなかでは糖質を利用して酸(乳酸などの有機酸)が産生されます。歯垢(プラーク)は水に溶けにくい性質をもち、産生された酸が歯垢(プラーク)内で長く留まると、結果的に歯を溶かしてしまいます。
細菌はヌルヌルした歯垢(プラーク)によって歯の表面に付着しますが、歯みがきをすることで歯垢(プラーク)を除去することができます。
しかし、歯垢(プラーク)が付着しやすかったり、除去を難しくする要素があります。それは、歯石、適合していない修復物(歯の被せ物や詰め物)、歯並びの異常、歯の形の異常などが挙げられます。
歯みがきももちろん大切ですが、う蝕の早期発見と予防のためにも、歯科検診の受診、歯科医院の機械での歯石除去や歯面清掃、適合していない修復物の再治療などをおすすめいたします。
むし歯菌の住み家である歯垢(プラーク)を除去して、お口の健康を保ちましょう!