訪問歯科とは?~ご自宅や施設で受けられる歯科治療~
2026.08.01
「訪問歯科」とは、歯科医院への通院が困難な方のもとへ歯科医師や歯科衛生士が訪問し、診療や口腔ケアを行う歯科医療サービスです。高齢化が進む中で、訪問歯科の重要性は年々高まっています。
訪問歯科では、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整・作製、口腔内の清掃、嚥下機能の確認や口腔ケアなど、外来診療に近い内容を受けることができます。お口の健康は食事や会話、全身の健康にも深く関わっており、適切なケアを継続することが大切です。
訪問歯科の大きなメリットは、患者さまが慣れ親しんだご自宅や施設で安心して診療を受けられることです。通院時の身体的負担やご家族の送迎負担を軽減できるだけでなく、実際の生活環境を確認しながら診療を行えるため、一人ひとりに合った治療やケアを提案できます。
対象となるのは、寝たきりの方、車いすをご利用の方、認知症などにより通院が難しい方、病気や障害によって外出が困難な方などです。「歯医者に行きたいけれど通えない」という方は、訪問歯科を利用できる可能性があります。
私自身も週に1回、訪問診療(往診)に出向いています。訪問歯科の現場では、治療だけでなく患者さまやご家族の生活背景を理解しながら診療を進めることが求められます。一方で、医院内とは異なる限られた環境で診療を行うため、設備や体位の制約があり、患者さまの全身状態にも十分な配慮が必要です。そのため訪問歯科には独特の難しさがありますが、通院できない方にとって欠かすことのできない医療であることを日々実感しています。
お口の健康を守ることは、食べる楽しみや生活の質(QOL)を維持することにつながります。通院が難しくなった場合でも、歯科医療をあきらめる必要はありません。訪問歯科を通じて、地域の皆さまのお口の健康を支えていきたいと考えています。
医療法人篤志会さこだ歯科
歯科医師 藤 亘太郎