【エフエム鹿児島 スマイルライフ】歯医者でもお薬手帳が必要?|安全な歯科治療のために知っておきたいこと
2026.10.23
さこだ歯科運営スタッフ
エフエム鹿児島で毎週金曜日に放送されている「スマイルライフ」では、さこだ歯科 理事長の迫田がお口の健康や歯科医療に関する情報をお届けしています。
今回のテーマは「お薬手帳と歯科治療」です。
歯科医院を受診したときに、「お薬手帳はお持ちですか?」と聞かれた経験はありませんか?
「歯の治療なのに、どうして内科のお薬まで確認するの?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、現在飲んでいるお薬を正しく把握することは、安全に歯科治療を進めるための大切な確認の一つです。
骨粗しょう症のお薬と歯科治療の関係
例えば、骨粗しょう症の治療に使われるお薬です。
骨を強くするために使用される大切なお薬ですが、種類によっては、抜歯などの処置をきっかけに、顎の骨の治りが悪くなることがあります。
以前は、抜歯の前に骨粗しょう症のお薬を一時的に休むことが検討される場合もありました。
しかし、2023年に専門の委員会がまとめた考え方では、抜歯のために一律にお薬を休むことは、原則としてすすめられていません。
お薬を休むことで骨折の危険性が高まる可能性があるためです。
大切なのは、自己判断でお薬を中止することではなく、服用しているお薬の種類や治療状況を歯科医師が正確に把握し、必要に応じて主治医と相談することです。
血液を固まりにくくするお薬も確認が必要です
心臓の病気や脳梗塞の予防などのために、血液を固まりにくくするお薬を飲んでいる方もいらっしゃいます。
こうしたお薬についても、以前は抜歯の前に服用を中止することがありました。
しかし、現在では、原則としてお薬を継続したまま処置を行うことが基本とされています。
お薬を自己判断で中止すると、血栓ができて脳梗塞などの重大な病気につながる危険性があるためです。
抜歯後の出血については、傷口をしっかり縫ったり、止血のための材料を使用したりするなど、歯科医院で適切な対応を行います。
ただし、服用しているお薬や全身の状態、処置の内容によって対応は異なります。必要に応じて主治医と連携しながら、安全な治療方法を検討します。
大切なのは「お薬をやめること」ではありません
歯科治療を安全に進めるうえで重要なのは、お薬をやめるかどうかだけではありません。
どのようなお薬を、どのくらいの期間、どのような目的で使用しているのかを、歯科医院が正しく把握することが大切です。
例えば、次のような病気や治療についても、歯科治療の進め方を考える際に重要な情報になります。
- 糖尿病
- 心臓の病気
- 透析治療
- 骨の治療
こうした情報を確認することで、必要な処置や治療のタイミング、注意すべき点を判断しやすくなります。
お薬手帳は、歯科医師が患者さまの全身の健康状態を知るための大切な手がかりなのです。
医科と歯科が連携して治療を進めます
安全な歯科治療のためには、内科などの主治医との連携も欠かせません。
必要な場合には、歯科医院から主治医へお手紙を送り、現在の病気やお薬の内容を確認したうえで、治療方法を相談します。
また、最近では内科の先生から「歯科で診てもらってください」と依頼されることも増えています。
医科と歯科が別々に患者さまを診るのではなく、情報を共有しながら一緒に健康を支えることが大切になっています。
新しいお薬を始める前にも歯科受診を
骨粗しょう症などの治療で、新しくお薬を使い始めることになった場合にも、事前の歯科受診が役立つことがあります。
お薬を始める前に、治療が必要な歯がないか確認し、虫歯や歯周病などの問題があれば、必要な処置を進めておくことが大切です。
また、治療開始後も、お口の中を清潔に保ち、定期的な歯科管理を続けることが、トラブルの予防につながります。
新しいお薬が始まるときや、持病の治療内容が変わったときには、歯科医院にもお知らせください。
まとめ
歯科医院でお薬手帳を確認するのは、患者さまの安全を守るためです。
骨粗しょう症のお薬や血液を固まりにくくするお薬などは、抜歯をはじめとする歯科治療の進め方に関係することがあります。
大切なのは、お薬を自己判断で中止せず、医科と歯科が情報を共有しながら、適切な治療方法を考えることです。
さこだ歯科でも、必要に応じて主治医の先生方と連携し、患者さまの全身の状態を考慮した歯科治療に取り組んでいます。
歯科医院を受診される際には、ぜひお薬手帳をお持ちください。お薬の名前を覚えていなくても、お薬手帳があれば大切な情報を確認できます。
お口だけでなく、体全体の健康を守るために、私たちと一緒に安全な治療を進めていきましょう。
エフエム鹿児島「スマイルライフ」では、迫田理事長が歯とお口の健康について毎週お話ししています。今後も放送内容をホームページでご紹介してまいります。
(2026年10月23日放送分)