【エフエム鹿児島 スマイルライフ】歯周病で失った骨は戻せる?|保険診療で受けられる歯周組織再生療法
2026.11.06
さこだ歯科運営スタッフ
エフエム鹿児島で毎週金曜日に放送されている「スマイルライフ」では、さこだ歯科 理事長の迫田がお口の健康や歯科医療に関する情報をお届けしています。
今回のテーマは「歯周組織再生療法」です。
歯科医院で「歯周病によって骨が溶けています」と言われたことはありませんか?
歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が炎症によって少しずつ失われていきます。
以前は、一度失われた骨を元に戻すことは難しく、これ以上減らさないようにすることが治療の中心でした。
しかし現在では、条件が合えば、失われた骨や歯周組織の再生を目指す治療ができるようになっています。
歯周病で失われた骨を再生する治療とは?
歯周病は、歯ぐきに炎症が起こるだけでなく、進行すると歯を支えている骨まで失われてしまう病気です。
骨が減ることで歯がぐらつき、さらに進行すると歯を抜かなければならなくなることもあります。
こうした状態に対して、失われた歯周組織の再生を促す治療を「歯周組織再生療法」といいます。
この治療では、歯ぐきを開いて歯の根元や骨の状態を確認し、必要な処置を行ったうえで、組織の再生を促す薬を使用します。
歯周病によって失われた組織を再生させ、できるだけ自分の歯を長く残すことを目指す治療です。
「リグロス」という薬で再生を促します
歯周組織再生療法で使用される薬の一つが「リグロス」です。
リグロスには、もともとやけどや床ずれなどの治癒を助けるために使われていた成分が応用されています。
その成分は「線維芽細胞増殖因子」と呼ばれる、細胞の増殖などを促す働きを持つたんぱく質です。
歯周病によって骨が失われた部分にリグロスを塗布することで、組織が再生する働きを促します。
骨だけでなく、歯と骨をつなぐ歯根膜など、歯を支える組織の再生も目指します。
リグロスは2016年から保険診療で使用できるようになり、以前よりも治療を検討しやすくなりました。
すべての歯に使えるわけではありません
歯周組織再生療法は、歯周病で骨が減っている方すべてに適応できるわけではありません。
特に効果が期待されるのは、骨が縦方向に深く落ち込んでいる「垂直性骨欠損」と呼ばれる状態です。
一方、骨が全体的に平らに下がっている場合などは、再生療法が適していないこともあります。
そのため、まずは歯科用CTなどを用いて、骨の形や失われた範囲を立体的に確認することが重要です。
そのうえで、再生が見込める状態なのかを慎重に判断します。
治療の前には歯周病の原因を取り除きます
リグロスを使えば、必ず骨が元どおりになるというわけではありません。
歯周病によってできた深い歯周ポケットの中には、歯石や汚れ、細菌が残っていることがあります。
また、歯の根の表面にも、細かな汚れが付着しています。
こうした汚れを残したままでは、組織の再生を妨げる可能性があります。
そのため、再生療法を行う前には、歯周病の原因となる細菌や歯石を取り除き、お口の炎症をできるだけ落ち着かせることが大切です。
必要に応じてマイクロスコープなどを使用し、拡大した視野で歯の根の状態を確認しながら、丁寧に処置を進めます。
再生療法は、こうした基本的な歯周病治療の積み重ねのうえに成り立つものです。
治療後のメンテナンスが結果を左右します
歯周組織再生療法によって回復する骨の量には個人差があり、すべてが元どおりになるわけではありません。
それでも、歯のぐらつきが落ち着いたり、深かった歯周ポケットが浅くなったりすることで、抜歯を避けられる可能性があります。
ただし、治療後のお口の管理を怠ると、再び歯周病が進行してしまうことがあります。
そのため、治療後も定期的に歯科医院を受診し、歯周ポケットの状態を確認しながら、歯石の除去やクリーニングを続けることが大切です。
歯周組織再生療法は、治療を受けて終わりではありません。
その後も継続してお口の健康を守ることが、治療の成果を維持するための重要なポイントです。
保険診療で受けられる可能性があります
以前は、歯周組織再生療法で使用する薬として、自費診療の「エムドゲイン」が選択されることがありました。
現在では、リグロスを使用した歯周組織再生療法が保険診療で受けられるようになっています。
ただし、保険適用には一定の条件があり、歯や骨の状態によっては対象とならない場合もあります。
まずは歯周病の検査を受け、ご自身の歯が再生療法の対象になるかどうかを確認することが大切です。
まとめ
歯周病によって失われた顎の骨は、以前は元に戻すことが難しいとされていました。
しかし現在では、リグロスなどを使用した歯周組織再生療法によって、条件が合えば骨や歯周組織の再生を目指せるようになっています。
大切なのは、骨の状態を正確に調べ、再生療法が適しているかどうかを判断することです。
また、治療前に歯周病の原因を取り除き、治療後も継続してメンテナンスを行うことが欠かせません。
「もうこの歯はだめだろう」とあきらめてしまう前に、一度歯科医院へご相談ください。
さこだ歯科でも、歯周病の検査や歯科用CTなどを活用し、一人ひとりのお口の状態に合わせた治療方法をご提案しています。
ご自身の歯を一本でも長く残せるように、一緒にできることを考えていきましょう。
エフエム鹿児島「スマイルライフ」では、迫田理事長が歯とお口の健康について毎週お話ししています。今後も放送内容をホームページでご紹介してまいります。
(2026年11月6日放送分)