皆さんはエナメル質形成不全という言葉を聞いたことがありますか?約5人に1人ほどの割合でみかけることのある歯の疾患です。
どのようなものなのか、原因や処置に関して説明していきます。
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エナメル質形成不全とは
お子さんのお口の中を見て、写真のような歯になっていたらひどいむし歯になってる!?とびっくりしてしまいますよね。
実は写真の茶色い歯はむし歯ではなく、エナメル質形成不全歯です。むし歯とは別物です。そのため痛みなどはありません。
エナメル質形成不全とは歯の一番外側にあるエナメル質という部分がうまく作られず、その下の象牙質という部分がむき出しの状態になってしまう状態をさします。
象牙質の色が黄色をしているため写真のような見た目になります。形成不全の程度によって見た目も少し変わってきます。形成不全は乳歯でも永久歯でもみられます。
原因
原因は胎内での栄養不足や代謝異常による生まれつきのものと、外傷や乳歯のひどいむし歯により永久歯の発育に悪影響が及んでしまう後天的なものがあるといわれています。
しかしわかっていないことも多く、乳歯がエナメル質形成不全だったから永久歯も形成不全になるとは限りません。そのためひどいむし歯にならないようにすること、大きな外傷を避けることが重要です。
注意点
エナメル質形成不全でもっとも気をつけていただきたいのがむし歯です。
エナメル質という歯の最も硬く丈夫な部分がありませんので、当然のことながら虫歯菌に弱くすぐにむし歯になってしまいます。また進行も早いため小さなむし歯でもすぐに対処する必要があります。
定期健診に通い、むし歯になっていないかのチェックが大事です。
処置
形成不全の方には見た目が黄色く気になるという方もたくさんいらっしゃいます。
治療としてはむし歯でない限り特別な処置は必要ありませんが、見た目の回復をおこなうことができます。基本的には乳歯の形成不全に対して被せものをしたりすることはありません。生え変わりで抜けてしまうからです。
永久歯の形成不全に対してはきちんと生え終わるまでまってから被せものの処置を行います。保険適応のものから自費にはなりますがご自身の歯と見分けがつかないくらいきれいな被せものまでありますので、歯科医師と相談して決めていきましょう。
お口の中は暗くて見えづらい上に、形成不全とむし歯はプロでないと見分けがつかないと思います。もしかしたら…と思ったらぜひご相談ください。