FAQ

よくあるご質問

よくあるご質問をまとめました。

乳歯について皆さんはどのくらい知っていますか?お子さんができると乳歯について詳しく知りたくなりますよね。

実は乳歯と大人の歯では違うところがたくさんあります。どうせ途中でぬけるし大人の歯より大事じゃなさそう…と思う方もいるかもしれません。確かに乳歯は途中で生え変わる一時的な歯ですが、乳歯列期はちょうどお子さんの大切な成長期と重なります。

乳歯でしっかり噛んですごすことは身体の成長、あごの成長、きれいな歯ならび、健康な大人の歯のためにとても重要です。

〇乳歯と永久歯の違い

乳歯
永久歯
乳歯 永久歯
20本 28本(32本)
歯の厚み 薄い 厚い
薄い黄色
歯の形 横長の長方形、歯の先端がギザギザ 縦長の長方形、先端が平ら
歯の柔らかさ 柔らかい 硬い
歯髄腔の広さ 広い 狭い

乳歯と永久歯には表のような違いがあります。

・数

乳歯は前歯が12本、奥歯が8本の計20本生えてきます。
それに対して永久歯は前歯が12本、奥歯が16本の計28本(親知らずをあわせると32本)生えてきます。

顎の成長によってスペースができるため、乳歯よりも多くの本数が生えてくることができます。あごの成長が不十分だと永久歯が生えるスペースが足りず、将来がたがたとした歯並びになってしまいます。

・歯の厚み

歯はエナメル質と象牙質という組織が層になっています。

この厚みが乳歯の場合、永久歯の約二分の一の厚みしかありません。そのため、むし歯ができると層の奥にある神経のお部屋(歯髄腔)まですぐに到達してしまいます。

・色

歯の色も少し違います。乳歯は真っ白で、永久歯は薄い黄色をしています。

乳歯の隣に永久歯が生えてきて、色の違いにびっくりする親御さんも多くいらっしゃいますが、乳歯に比べて少し暗い色だな、という場合は問題ありませんので安心してください。

・歯の形

歯の形も違います。乳歯の前歯は横長で、先の方がギザギザとしています。

一方永久歯は、縦長で先端がまっすぐです。実は生えたての永久歯は乳歯と同じように先端がギザギザとしています。使っていくうちにすり減って、平らになっていくのです。また、奥歯の形もよく見ると違います。お子さんの歯磨きの際に観察してみてください。

・歯の柔らかさ

乳歯は石灰化が十分ではないため、歯がやわらかいです。

といっても噛んですぐ割れるというようなことはありません。永久歯と比較すると柔らかいため、むし歯によって歯がとけやすく進行が早いため、注意が必要です。

・歯髄腔の広さ

歯髄腔とは神経のお部屋のことです。乳歯は歯の大きさに対して歯髄腔が広いため、むし歯ができてしまうとすぐに神経に達してしまいます。

また、乳歯は歯と歯の間が空いている状態で生えてきます。

この歯と歯の間のことを成長空隙といい、この隙間があることで乳歯よりも大きな永久歯がきれいに生えることができます。空隙がなくきっちりと乳歯が生えている場合は、大人になったときに永久歯がまっすぐ生えることができず、歯並びががたがたになってしまう場合が多いです。きれいな歯並びは呼吸のしやすさ、体調などさまざまな部分に影響を与えます。

歯科矯正は思春期頃からするイメージがあると思いますが、小さな子が行うものもあります。器具をつかってあごの成長を助けてあげたり、歯並びが悪くなるような癖を取り除いてあげるようなものです。

大人のものとは少し違いますが、将来きれいな歯並びを目指しておこなうもの、という点で同じです。詳しくは 小児矯正 をご覧ください。

乳歯が生える時期

〇乳歯の生える順番・生え変わりの時期

  • 6か月 下の前歯が2本生えてきます(下AA)
  • 10か月 上の前歯が2本生えてきます(上AA)
  • 1歳 二つ目の前歯が上下4本生えてきます(上下BB)
  • 1歳半 奥歯が上下4本生えてきます(上下DD)
  • 2歳 上下の糸切り歯が生えてきます(上下CC)
  • 2歳半 一番奥の歯が上下4本生えてきます(上下EE)

 →乳歯列完成

生える時期は目安です。一人ひとり成長スピードは違いますので前後しても気にしすぎることはありません。半年以上生えてこないという場合は一度歯科医院を受診してみてください。検査をして歯が埋まっている状態なのか、もとから歯がないのかを調べることができます。

もとから歯がない場合でも心配しすぎなくて大丈夫です。先天性欠如といい、よくあることです。ただ先天性欠如の場合は、永久歯も同じように足りない場合があり歯並びに影響してきますので、永久歯の赤ちゃんがあるかどうかも一緒に検査します。

乳歯が抜ける時期
永久歯が生える時期

乳歯が抜ける時期と永久歯が抜ける時期は図のようになります。

初めて生えてくる永久歯は第一大臼歯という歯で、乳歯のさらに奥から生えてきます。6歳ころに生えてくることから6歳臼歯とも呼ばれています。また、最後に生えてくる永久歯は親知らずを除くと第二大臼歯という一番奥の歯です。12歳頃に生えてくるため12歳臼歯と呼ばれます。だいたい小学生の時期が生え変わりの時期です。

生えたばかりの永久歯は乳歯と同じように、石灰化が不十分のため柔らかく、虫歯になりやすいです。一人で歯磨きできるようになっても磨き残しがあるとすぐに虫歯になってしまうため、ぜひ仕上げ磨きやチェックをしてあげてください。

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迫田 敏 理事長
  • 長崎大学 歯学部歯学科
  • 鹿児島大学 歯学部 付属病院研修医
  • 鹿児島大学 医学部臨床検査医学講座(丸山征郎教授)学内留学
  • 同年 さこだ歯科 開設
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