子供が歯をぶつけた
元気いっぱいのお子さんがこけて歯を打ってしまった!と来院されることは歯科医院ではよくあることです。
ひと言で歯をぶつけたといっても、その症状はお子さんによってまちまちですので、考えられるケースについてご紹介していきます。
〇歯をぶつけて歯が抜けてしまった
https://wmsmile.com/wp-content/uploads/2018/01/tooth-knocked-out.jpg
歯が抜けてしまったら歯も一緒に持って来院してください。
そのとき抜けてしまった歯はゴミがついていたとしてもごしごしと洗うことはしないでください。歯がもう一度組織に接着するために必要な部分も一緒にとれてしまうからです。大まかな汚れを流水で漱ぐ程度でOKです。あれば牛乳につけて、なければお水につけて歯を持参してください。
歯科医院できれいにしたあと再植をこころみます。抜けてしまった穴の部分に歯をもどし固定します。しばらくは抜けた部分は使用できません。再植はすぐに定着するものではないため、経過観察をおこないながらつきあっていきましょう。
〇歯をぶつけて歯がかけた
https://eagleharbordentist.com/wp-content/uploads/2022/03/chipped-tooth-in-mouth.jpg
歯が欠けた場合はかけた大きさによって処置が異なります。
もし大きくかけてしまい、そのかけた部分も残っているときは一緒に持参してください。大きくかけた場合は神経まで汚染されている場合が多いため、神経の治療を行います。神経の治療が終わったら被せものをして見た目もきれいに回復していきます。
かけた部分が小さく神経まで達していない場合はかけた部分をプラスチックの詰め物で修復することができます。
〇歯をぶつけて歯がぐらぐらしている
https://images.squarespace-cdn.com/content/v1/58c83896c534a5e35400691e/1490940792972-7MF1KZZHCB9CRW4YGNHM/image-asset.jpeg
歯がグラグラしている場合は正しい位置で歯を固定する処置を行います。
グラグラしている=脱臼している状態です。しばらく固定をしているとその位置で定着していきます。定着するには時間がかかるため経過観察をおこないながらつきあっていきましょう。
〇歯をぶつけたが見た目に変化はない
歯をぶつけたが見た目に変化がない場合もエックス線検査などを行います。
ぶつけたすぐは何もなくても、数日後に歯が変色してくる場合があります。これは強い衝撃により歯の神経が死んでしまうためです。死んでしまった神経は残念ながら生き返らないため、神経をとる処置を行います。また歯の色はあまり変わっていないが、歯茎の根元にぷくっとしたふくらみができることがあります。
この場合も神経の処置が必要になるので来院してください。
〇歯茎や唇が裂けて血がでている
歯茎が切れてしまい、血がどんどんでている場合は縫合します。
親知らずをぬくときなど歯茎を切ってその後に縫合をすることがありますが、それと同じイメージを持っていただけたらと思います。歯茎や粘膜の再生は皮膚よりも早いため、1週間後程度で一度経過をみせていただきます。抜糸をおこないます。
お子さんが怪我をしたらとても心配ですよね。歯やお口も大事ですが、まずは頭をぶつけていないか、意識ははっきりしているか、受け答えはしっかりしているか確認してあげてください。
歯科は医科の次でかまいません。親御さんも動揺してしまうと思いますが、そんなときこそドンと構えてお子さんを安心させてあげてくださいね。
お口の中のことは何でもご相談にのります。一緒に解決していきましょう。