皆さんは鼻で呼吸ができていますか?また、お子さんはお口で呼吸をしていないでしょうか?
呼吸は毎日のことだからこそ、意識せずに気づかないことも多いです。皆さんの普段の呼吸は大丈夫か、一度チェックしてみてください。
鼻呼吸と口呼吸
正しい呼吸というのは鼻から息を吸う鼻呼吸のことをさします。
鼻から息を吸うと、
- 1.鼻毛がホコリや花粉などの大きい異物をブロック
- 2.鼻の粘膜細胞にある小さな小さな毛がウイルスや細菌など病原菌をブロック
- 3.空気が鼻腔を通るときに加湿、保温される
これにより、乾いた細菌交じりの空気が直接喉の奥にあたるのを防いだり、肺にかかる負担を軽減したりしています。
口から息を吸うと外からの刺激に無防備になってしまい、風邪をひきやすくなってしまいます。せっかく天然のフィルターを持っているのですから使わないと損ですよね。
口呼吸の悪影響
また、口呼吸は他にも悪影響を及ぼします。
- 1.虫歯になりやすくなる
- 2.歯肉炎が悪化しやすくなる
- 3.お口がにおう
- 4.歯並びが悪くなる
お口で息をすると口はどんどん乾いていきます。
通常、お口の中は唾液で湿潤状態にあります。唾液はものを飲み込むときに飲み込みやすくするだけではありません。唾液の中には殺菌成分が含まれていたり、唾液で汚れを流したりする役割があります。
つまり、口呼吸でお口の中が乾いてしまい十分な唾液がない状態になると、食べたり飲んだりしたものがお口の中に停滞しやすく、むし歯や歯周病になりやすくなります。汚れがつきやすい=口臭の原因にもなり嫌なにおいがすることも。
また、お子さんがお口で息をし続けると歯並びが悪くなってしまいます。歯には舌が内側から押す力と唇が外から押す力が加わっており、その2つがあることできれいな歯並びを維持しています。そのためお口をあけたままの状態が続くと、歯には舌が内側から押す力のみが加わりつづけ、歯が外へとそっていってしまうのです。
最終的には出っ歯と呼ばれる状態になってしまいます。
そして口呼吸はお顔の老化にもつながってしまいます。こわいですよね。
お口の周りには口輪筋という輪っか状の筋肉が存在します。常に口呼吸をしている人は、この口輪筋が十分に使われないため常に緩んだ状態になってしまいます。口輪筋は表情筋の一種で骨格筋とは少し違います。腕や足にある骨格筋は骨に付着していますが、表情筋は皮膚に付着しています。
つまり、表情筋がゆるむとその筋肉に皮膚がひっぱられてしまい、皮膚がたるんでしまうのです。
まとめると、口呼吸を続けた場合
- 風邪をひきやすくなる
- むし歯になりやすくなる
- 歯肉炎が悪化しやすくなる
- お口がにおう
- 歯並びが悪くなる
- 老化につながる
といった悪影響がでてきてしまいます。皆さん知っていたでしょうか?
普段口呼吸をしているかも…という方、お子さんのお口がぽかんと開いている場合などは鼻呼吸を意識してみてください。
といっても呼吸法は簡単には改善しないものです。口が開いていたな、というときはすぐに閉める、また可能であれば口に鼻呼吸を促すテープを貼るなどしてみてください。
お子さんの口呼吸
お子さんが口呼吸をしている場合はまずはじめに鼻で呼吸ができるかどうかを確かめてあげてください。
鼻炎で口呼吸ができないという場合に無理して口呼吸をさせることはできません。まずは耳鼻科にいき原因に対する治療をする必要があります。
また子供の口呼吸の場合、アデノイド肥大といって咽頭扁桃が大きいことが原因で口呼吸をしていることがあります。
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咽頭扁桃が大きいと空気の通り道が狭くなってしまうため、通常の鼻呼吸では空気が足りず、たくさんの空気を取り込むためにお口で呼吸をしてしまいがちになります。
アデノイド肥大は10歳くらいになると自然と縮小していくため、呼吸障害や睡眠障害など深刻な症状が出ない限り経過観察となることがほとんどです。
息をしづらいのに「口で息したらダメだよ!」と注意してしまわないように気を付けてください。
マイオブレース
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お子さんの口呼吸改善にはマイオブレースという器具の使用も可能です。
マイオブレースとはゴムでできたマウスピースのようなもので、小さい子(3歳~)が使用する早期矯正装置です。矯正装置といっても歯を並べるようなものではなく、悪習癖を取り除くのを目的とした装置です。マイオブレースを装着すると正しい舌位置や正しい飲みこみ方、口を閉じた状態の保持、鼻呼吸を学習することができます。装着時間は日中に一日一時間と夜間就寝時です。
正しいお口の使い方はきれいな歯並び、正しい成長につながるため、マイオブレースは予防矯正ともいわれています。気になる方はぜひスタッフに話を聞いてみてください。
コロナによってマスクをしていたときはお口がゆるみがちだった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。マスク必須ではなくなりましたが、なくなったからこそウイルスに負けないように鼻呼吸を意識し、お口の健康にもつなげてみてください。