FAQ

よくあるご質問

よくあるご質問をまとめました。

乳歯のむし歯

〇乳歯のむし歯

乳歯は2歳半~3歳で生えそろいます。

その後6歳になり永久歯が生えてくるまでは前歯から奥歯まですべて乳歯の期間です。乳歯は永久歯に比べて歯質が薄く、やわらかいです。また神経のお部屋は大きいのが特徴です。

そのため一度むし歯になると進行が早く、神経まで達しやすいです。

乳歯に見られる特徴的なむし歯

・哺乳瓶う蝕

哺乳瓶う蝕 https://firsttoothclinic.com/wp-content/uploads/2019/11/UTD.png

哺乳瓶う蝕とは卒乳した後も哺乳瓶を使ってジュースやミルクを与えている場合に見られる、上の前歯に広範囲にできるむし歯のことです。

寝かしつけのときに哺乳瓶を使ってジュースやミルク与えそのまま寝せてしまうと、前歯に糖分や汚れが付着した状態が長く続きむし歯になってしまいます

一番初めに生えてくる歯は下の前歯で、そのあとに上の前歯が生えてきます。だいたい6か月~9か月頃で、まだ卒乳をしていない子もたくさんいると思います。

卒乳を急ぐ必要はありませんが、厚生労働省による卒乳の推奨時期は1歳~1歳半頃とされています。このころには奥歯が生えてきますので、ものを咀嚼する力や顎の成長のためにも卒乳を完了させるひとつの目安にしてもらえるとよいと思います。離乳食とミルクを与えている時期には

  • ①哺乳瓶を使ってジュースは与えない
  • ②できるだけ寝る前のミルクを避ける
  • ③卒乳するまで甘いものを与えない
  • ④歯が生えてきたら歯磨きを開始する 

ことを意識してください。甘いものを覚えてしまうと卒乳が遅れるといわれています。

むし歯の観点からも成長の観点からも甘い食べ物や飲み物は卒乳してからあげるようにすることが大切です。とは言ってもなかなか寝てくれないときや落ち着かないときは困ってしまいますよね。

そのようなときは哺乳瓶に水やお茶を入れる、哺乳瓶をくわえる時間を短くする、ミルクを飲んだあとはお口をすすぐ(すすげない子はお水を飲んでもらう)など工夫をしてみてください。

・ランパントカリエス

ランパントカリエス https://smilecreationdental.com/wp-content/uploads/2015/01/baby-bottle3.jpg

ランパントカリエスとはむし歯がたくさんできている状態のことです。

普段なら虫歯になりにくい部位にもむし歯ができ、1本ではなく3本も4本も一度にむし歯になってしまっているというのが特徴です。

小さなお子さんは自分でしっかりと歯磨きすることが難しく、また乳歯や生えたての永久歯は柔らかくむし歯の進行がはやいためランパントカリエスになる子がいます。

むし歯ができる流れは子供も大人も同じです。甘いものを長時間摂取している、汚れがとれていないなどが原因です。

ランパントカリエスを防ぐ一番の方法は仕上げ磨きをしてあげることです。

まずは親御さんがお子さんのお口の中をしっかりと見てあげてください。むし歯かどうかわからなくても、少し色が違うかも…と思ったら歯医者さんを受診することも大切です。

子供の歯は進行が早いため、痛みがでたときには重症になっていることが多いです。コミュニケーションをとる良い機会にもなりますので、お子さんのお口の中をのぞいてみてください。

乳歯のむし歯の治療法

お子さんの治療ではむし歯の進み具合だけでなく治療を受け入れられる度合いによっても治療法が変わってきます。

まずたくさんむし歯がある場合は一本一本治療をしていると治療が後になった歯がどんどん悪くなってしまうため、初めにむし歯の進行を止めるお薬をぬることが多いです。

この進行止めのお薬は歯が黒く変色してしまいますが、効果的です。激しく嫌がり治療ができない子にもまずはこのお薬をぬってひどくならないようにしていきます。

治療を嫌がる子には徐々に歯医者に慣れてもらいます。歯医者は見たことがない機械がたくさんあり、あおむけで治療をうけるため、何をされるかわからない恐怖があります。

どんな機械を使うのか、機械を使ってなにをするのかを丁寧に説明しお子さん自身に理解してもらったうえで治療をすすめていきます。怖がりの子は歯磨きから始め、むし歯の治療が終わるまで長くかかることもありますが、将来歯科恐怖症などにならないためにもじっくりとすすめていきましょう。

乳歯のむし歯でも大人のときと同じように削って詰めものをしたり、神経の治療をしたりします。抜歯は生え変わりの時期が近い場合は行います。

生え変わりまで時間がある場合は抜けた状態が長く続くと大人の歯並びが悪くなってしまうため、どうしても必要な場合は抜歯し、保隙装置といって小さな入れ歯のようなものやお口の中にワイヤーをいれたりします。

〇永久歯のむし歯

生えたての永久歯はまだ石灰化が不十分なためとても柔らかいです。

そのためむし歯になりやすく、進行も早いのが特徴です。永久歯にできたむし歯は大人のむし歯と同じように治療をしていきます。奥から2番目の歯は6歳臼歯と言われ、6歳ころに生えてきます。早いですよね。

永久歯は一度失ったら乳歯のように生え変わりませんので大事にしていきましょう。

〇むし歯予防

1.フッ素塗布

「フッ素」と聞くと化学で習ったときのような、強くて体に悪そうといったイメージがありますよね。

そんなものを赤ちゃんにぬっても大丈夫なのかな…と心配になる方もいると思います。歯科で虫歯予防のために使われているフッ素は、フッ素化合物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)といって体に悪影響を及ぼさない、安定した化合物です。

化学で習ったフッ素のようにフッ素単体のものとは性質が異なりますので安心してください。ではフッ素を塗るとなぜむし歯予防になるのか?それはフッ素を塗ると歯が強くなるからです。

食べ物を食べるとお口の中の細菌が酸を産生し、この酸によって歯からリンやカルシウムなどの成分が徐々に溶け出していきます(脱灰)。脱灰がすすんでしまうとむし歯になってしまいます。通常、唾液の成分が歯から溶け出した成分を補いもとの状態へと戻っていきます(再石灰化)。お口の中ではこの脱灰と再石灰化が常に繰り返されています。

歯磨きが不十分のまま寝てしまうと、お口の中で酸がたくさん作られてしまう+寝ている間は唾液が減ってしまうためむし歯になりやすくなってしまうのですね。フッ素塗布を行うとフッ素がカルシウムと結合しフッ化カルシウムという状態になります。

これが歯質にとりこまれると歯質はハイドロキシアパタイトからフルオロキシアパタイトという成分へ進化しより硬く、強くなります。また、フッ素はむし歯菌がつくる酸の働きを邪魔します。歯を強くし、さらにむし歯菌にも対抗できるためむし歯予防にとても有効です。

赤ちゃんから使用できること、うがいなどは必要ないことから歯が生えてきたらすぐにでもフッ素塗布は行うことができます。柔らかい綿球を使って歯にペーストをぬっていくため、お口を触られるのに慣れたり歯科医院に慣れるためにもフッ素塗布はおすすめです。

2.ブラッシング

→乳歯が生えてきたら

やはり一番のむし歯予防は歯磨きです。

歯が生えてきたら歯ブラシを使って磨いてあげてください。お子さんの機嫌によっては歯磨きがなかなかできないときもあると思います。

そのようなときは無理に歯ブラシを使おうとせず、ガーゼで拭う程度でも大丈夫です。まずは“歯磨き=嫌なこと”にならないように、少しずつ慣らしていきましょう。寝ている間は細菌が繁殖しやすいため、寝る前にはなるべく歯磨きをしてあげるとよいです。

口元は敏感な場所のため少しさわっただけでも嫌がるというお子さんもいます。初めのうちは全く磨けなくても大丈夫です。軽く歯ブラシをあてるというところからはじめて、少しずつ進めていきましょう。

→磨き方

  • お子さんの頭を膝の上にのせ、あおむけにします。
  • 歯ブラシは子供用のものを使ってください。ヘッドが小さく磨きやすいです。
  • 歯ブラシはペンを持つときと同じように握り、軽い力で小刻みに10~20回ほど動かします。
  • 歯茎を磨いてしまうと痛いため、歯茎にブラシがあたらないようにしてあげるとよいです。
  • 頭はしっかりと固定してください。歯ブラシがお口の中にあるときに急に頭を動かすと危険です。
  • お子さんがやる気になるようなキャラクターがついてるものや、歯磨き粉も子供用の甘いものを使ってあげるとよいです。

お子さんの成長にあわせて自分で歯磨きをさせてみましょう。

その場合は最後に仕上げ磨きをしてあげてください。仕上げ磨きの際は、特に歯と歯の間、奥歯、前歯の唇に隠れている部分をチェックしてみてください。

何歳まで仕上げ磨きをしなくてはいけない、という決まりはありませんが、6歳以降は乳歯が永久歯へと生え変わっていきますので、可能な限り仕上げ磨きをしてあげてむし歯を予防してあげるとよいと思います。

歯科医院での歯磨き指導

お子さんの歯磨き指導もおこなっています。

ある程度自分で歯磨きをできる子には、汚れを染め出して汚れの残り具合をみてもらったり、歯ブラシの動かし方を直接お子さんに説明します。

また親御さんには仕上げ磨きについてもお教えします。自分で歯磨きができない小さなお子さんの場合も、親御さんに歯磨きの仕方をお教えしています。

お子さんの治療や指導の際はいつでも親御さんが付き添っていただいて大丈夫です。

3.規則正しい食生活

お子さんは成長のためにもおやつを食べると思います。

おやつを食べるのは良いことですがその内容と時間を意識してみてください。おやつは甘いお菓子ではなくふかしたお芋など栄養面でもむし歯の面でもよいものを選んでください。また、毎日バラバラの時間ではなく決まった時間におやつを食べることも大切です。

ごはんやおやつの後は歯を磨き、ルーティンとなるようにすることをおすすめします。
                                  

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迫田 敏 理事長
  • 長崎大学 歯学部歯学科
  • 鹿児島大学 歯学部 付属病院研修医
  • 鹿児島大学 医学部臨床検査医学講座(丸山征郎教授)学内留学
  • 同年 さこだ歯科 開設
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