先進国のアメリカでは歯周病の研究が熱心に行われています。その中で、歯周病と全身疾患とのつながりが明らかになってきました。
歯周病を患っている人は健全な人の約2倍の確率で心筋梗塞(心臓発作)を起こすそうです。
その原因は動脈硬化だと言われています。
歯周病菌は歯ぐきの血管から侵入して全身にまわります。そして血管に腫れ(炎症)を起こすと動脈硬化が起こります。実際に動脈硬化を起こした部位(血管壁や動脈瘤)からは歯周病菌が検出されている例があります。
動脈硬化が起こる場所により、心臓だと心筋梗塞、脳だと脳梗塞なども起こりえます。
筋梗塞や脳梗塞で亡くなったと納得してはいけません。歯周病が原因で心筋梗塞や、脳梗塞が起きることもあるのです。
さらに、歯周病は低体重児の出産や早産ともつながりがあります。
重度の歯周病が妊婦さんに与える影響はアルコールや喫煙の影響の2倍あるそうです。これは、歯肉の炎症により胎盤を収縮させる化学物質が作られるからです。
妊婦さんこそ健康な赤ちゃんを産むためにも歯医者でのお手入れ(お掃除)をお薦めします。
また、歯周病は糖尿病との関わりもあります。最近では歯周病が糖尿病を悪化させることも分かってきました。
逆に考えると歯周病を治療する事で糖尿病が改善することもあるのです。
歯周病を放っておくと糖尿病になる可能性がありますし、糖尿病は歯周病を放置すると進行していく可能性があります。
糖尿病は目が見えなくなる(糖尿病性網膜症)や手足のしびれ(糖尿病性神経障害)腎臓の病気(糖尿病性腎)を引き起こすほか、細菌に対する抵抗力が弱まりひどい感染症を起こす危険性があります。
歯周病は痛みなく進行していきます。自分で自覚症状を感じるようになっている時は重度に進行している場合もあります。
歯は万病のもと、という言葉もあります。