鏡で歯の根元付近を観察してみると白っぽくなっている部分はありませんか?
歯並びが悪かったり、奥歯やその手前の歯の部分に多くみられることがあります。
これは『脱灰』といって歯の表面からカルシウム分が溶け出してきている初期の虫歯の状態です。虫歯はいきなり歯に穴が開くわけではなく、脱灰の状態が長期間続くことで穴が開いてきます。
歯の表面にプラークが残ったままの状態でいると歯を溶かす『酸』が作られます。この酸の影響で歯の成分であるミネラルが溶け出しエナメル質がスカスカの状態になってくるわけです。
磨き残しが出やすい奥歯の根元やカーブになる部分の歯の根元に起こりやすいのです。
しかし、その一方で脱灰下歯を修復する方法があります。実は口の中の『唾液』は酸を中和したり、溶け出したカルシウムなどを修復する働きがあります。これを『再石灰化』と言います。
また、歯の質を強くする『フッ素』で歯質を強化していくことも効果的です。フッ素は歯磨き粉に含まれています。
効果的に再石灰化を行うために…
●だらだら食べ、間食は控えましょう。(食べ物を口に入れている時間が長いと口の中が酸性に傾き虫歯になりやすい環境になります。)
●歯磨き粉を選ぶ際はフッ素濃度の高いものを選びましょう(歯科で販売されている歯磨き粉は市販のものよりフッ素濃度が高く配合されているものがあります)
●フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きを終えた後のうがいは回数を少なくしましょう(うがいの回数が多いとせっかくのフッ素も流れてしまい効果が薄れてしまいます)
歯科医院での定期的なクリーニングでは高濃度のフッ素を直接歯面に塗りこんでいきます。お口の中のばい菌の数を減らすことで虫歯になりにくい環境にも整えることができます。
脱灰の状態から虫歯に進行しないように正しいセルフケアと、歯科医院での専門的なケアをお勧めします。