現在高齢者の残っている歯が増えている一方で、「根面う蝕」(歯の根のむし歯)が増加している状況です。
成人期の歯周疾患の進行、その治療や間違った歯磨きによって歯茎が下がります。(いわゆる歯が伸びた状態)本来なら歯茎によって覆われた歯の根っこの部分が露出します。
根面う蝕はそのような部分に発生するむし歯のことをいいます。
この露出部分にプラークが付着し続けたり、唾液が減少して、歯の修復機能が遅れ気味になると、歯根部分が虫歯になります。
エナメル質より柔らかい象牙質(根面)から虫歯の侵入が始まるわけです。この露出した根の部分は、エナメル質がある歯冠部分と違い、歯の神経との距離が近い(2mm程度)ため、比較的早い段階で神経にダメージを与えることがあります。
予防としては、普通のむし歯予防と同じです。原因のプラークの量を出来るだけ減らすといった方向が基本となります。そのためには、デンタルフロスや歯間ブラシなどを上手に利用することも重要です。
根面齲蝕は、早く発見できれば、小さく削って詰めるだけで済むことも多いので、定期検診などでの早期発見を心がけることをおすすめします。