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豆知識(旧ブログ)

さこだ歯科のスタッフが綴る、口腔内に関する豆知識です。
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ニュースレター Vol.47 今週の特集

こんにちは。

2016年も4月に入りました。
新しい環境や、新生活が始まる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
桜の花もこの時期とてもキレイに咲く時期ですので、緊張や楽しみも入り混じった月になりそうですね。今月も皆様の健康のお力添えできれば幸いです。

気になる事やお痛み等ございましたらお気軽にご相談下さいね(^^)

歯の雑学 ~噛むことと記憶~

噛むことと記憶の関係について次のような実験が行われました(船越正也学長、日本歯科評論記載の実験より)。 生後3週間を過ぎたマウスを、固形のエサを与えるグループ、粉末のエサを与えるグループに分け、一定の学習を行っています。

どちらのグループも回数を重ねるにしたがって、内容を覚えていきますが、実験開始から7日を超えるころから固形食グループのネズミのほうが成績がよくなり、18日以降では、はっきりと固形食グループが高い成績になったそうです。

さらに、このような噛む量による記憶の差は、年齢が増すほど大きくなることがわかりました。また、奥歯(臼歯)を抜いてしまった高齢ネズミの記憶力は、歯のあるネズミよりも明らかに低下することも示されているそうです。

よく噛むことは、なぜ記憶力の向上につながるのでしょうか。
それは、咀嚼による脳の血流量の増加とa-FGFと呼ばれる物質の増加が関係していると推測されています。a-FGF とは、酸性線維芽細胞成長因子のことで、脳の記憶に関与する海馬に多くあり、記憶中枢の活性を促したり、脳細胞の再生修復に必要な物質として知られています。

よく噛まなくてはならない固形のエサの場合には、脳脊髄内のa-FGF濃度は食後7分くらいから急激に高くなり、食前の300倍以上に達します。
そして、食前の状態に戻るのは3時間後でした。

つまり、この食後3時間に学習をすれば、記憶能力がアップする可能性が高いといえるのです。
是非、せっかくの食事ですので、同じ食事ならより噛んで記憶力の向上を測るのもいいのではないでしょうか。

むし歯の症状と進行程度

むし歯は、程度によって、痛みにもかなりの違いがあります。
ここでは、むし歯の痛みとその症状についてご紹介します。

第1度(C0(シーオー)、C1(シーワン)) 歯の表面のエナメル質を溶かす

C0、C1とは、まだ発症したばかりの小さなむし歯です。
歯の表面を覆うエナメル質を少しずつ溶かし、見た目では白く濁った状態(脱灰)になることもあります。本来、エナメル質は固い層ですが、むし歯菌であるミュータンス菌は、酸を出すことで歯をじわじわ溶かします。

その酸によってエナメル質の表面を少しずつ溶解しているのです。
歯の表面に限るむし歯であれば、それほど痛みはありませんが、食事のときや冷たい食べ物を食べたときにしみる症状や違和感を感じることもあります。

第2度(C2(シーツー)) 象牙質に至り歯がしみる

ややしみるC1の状態を放置すると、エナメル質よりさらに奥の層、象牙質へとむし歯は進行します。

むし歯が象牙質まで進行すると、冷たいものを食べたり飲んだりした際に強い痛みを感じるようになります。また、歯と歯の間にむし歯が発症すると、食べ物が挟まりやすくなります。

この段階になると自覚症状もかなり進み、歯がしみるようになります。
C2と診断される状態です。

第3度(C3(シースリー)) 神経が感染しズキンズキンとした痛み

C2のむし歯を放置すると、むし歯は歯髄(神経)にまで達します。
C3の虫歯になると、冷たいものよりも暖かいものに反応が敏感になります。

歯髄が炎症を起こし化膿するため、身体が温まるとズキンズキンと拍動性の痛みが起こります。 夜、お風呂や布団に入って温まったり、アルコールなどで血行がよくなると痛み出すことが多いです。この場合、炎症が歯髄に波及しているため、神経を取る必要があります。

歯髄を摘出し、神経の炎症である細菌を全て消毒すれば歯の痛みは治ります。
しかし残念なことに、歯に栄養を与える血管や神経を取り除いてしまうために、木にたとえれば枯れ木のような状態になります。

歯自体ももろくなり、硬いものをかんだときに折れてしまう恐れもあります。

第4度(C4(シーフォー)) 抜歯→咬合異常 顎関節症

神経に達したむし歯をさらに放置しておくと、歯が大きく欠けてしまい、歯の根が残ります。
痛みは、それほどなく慢性化し、膿が出てその血液や膿を知らず知らずのうちに飲み込んでいることがあります。  

こういったC4の状態になると歯を残す確立はきわめて低く、抜歯になることも少なくありません。
1本の歯を失うことで歯全体のバランスを崩し、噛み合わせが悪くなることで、成人になってから歯周病や咬合異常、外傷性咬合や顎関節症になることも考えられます。

歯1本にしても、失ってしまったときの代償はとても大きいです。
日常生活を支えてくれる大切な歯ですので、歯の異常に気付いたときは、むし歯予防や生涯健康で過ごすためにも是非歯科医院の受診をお勧めします。

参考:お口の健康ア・ラ・カルト/鴨井久一