歯が痛くて歯医者さんに行ったものの、もう痛くなくなった、仕事が忙しくて時間がない、予約日に行けなかったなどの理由で治療を中断してしまうケースは未だに多いようです。しかし、歯の治療は「痛くなくなったら終了」ではありません。むしろ、そこから治療が始まると言っていいくらいです。
治療を中途半端で終わらせてしまうと、後になってより悪化するケースがたくさんあります。
応急処置のまま
来院時に痛みが強い場合、応急処置を行って痛みを軽減します。症状が一時的に良くなるだけで根本的な原因はそのままです。治療を中断してしまうと、以前にも増して症状が悪化してしまいます。
抜歯をしたまま! 抜歯をしたまま放置していると、隣りの歯や、噛み合わせている歯が移動して、噛み合わせのバランスが崩れてきます。また、むし歯や歯周病が進行して歯ぐきが下がってきてしまいます。
神経を抜いたまま
神経を取った後に放置すると、根っこの先端が汚れていき最終的には強い痛みが出るようになります。ばい菌が繁殖し、むし歯がどんどん拡がり、ひどくなると歯を抜くことになります。
仮歯のまま
仮歯は長期間の耐久性はありません。仮歯のまま治療を中断してしまうと、仮歯がすり減ってしまい、噛み合わせを悪くしてしまったり、そのために歯を削ることになってしまうこともあります。
矯正装置がついたまま
矯正装置をつけたまま放置していると、装置の周りに汚れが残り、歯みがきをしても取れません。それが原因で、むし歯になったり歯周病が進行したりします。
治療中はうっとうしくて長いと感じられるかもしれませんが、完全に終了するまで通うことが一番短期間で治療を終わらせる近道なのです。大切な歯を長く健康に保つためにも、治療を中断されている方は一日も早く再開しましょう。