お問い合わせの多い質問と答えを掲載しています。ここにないご質問は、お気軽に当院までお問い合わせください。
よくある質問の一覧
以下の全ての回答内容は実際に患者様から頂いたご質問への回答ではありますが、ホームページ上の記載は医師による診察・診療ではございません。
治療に際しては公的保険適用外の治療方法を含め回答を差し上げています。費用に関しては料金ページをご確認ください。
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よく頂くご質問の一覧
インプラント手術後は、手術部位の回復を助けるために食事に制限が設けられる場合があります。柔らかい食事や液体の摂取が推奨されることがありますが、具体的な制限は歯科医師の指示に従ってください。
篤志会の歯科医院(さこだ歯科、さこだ歯科ケアクリニック、キラメキテラス歯科)での診察や治療の予約は、電話やインターネットを通じて予約いただけます。急なご来院予定の際も事前にご連絡をお願いします。
歯の詰め物が取れた場合、できるだけ早く歯科医院を受診することをおすすめします。詰め物が取れると、その部分の歯が虫歯や感染のリスクにさらされます。隣の歯が動いてしまう可能性もあります。早めに歯科医師に相談し、修復処置を行うことが重要です。
セラミックは天然歯との色調を調和させることができ、見た目が自然です。虫歯にもなりにくく歯に優しいとされます。金属は強度が高く、噛み合わせの負担に耐えることができます。どちらが良いかは、個人の好みや治療箇所の状態によりますので、歯科医師と相談して決定しましょう。
親知らずは、生え方や口腔内の状況によって異なります。手前の歯をむし歯にするリスクや、腫れを繰り返す可能性がある際は、抜歯が必要となる場合があります。歯科医師と相談し、適切な治療方針を決定することが重要です。
状態や治療内容によって異なりますが、一般的には複数回の通院が必要です。初回の診察や検査、治療計画の作成、実際の治療など、段階的に治療が進められることがあります。歯科医師との相談や予約スケジュールを確認し、必要な通院回数を把握しましょう。
さこだ歯科では感染対策が徹底されており、高い衛生環境にて環境で治療が行われます。感染リスクを最小限に抑えるために、歯科医師やスタッフは厳格な衛生基準に従っています。感染予防対策として、医療器具の滅菌・消毒、使い捨て器具の使用、手洗いや手袋の着用などが行われます。
歯のホワイトニングは、専用の薬剤を使用して歯の色を明るくします。主に、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と、患者自身が自宅で行う「ホームホワイトニング」の2つの方法があります。どちらも併用する「デュアルホワイトニング」が一番効果が高く、白さが長持ちします。
マウスピースは、歯ぎしり(ブラキシズム)やスポーツでの歯のケガを防ぐために使用されます。歯ぎしりが問題となっている場合は必ず必要ですし、激しいスポーツをする際に使用することも推奨されます。
歯科治療後の軽度の出血は治療によっては起こることもあり、治療箇所の組織が回復する過程で起こることがあります。出血が過度で継続する場合や心配な場合は、歯科医師に相談してください。
歯が欠けた場合の治療方法は、欠けた箇所や状況によって異なります。一般的な治療方法には、詰め物(レジンやセラミック)、クラウン、インプラントなどがあります。歯科医師と相談して最適切な治療方法を選択することが重要です。
親知らずの抜歯は一般的に麻酔が施された状態で行われるため、抜歯中にはほとんど痛みを感じません。ただし、麻酔の効果が切れる頃に痛みや腫れが現れることがあります。処方された鎮痛剤を使用することで、痛みを軽減することができます。また、抜歯後の回復期間には一時的な痛みや腫れが生じることがありますが、徐々に良くなります。
麻酔をする前に痛みを軽減するための表面麻酔を使用します。また、麻酔の注入も極細針を使用するので、痛みに配慮した治療を行っています。
治療後の自宅でのケアは、適切なブラッシングやフロスの継続、定期的な歯科検診の受診などが重要です。また、歯科衛生士から指示されたケア方法や注意点に従って行うことも大切です。
篤志会の歯科医院(さこだ歯科、さこだ歯科ケアクリニック、キラメキテラス歯科)でのレントゲン撮影は被ばく量を抑えた撮影を行っています。撮影に使用される放射線量は極めて小さく、必要な情報を得るために一般的に使用されます。また、ご妊娠中の方も保護エプロンを使用して放射線被ばく量を最小限に抑えるようにしています。
また、さこだ歯科には放射線技師が在籍しており、レントゲン撮影のプロが撮影を行っていますす。
篤志会の歯科医院(さこだ歯科、さこだ歯科ケアクリニック、キラメキテラス歯科)では患者さまのプライバシーを尊重し、厳格な個人情報保護措置を取っています。医療関連の情報は患者さまの同意なしに他者と共有されることはありません。
歯のクリーニングは個人の状況によって異なりますが、当院では1-3か月に1回を推奨しています。歯垢や歯石の蓄積が早い人や歯周病のリスクが高い人は、1か月のクリーニングが必要となります。
歯の矯正は、乳歯の生え揃った6歳ごろから行うことができます。この時期から行う矯正は小児矯正と言われますが、成長のコントロールを行うことで将来的な歯列不正を予防することができます。
また、乳歯が抜けて永久歯が生え揃った後に行う矯正は成人矯正と言われます。14歳頃に永久歯が生え揃うので、それから成人矯正はスタートすることができます。また、いくつになっても矯正治療はできるので、当院では60代70代でも矯正治療を受ける方が多くなっています。
虫歯の予防には、以下のような対策が有効です。
– 正しいブラッシングとフロスの習慣の確立
– 正しい食事療法の実践(砂糖や粘着性のある食品の制限)
– フッ素入りの歯磨き粉やフッ素処置の受診
– 定期的なクリーニングの受診
歯茎からの出血は、歯周病の初期段階の兆候であることがあります。歯磨きや歯間清掃時に軽度の出血がある場合は、歯周病の進行を防ぐために歯科医院を訪れることをおすすめします。
入れ歯とブリッジとインプラントは欠損した歯を補うための方法です。インプラントがもっとも残存歯への負担の少ない治療になりますが、適切な治療方法は個人の状況によって異なります。歯科医師との相談を通じて、自身の予算や口腔内の状態を考慮して最適な治療方法を選択しましょう。
根管治療は麻酔下で行われますので、痛く感じることは少ないです。ただし、元々痛みや炎症が強いと麻酔が効きにくいこともあります。術後にも軽度な違和感や腫れが現れることがありますが、通常数日で軽減されます。
歯科治療中に緊張や不安を感じる場合は、まずは歯科医師やスタッフにそのことを伝えてください。リラックスするための対策や鎮静法を提案します。当院では笑気や静脈内鎮静法、全身麻酔なども揃えております。
歯の矯正治療の期間は個人の状況によって異なりますが、一般的には半年から数年かかる場合があります。治療の複雑さや治療目標によっても期間が変わることがあります。目指すゴールと期間の相談を歯科医師にしてみて下さい。
歯の矯正治療には、透明マウスピースを使用するインビザライン矯正、金属のワイヤーを用いたブラケット矯正や裏側矯正などがあります。それぞれの治療方法にはメリットとデメリットがあり、個人の状況に合わせて最適な治療方法を選択しましょう。
虫歯の治療には、歯の表面を削って詰め物をする方法や、歯の神経を取り除いて根管治療をする方法、抜歯する方法などがあります。虫歯の状態によって最適な治療方法が異なりますので、歯科医師と相談して適切な治療を受けましょう。
フッ素の塗布は、虫歯の予防や歯の再石灰化を促す効果がありますので、特に子どもの場合は定期的に行うことが推奨されます。さこだ歯科では成人でも虫歯予防のためにフッ素を使用したリコールを行っています。
歯ぎしりの治療には、マウスピースやストレス管理、咬筋のリラクゼーション法などがあります。歯科医師と相談して、自分に適した治療方法を見つけることが重要です。
歯のホワイトニングは一般的に安全な方法ですが、薬液は適量の使用が推奨されます。歯科医師の指示に従い、適切なホワイトニング方法を選択しましょう。
当院では初回来院時に“Myはいしゃさん”というスマートフォンのアプリを登録いただいています。
ご来院の際の受付だけでなく、次回予約の確認もすることができます。
スマートフォンの機種変更時など、診療所番号を新しく入力する必要が出る可能性があります。
その際に診療所番号が必要となりますが、さこだ歯科は「319」、さこだ歯科ケアクリニックは「318」、キラメキテラス歯科は「1209」をご入力ください。
硬いものを噛んでしまったときや、フロスをとおしたときなど何かの拍子で詰め物や被せものがとれてしまうことがあります。
原因
詰め物・被せものがとれてしまう原因として考えられるのは、
- 1.詰め物の材料が劣化してしまった
- 2.被せものの金属が長年噛むことですり減ってしまい、薄くなったところからとれてしまった
- 3.詰め物・被せものの縁からむし歯になってしまい、歯と隙間ができてとれてしまった
- 4.かみ合わせのあたりが悪く、被せものに過度な力が加わりとれてしまった
- 5.中の歯が割れてしまい隙間ができてとれてしまった
- 6.接着剤が経年劣化してとれてしまった
などがあげられます。
状態と治療法
1.詰め物の材料が劣化してしまった
一般的に詰め物というと、白いプラスチック製の材料で小さなむし歯の部分を埋めた処置をさします。
専門用語ではコンポジットレジン充填(CR充填)といいます。このCRは経年的に着色したり歯と隙間ができる場合があります。また水分が嫌いな材料のため、唾液で湿潤状態にある口腔内ではきちんとした処理をして治療をしなければとれやすくなります。
とれてしまった場合はその下にむし歯ができていないか確認します。むし歯ができていて奥まで広がっている場合は、むし歯をとりきった範囲によって再CR充填となったり被せものになったりします。むし歯がない場合はほとんど削る必要はないため、材料が接着する部分を薄く削り、きれいな面をだして材料がくっつきやすくしたうえで、再CR充填をします。
2.被せものの金属が長年噛むことですり減ってしまい、薄くなったところからとれてしまった
一般的に被せものというと、銀歯や白い大きめの材料(インレー・アンレークラウン)をさすことが多いです。すり減って取れてしまうのは長年使っていた銀歯が多いです。白い被せものはすり減る前に被せものが割れてしまうかすべてがポロっと外れてしまう材質のためです。
すり減ってとれてしまった場合は、もう一度被せものをするために歯を削って形作りをします。きちんと必要量けずらないとまたとれてしまうためしっかりと削り、型取りをして被せものをし直します。また、すり減ってとれてしまった場合は周りの歯質も同じように削れてしまっていることが多いです。経年的に削れた場合は大丈夫ですが、歯ぎしりや食いしばりが原因で過度にすり減っている場合もあります。その場合はマウスピースなどの歯ぎしりに対する治療も行っていく必要があります。
3.詰め物・被せものの縁からむし歯になってしまい、歯と隙間ができてとれてしまった
詰め物・被せものが取れる原因として一番多いと感じるのがこれです。
詰め物や被せものの縁は汚れがたまりやすい場所であると同時に、一度むし歯になっている部分ですのでもともと歯磨きが苦手な場所です。そのためむし歯が再発してしまっているのをよく見かけます。
治療としてはむし歯をとってきれいにするところからはじまります。むし歯が大きい場合は神経の治療が必要になることもあります。削った量によって詰め物になるか被せものになるかが決まります。材質に関しては患者さんに選んでいただけるので相談してきめていきましょう。
4.かみ合わせのあたりが悪く、被せものに過度な力が加わりとれてしまった
現在では接着剤が発達してきたため、かみ合わせのあたりが悪くてとれてしまうということは少なくなりました。しかし硬いものを噛んだときやぶつけたときなど、通常よりも大きな力が加わったときにとれてしまうこともあります。
中の歯質に問題がなければ再度つけ直しをします。そのときにしっかりと咬合調整をして力が適切に加わるように調整をしていきます。過度な力が歯ぎしりや食いしばりの場合は、力のコントロールがとても難しいです。マウスピースなどの治療を併用し被せものとご自身の歯を守っていく必要があります。
5.中の歯が割れてしまい隙間ができてとれてしまった
土台ごととれてしまった場合は中の歯が折れてしまっていることがあります。取れた被せものに棒のようなものがついている場合は以前神経の治療をしていて、土台ごととれてしまっています。
治療としては破折してしまった歯は抜歯となることがほとんどです。折れた場所によっては歯のかけらを取り除いてもう一度土台をたてて使用することもできます。抜歯になってしまった場合はブリッジか義歯、インプラントという方法でなくなった歯の部分を補います。これもお隣の歯の状態によっておすすめする方法が変わってきますので、一緒に考えながら決めていきましょう。
6.接着剤が経年劣化してとれてしまった
接着剤が経年劣化し溶けてしまったことで、被せものと歯との間に隙間ができてとれてしまうことがあります。しかし現在では接着剤が発達しているためあまりおこらなくなりました。比較的新しい材質のCADCAM冠という保険適用の白い歯の場合、材質的にくっつきづらくとれてしまうということもありますが、接着剤やつけるまでの処理がどんどん進化していっているためこれもだんだんと少なくなってきています。
接着剤が原因でとれてしまった場合は中の歯に問題がない場合、もう一度つけ直しをおこないます。接着剤だけが原因ということは少ないためかみ合わせの審査も同時に行います。
いかがでしたか?とれる原因も実はいろいろとあります。どの場合も一度削った歯がむき出しの状態になるため、放っておくとむし歯になるリスクが高いです。痛みがなかったり見た目に影響しない部分であっても早めの受診をお願いします。
被せものをいれて歯の治療が終わったけどなんだか違和感がある…少し高いかも…?ということがあります。
被せものの高さがあっていない状態で噛むと痛みがでることもあり、治療が終わったはずなのに…と不安に感じる方もいるかもしれません。被せものの高さがあっていないときは歯科医院で調整ができますので遠慮をせずに来院してください。
お口の中に髪の毛が入っただけでも気になりますよね。お口の感覚はとても繊細で、数ミリの違いでも大きな違和感がでてしまいます。そのため被せものをはめる際には数㎛単位で調整を行います。被せものの調整は寝た状態で行うため、通常の座って噛んだ時との違いを感じる方がいらっしゃいます。
また、調整の際に普段通りカチカチ噛んでいるつもりでも、緊張などにより実際よりも軽く噛んでしまい、おうちに帰ってリラックスしてしっかり噛んでみると高いかんじがする、という場合もあります。高い被せものは固いものを噛んだ時など、グッと力が加わると歯周組織を圧迫してしまい痛みがでます。また力が加わりすぎると歯が割れてしまうこともあるのです。
治療法
まずは咬合紙という噛んだ位置を記録することのできる紙を噛んでいただき、歯のどの部分が強くあたっているのか?ギリギリしたときに邪魔になっていないか?などを検査します。
咬合紙を噛むと噛んだ位置が歯に印記されるため、高い部分をお口の中で削り調整します。削ったときにでる金属片などは口腔内バキュームで吸い込むため安心してください。歯を削るわけではないため麻酔などは行いません。調整は気になったときにすぐに行うことができます。また、メンテナンスの際にチェックすることもあります。
被せものをしている歯が痛いとき、中はどうなっているのだろう…と不安になりますよね。痛む原因について解説していきます。
被せものをしている歯が痛いときに考えられる原因は
- 1.被せものの高さがあっていない
- 2.被せものの金属が熱を伝えるため痛みを感じる
- 3.根っこに膿がたまっている
- 4.被せものの中で歯や根っこが割れている
- 5.歯周病で歯茎が痛んでいる
などが考えられます。
1.被せものの高さがあっていない
被せものを入れたばかりで噛んだ時に痛みがある場合は、被せものの高さがあっていない可能性があります。
お口の中に髪の毛が入っただけでも気になりますよね。お口の感覚はとても繊細で、数ミリの違いでも大きな違和感がでてしまいます。そのため被せものをはめる際には数㎛単位で調整を行います。被せものの調整は寝た状態で行うため、通常の座って噛んだ時との違いを感じる方がいらっしゃいます。また、調整の際に普段通りカチカチ噛んでいるつもりでも、緊張などにより実際よりも軽く噛んでしまい、おうちに帰ってリラックスしてしっかり噛んでみると高いかんじがする、という場合もあります。
高い被せものは固いものを噛んだ時など、グッと力が加わると組織を圧迫してしまい痛みがでます。また力が加わりすぎると歯が割れてしまいます。痛みがある場合は、被せものを入れたばかりだし…と悩まず歯科医院を受診してください。
治療法
お口の中で被せものの高さを調整します。
削ったときにでる金属片などは口腔内バキュームで吸い込むため安心してください。歯を削るわけではないため麻酔などは行いません。
2.被せものの金属が熱を伝えるため痛みを感じる
被せものを入れたばかりで、熱いものを食べたときに痛むという方は、被せものの金属が熱を伝えて痛みを感じている可能性があります。この場合は1週間程度で痛みは治まることが多いです。
もし1週間以上続くようであれば歯科医院を受診してください。
治療法
1週間以上たっても痛みが治まらない場合はエックス線検査や口腔内の検査をします。
熱いもので痛むときは、被せものをしているけれど神経の治療はしていないときです。熱いものの刺激で神経が興奮してしまい痛むため、刺激がなくなれば痛みがなくなる場合がほとんどですが、神経の炎症がひどい場合は神経の治療を行います。
3.根っこに膿がたまっている
治療をしてしばらくたっている歯が、噛んだ時に痛いという場合は根っこの先に膿がたまっているかもしれません。
根っこの治療をして被せものをしている場合、虫歯菌に侵された神経はすべてとってしまい、神経のお部屋をきれいにして詰め物をしている状態です。お口の中にはたくさんの細菌が存在しています。治療をして可能な限り根っこの中をきれいにしますが、菌を0にすることはできません。ではなぜ根っこの治療をして治るのかというと、細菌の数をできる限り減らして、ご自身の治癒力が菌を退治できるようにしているからです。免疫が細菌に負けてしまうと、治療をした歯でも根っこの先に膿がたまってしまうのです。
しばらくしたら痛みがなくなった、ということはありますが放っておいても治りません。そのままにしておくとどんどん治りが悪くなり、抜かなくてはいけなくなることもあります。また、症状がなくても膿がたまっている場合があります。痛みを感じたら来院すること、定期健診でエックス線写真を撮影し膿がたまっていないかを確認することが大切です。
治療法
被せものをはずし、もう一度根っこの治療をします。再度歯の中がきれいになったら詰め物をして被せものを作り直します。
4.被せものの中で歯や根っこが割れている
被せものをしている歯が噛んだ時にとても痛い!という場合は、被せものの中で歯や根っこが割れている可能性があります。
枯れ枝を想像してみてください。中がすかすかになっている枯れ枝は力をいれて握るとポキッと折れてしまいますよね。神経をとってしまった歯はこれと同じでとても折れやすい状態になっています。簡単に折れないように神経をとったあとは詰め物をしていますが、噛むというとても強い力に耐えられないこともあります。若い方でも歯が割れてしまう方はたくさんいます。
治療法
割れてしまった歯は抜歯になる場合がほとんどです。
しかし、割れている場所によってはもう一度使える場合もあります。エックス線写真の検査を行い、被せものを外して割れている部分を確認します。抜歯になってしまった場合は、ブリッジ、入れ歯、インプラントをして回復します。
5.歯周病で歯茎が痛んでいる
被せものをしている歯が痛いとき、その歯の周りの歯茎が腫れて痛みがでている場合があります。歯周病は痛みがないことが多いですが、急性の場合腫れて痛みがでることがあります。
治療法
まずは腫れている部分を落ち着かせます。器具を使用し歯茎の中をお掃除してお薬を塗布します。痛みが引いたあとは歯周病の治療を開始します。
お口の中はとても複雑です。
一度の治療で生涯健康になれば本望ですが、なかなかそうはいきません。身体の病気と同じで免疫に左右されたり、歯が割れてしまって突然不調がでることもあります。何かあったときにすぐに相談できる歯医者さんがある、ということがとても重要だと思います。
歯医者は怖い!痛い!というイメージがありますが、放置していまって痛みがでることも多いです。早めに受診して痛みがないうちに一緒に治していきましょう。
冷たいものを食べたり飲んだりしたときに歯が痛むことはありませんか。
知覚過敏もしくは虫歯になっているかもしれません。それぞれどのような病気なのか説明していきます。
〇知覚過敏
冷たいものを食べたり飲んだりするときにしみたり、痛んだりする場合は知覚過敏の可能性があります。
知覚過敏は歯の表面が削れたり、歯茎がさがったりすることで、本来ならば隠れているはずの象牙質が露出することによって、歯の中に通っている神経に冷たいものの刺激が伝わってしまいキーンとした痛みがでてしまう状態です。
知覚過敏になってしまう原因
知覚過敏になってしまう原因には 1歯肉退縮 2歯ぎしり・食いしばり 3過剰な歯磨き 4くさび状欠損 があります。
1 歯肉退縮
歯肉退縮とは歯茎がもともとあるべき位置よりも下がっている状態をさします。
歯茎がさがってしまうと、本来歯茎で隠れているはずの根っこが出てきてしまいます。根っこの表面はセメント質という比較的やわらかい組織で覆われています。セメント質は強い歯磨きなどで削れてしまい、その奥にある象牙質という組織が顔をだしてしまいます。象牙質は歯の神経とつながる象牙細管という無数の管をもっていますので、象牙質が顔を出してしまうと外からの刺激がこの管を通して神経に作用し、痛みがでてしまいます。つまり、加齢によって歯茎がさがってしまいそこに強い力で歯磨きをしてしまうと知覚過敏になりやすくなります。
また、歯周病によっても歯茎は下がりますし、健康な歯茎の方でも強い力で歯を磨いてしまうと歯茎はさがってしまいます。そのため知覚過敏は若い方からご年配の方までどなたでもおこりうる疾患です。
2、3、4 歯ぎしり・食いしばり、過剰な歯磨き、くさび状欠損
歯の根元はくびれており、強い歯ぎしりをすると力がすべてこのくびれに集中し、歯の表面の硬いエナメル質をはがしてしまいます。
強い力が加わり続けるとエナメル質の奥にある象牙質もけずれてしまい、神経が通っている空間に刺激が伝わって知覚過敏の症状がでます。また、歯ぎしりだけでなく過剰な力のこもった歯磨きなどでも歯の表面はけずれてしまいます。歯ぎしりや過剰な歯磨きが長期間おこなわれると、くさび状欠損というものができます。くさび状欠損とは図のように歯の根元がくさびのような形にえぐれてしまう状態をさします。
ご自身では歯ぎしりをしているかわからない、という方もくさび状欠損がある場合は歯ぎしりをしている可能性が高いです。
知覚過敏の治療
1.正しい歯磨きを習得
気づかないうちに力をいれて歯磨きをしてしまっている方が多くいらっしゃいます。
上記のように強すぎる歯磨きは知覚過敏の原因になりますので、正しい歯磨きを一緒に習得していきましょう。目安は歯ブラシの毛先が曲がってしまわないくらいの力です。力を入れないと汚れが落ちない、歯がザラザラしているという方は歯ブラシの硬さや歯磨き粉の種類を見直すことも重要です。
ご来院の際にお気軽にご相談ください。また、歯ブラシがヘタっていないかチェックする必要があります。毛先が開いてしまっている場合は替え時です。一度ご自身で確認してみてください。
2.しみ止めをぬる
くさび状欠損はないけれど歯肉退縮などにより知覚過敏の症状がでている方にはしみ止めのお薬をぬります。
これはコーティング剤のようなもので、表面を薬でうすく覆い外部からの刺激を遮断します。コーティングですので永久的にもつものではなく、剥がれてしまうとまた症状がでてくることがあります。
3.くさび状欠損部の治療
くさび状欠損がある方は、その部分に詰め物をすることで外部からの刺激を遮断し、痛みを防ぎます。詰め物にはプラスチックの白い材料を使います。
本院ではマイクロと呼ばれる顕微鏡を使って、隙間がないよう精密に詰め物をすることができます。
4.歯周病の治療
歯周病で歯肉退縮がおこっている方はこれ以上歯肉退縮が進まないように、歯周病の治療もあわせて行います。
歯周病は放っておくと歯茎が腫れて痛みが出たり、気づかないうちに顎の骨がとけて歯がグラグラしてきます。しっかりと治していきましょう。
5.マウスピース
くさび状欠損があり、歯ぎしりがひどい方にはマウスピース治療をお勧めしています。
夜間、寝るときにマウスピースをはめることで歯に伝わる刺激を軽減します。定期健診の際にはマウスピースの調整も一緒におこないます。
6.神経を抜く
知覚過敏は神経に直接外部刺激が届くことで痛みがでます。
そのため刺激が強すぎて神経の炎症がひどいと痛みがおさまらず、シミ止めなどが効かなくなってしまいます。その場合は神経をとる処置をして痛まないようにします。
また、治療後に一時的に知覚過敏の症状が出る場合があります。
歯石除去後やホワイトニング後です。歯石で覆われていた象牙質が除去によって露出することで痛んだり、ホワイトニングの薬剤で表面の歯質がはがれたりすることで痛みがでます。しかしどちらの場合も時間の経過とともに唾液に含まれるカルシウムなどにより再石灰化がおこり痛みはなくなっていきます。
歯がしみると飲み物を飲んだり食事の際に不便ですよね。我慢せずに一度ご相談にいらしてください。
〇むし歯
冷たいもので痛いときは中等度の虫歯(C2)になっているかもしれません。
虫歯は、虫歯菌が糖を分解してできた酸によって歯が溶かされてしまい、歯に穴があいてしまう状態です。また、虫歯にはその大きさによって段階があり、冷たいもので痛む場合は中等度以上の虫歯(C2)になっているかもしれません。
中等度の虫歯(C2)とは
象牙質まで虫歯が進行した状態です。冷たいものや甘いもので痛みがでてきます。
中等度の虫歯なので麻酔をして虫歯の部分を削り、その大きさが小さければCR、大きければセラミックや金属でできたインレー・アンレーという詰め物をいれて治します。
虫歯の治療法
麻酔
当院では痛くない麻酔を心がけています。
細い針を使用することで針がささるときの痛みを軽減し、常温の麻酔薬をゆっくりと注入することで歯肉組織にかかる圧を軽減しています。また刺入時の痛みを和らげるために、表面麻酔といって塗るタイプの麻酔や貼るタイプの麻酔も併用しています。
CR
白いプラスチックの詰め物で、虫歯を削ったその日に行うことができます。
インレー
虫歯の範囲が歯の溝の部分にのみ広がっている場合に行います。
セラミックインレー(白い陶材)や金属、CADCAMインレー(白いプラスチック製)などがあります。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。
アンレー
虫歯の範囲が溝の部分を越えて歯の山部分まで広がっている場合に行います。
歯の山部分は大きな力に耐えられる材料でなくてはならないため、セラミックや金属の詰め物(銀色、金色)で回復します。
虫歯は放っておいても治ることはなく、どんどんと大きくなってしまいます。
また、小さい虫歯だと思っていても中まで広がっている場合もあります。痛みがでると治るのに時間もかかってしまいます。虫歯かな?と思ったら出来るだけ早く歯医者さんへいって診てもらってください。早めの治療が歯を長持ちさせることにつながります。
破折とは歯が割れてしまっている状態です。
歯って硬いのに割れるの?と思うかもしれません。実は歯が割れてしまったり、ヒビがはいってしまうことはよくあることなのです。若い人でもおこります。
まずは歯のつくりから説明します。
歯冠部
エナメル質 | 歯の外側にある最も硬い組織で厚さは2~3㎜ほどです。人体の中で一番硬い組織と言われています。95%がカルシウムなどの無機質でできています。 |
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象牙質 | エナメル質の内側にあり、エナメル質より柔らかい組織です。厚さは2㎜ほどです。約70%が無機質で残りが有機質や水分でできています。象牙質には象牙細管という細い管が存在し、神経のお部屋とつながっています。 |
歯髄 | 歯の神経です。エナメル質と象牙質に守られ、歯の最も内側に存在します。血管も存在しており、歯に栄養を与えています。 |
歯根部
セメント質 | 根っこの最も外側はエナメル質ではなく、セメント質で覆われています。歯根膜という組織が入り込んでおり、あごの骨と歯を結び付けています。約60%が無機質でできており、エナメル質ほど硬くはありません。 |
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歯根膜 | セメント質とあごの骨(歯槽骨)の間に存在する軟組織です。噛んだ時の力や衝撃を感知して、クッションのように力を吸収・緩和します。 |
皆さんもとっても硬いものを噛んだ時、とっさにお口をあけて「いたっ!」となったことがあると思います。
噛む力というのはとても強く、思い切り噛むと70キロもの力がでると言われています。そのため硬いものを噛んで回避する能力がなければ、歯は簡単に粉々になってしまいます。この回避するために存在するのが歯根膜です。歯根膜には咬合力を感知する役割があり、過剰な力がかかったときに逃がすことができます。また、歯がすべてエナメル質のようなとても硬い組織のみでできていたらどうなると思いますか?硬いというのは一見とても強く無敵のように感じますが、実は違います。
分散された力に対しては硬さで対抗することができますが、一点に力が集中してしまった時には力を逃がすことができないため脆くなってしまいます。もし歯がすべてエナメル質でできていたら、ガンっと噛んだ力を逃がすことができずに簡単に割れてしまいます。エナメル質の内側にある象牙質や歯髄は弾力があり、力の緩衝材としての役割も果たしているのです。このように、毎日毎日大きな力に耐えられるように、ひとつひとつの歯の組織がうまく働くようにできています。
どんなときに破折するか
では、なぜ歯がわれてしまうのでしょうか。
歯が割れてしまうときというのは、ひとつは治療をして歯がもろくなっている場合、もうひとつは力のバランスが悪い場合です。
〇治療をして歯が脆くなっている場合
むし歯を削って薄くなった歯を想像してみてください。
厚みが薄いと何もしてない歯よりも割れやすくなっているとわかりますよね。また、むし歯を削っただけでなく神経の治療をした歯は、してない歯に比べて歯がとても割れやすくなっています。神経の治療をした歯は枯れ枝のような状態です。枯れ枝は中が空洞でカサカサしており、力を加えるとパキッと簡単に折れてしまいます。
歯の神経をとってしまうと歯に栄養がいかなくなり力が加わると割れてしまいやすいのです。
〇力のバランスが悪い場合
治療をしていない歯でも割れる場合があります。
かみ合わせが悪いと一部に咬合力が集中してしまい、力に耐えられず割れてしまうことがあります。歯をよく見てみると歯の形は前歯と奥歯だけでなく、奥歯どうしも形が違うことがわかります。この形は上の歯と下の歯がしっかりとかみ合うような形になっており、歯をギリギリした場合にも力を負担できるようになっています。
お口の中はとても複雑な器官なのです。むし歯がない、歯周病がないだけでなく歯のバランスも整っていることが大事です。
歯が割れてしまったときの治療
歯が割れてしまったり、ヒビが入ってしまったときはその部位によって治療法は変わってきます。
歯茎に近い部分が少し割れている、といった場合はかけらを取り出して土台をたて被せものをすることで再建することができます。割れている部分が根っこの奥の方になるにしたがって治療は難しくなります。基本的には抜歯になることが多いです。割れてしまった根っこをきれいに抜いて接着剤でくっつけ、抜いた場所に埋め直すという治療法もありますが、この方法はとても歯がもろい状態のため、治ったあとも大きな力を負担することが難しいです。
どの歯が割れているのか、ほかの歯とのバランスはどうかなど、いろいろなことを考えて治療を行うことが重要になります。
歯が割れると痛みもでますし、治療も困難です。
なるべく歯を長持ちさせるためにもむし歯を予防して歯を削る治療を避け、定期健診の際には噛み合わせをみてもらい力のバランスが整っているかを検査することが大切です。かみ合わせの検査は従来の噛んだ位置を赤い印で記録するやり方と、デジタル機器を使用するやり方があります。
さこだ歯科ではデジタル機器も導入しており、どこが噛んでいるのかだけでなく、どのくらいの面積接触してるかも検査することができます。自分のかみ合わせはどうなんだろう、と気になった方はお気軽にご相談ください。
熱いものを食べたり熱いものを飲んだりしたときに歯が痛むことはありませんか。考えられる原因について解説していきます。
熱いもので痛む場合
- ①中等度のむし歯(C2)
- ②金属の被せものや詰め物
- ③知覚過敏
が考えられます。
①中等度のむし歯(C2)~重度のむし歯(C3)
熱いもので痛いときは中等度のむし歯(C2)~重度のむし歯(C3)になっているかもしれません。
むし歯は、むし歯菌が糖を分解してできた酸によって歯が溶かされてしまい、歯に穴があいてしまう状態です。また、むし歯にはその大きさによって段階があり、熱いもので痛む場合は中等度以上のむし歯になっているかもしれません。中等度の虫歯(C2)とは象牙質までむし歯が進行した状態です。象牙質は神経のお部屋と細い管(象牙細管)でつながっており、象牙質までむし歯が到達するとその刺激は神経にも届きます。
神経への刺激が続くと神経は炎症を起こし(歯髄炎)、熱いものを食べたときに痛みが出ます。また、重度のむし歯(C3)とは神経までむし歯が進行した状態です。この場合は直接神経が侵されているため、強い痛みがでることが多いです。
治療法
麻酔をしてむし歯の部分を削り、その大きさが小さければCR、大きければセラミックや金属でできたインレー・アンレーという詰め物をいれて治します。神経までむし歯が達してした場合は、むし歯を削った後神経の治療に入ります。
麻酔について
治療の際は麻酔が必要です。
当院では痛くない麻酔を心がけています。細い針を使用することで針がささるときの痛みを軽減し、常温の麻酔薬をゆっくりと注入することで歯肉組織にかかる圧を軽減しています。また刺入時の痛みを和らげるために、表面麻酔といって塗るタイプの麻酔や貼るタイプの麻酔も併用しています。
それでも歯科治療は怖い!痛いのが怖くて一歩を踏み出せない!という方もいると思います。当院では普通の麻酔のほかに半分眠った状態でおこなう笑気麻酔や静脈麻酔も行っています。
笑気麻酔
鼻から気体の麻酔を吸い込みます。笑気麻酔をすると酔っぱらったときのようなふわふわとした感覚になり力がぬけた状態で治療をうけることができます。
静脈麻酔
点滴で麻酔を体内に注入します。笑気麻酔より強いためほぼ眠った状態となり治療時のことは覚えていません。治療本数が多い場合や大きな歯科手術のときに行うことが多いです。
どちらの場合も入院などは必要なく、当日お帰りいただけます。治療後にしばらくお休みいただいて問題がないことを確認いたします。服薬中の方や持病をお持ちの方はご相談ください。
CR | 白いプラスチックの詰め物で、虫歯を削ったその日に行うことができます。 |
---|---|
インレー | 虫歯の範囲が歯の溝の部分にのみ広がっている場合に行います。セラミックインレーや金属インレー、CAD/CAMインレー(白いプラスチック製)などがあります。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。 |
アンレー | 虫歯の範囲が溝の部分を越えて歯の山部分まで広がっている場合に行います。歯の山部分は大きな力に耐えられる材料でなくてはならないため、セラミックや金属の詰め物で回復します。 |
神経の治療 | 針のような器具を使って神経のお部屋をきれいにしていきます。神経のお部屋はとても複雑で、細いうえに分岐していたり、人によって形も違います。しっかりときれいにするために治療には数回お時間がかかります。 |
マイクロスコープ精密治療 | 当院ではマイクロスコープという拡大鏡を使用した治療もおこなっています。自費治療ではありますが、マイクロスコープを使用するときれいに隙間なく詰め物をすることができます。また、肉眼ではほとんど見えない根っこの細かい部分もしっかりと見ながら治療を行うことができるため、治療の確実性があがります。 |
②金属の被せものや詰め物
金属の被せものや詰め物は熱を伝えるため、その刺激が神経に届き歯が痛むことがあります。
被せものを入れたばかりの場合はしばらくすると痛みはなくなることが多いです。もし1週間以上痛みが続く場合は歯科医院に相談してください。また古い金属の詰め物が痛む場合は、詰め物の隙間からむし歯になっていることが考えられます。むし歯ができていた場合詰め物をはずしてむし歯の治療を行います。一度詰め物をしているということはすでに歯を削っている状態です。つまり削っていない歯に比べてすでに神経のお部屋に近い状態にむし歯ができているため、むし歯は重度であると言えます。
神経に達していることも多く、その場合は神経の治療が必要になります。
③知覚過敏
知覚過敏の場合も熱いもので痛むことがあります。知覚過敏は歯の表面が削れたり、歯茎がさがったりすることで、本来ならば隠れている象牙質が露出することによって、歯の中に通っている神経に熱いものの刺激が伝わってしまいツーンとした痛みがでてしまう状態です。
熱いもので痛む場合、多くは大きなむし歯で神経に炎症がでているときです。むし歯は入口が小さくても中では大きく広がっている…ということもよくあります。小さなむし歯はプロでないとなかなか見つけられません。一見むし歯が見当たらず、知覚過敏かな?と思う方でも熱いもので痛む場合は早めに歯科医院を受診してください。
今お使いの入れ歯があわない場合は我慢せず歯科医院に行って調整をしてもらってください。
調整にはいろいろなやり方があり、その人の口の中の状況に合わせて行います。入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。ご自身の入れ歯はどちらでしょうか?
部分入れ歯
部分入れ歯は残っている歯に金具をひっかけて、噛む力を金具がかかった歯と入れ歯がのっかる歯茎で負担する装置です。あわない入れ歯を使い続けると歯茎が痛むだけでなく、金具がひっかかっている歯も悪くなってしまいます。
〇金具がゆるい・かたい
金具の部分は何度もつけ外しをしているうちにだんだんと開いていき、ひっかかりがゆるくなっていきます。
その場合は調整してきつくすることができます。逆に入れ歯がとれないように硬すぎる金具もあります。硬すぎる金具は入れ歯が外れないようにするには良いですが、金具がかかっている歯に負担をかけすぎてしまいます。
適切な力となるように調整が必要です。
〇歯茎が赤くなって痛い
入れ歯では歯茎で噛む力を負担するため、靴ずれのように歯茎が赤くなり痛みがでる場合があります。
その場合は赤くなっているところが強く当たりすぎてしまっているので、あたりを弱くするために入れ歯の内側をけずって調整します。
〇歯茎が全体的に痛い
歯茎全体の負担が大きすぎる場合は、内側に柔らかいクッションのような材料をひいて歯茎がもとの状態に戻るのを待ちます。
歯茎の状態が安定したら、その歯茎にあわせて入れ歯の内側だけを硬い材料に置き換える作業をします。どちらの作業も入れ歯をお預かりすることなくその場でおこなうことができます。
〇かみ合わせが気になる
一部分が強くあたっていると感じたり、なんとなく噛みづらいと感じる場合はかみ合わせを調べて全体で噛めるように調整していきます。
調整を繰り返したり長年使っている入れ歯は、人工歯の山の部分が削れてしまい噛みにくくなってしまいます。その場合は山の部分に材料を盛り足して山をつくりなおすことができます。応急的にその場で行うことができますが、歯が全体的に擦れてしまっている場合は作り直しをおすすめします。
総入れ歯
総入れ歯では噛む力をすべて歯茎で負担します。
人によってはあごの骨が吸収してしまい、入れ歯がひっかからず外れやすいという方もいらっしゃるかもしれません。
〇入れ歯が外れる
まずは今の歯茎・あごの骨にあった入れ歯を使うことが一番の解決策です。
あごの骨がない方は骨がない方に比べると入れ歯が安定しにくいですが、しっかりと調整することでとれにくくすることができます。総入れ歯は吸盤のように、歯茎に吸い付いてとれないような仕組みになっています。そのため、入れ歯の内側があっていないととれやすくなります。また、入れ歯が大きすぎると唇を動かしたときに入れ歯がひっかかり外れてしまったり、かみ合わせのバランスが悪いとテコの原理で外れてしまいます。内面・かみ合わせ・入れ歯の大きさ・形のすべてが重要ですので、現在使っている入れ歯がある場合はどこがあっていないのか診査します。
内面だけや、かみ合わせだけが悪いなど一部分が悪い場合はお持ちの入れ歯を調整して経過をみていきます。合わない部分が何か所もある場合は作り直しをおすすめしています。
〇歯茎が痛い
部分入れ歯のときと同じように、靴ずれのように当たりすぎている部分がある場合は内面を削って調整します。
当たりすぎている部分が大きい場合はクッションのような材料をひいて歯茎の炎症がおさまるのを待ちます。炎症が治まったら歯茎にあった形に硬い材料をひきなおします。
〇噛みづらい
かみ合わせの審査をしてバランスがよくなるように調整します。部分入れ歯と同じように、人工歯が削れて平になってしまい噛みにくい場合は、その場で材料を盛り足してかみ合わせを作ったり、盛り足しの頻度が多い場合は人工歯だけを新しいものに置き換える作業をしたり、入れ歯を作り直したりします。
作ったばかりの入れ歯が痛い
作ったばかりの入れ歯は新しい靴を履いた時と同じで、痛みや不調がでやすいです。使っていきながら調整をおこないなじませていくことが必要です。焦らずにしっかりとあわせていくことが重要です。
入れ歯の汚れに関して
入れ歯もご自身の歯と同じようにしっかりと洗浄していただく必要があります。
歯と同じように、放っておくと歯石やプラーク(細菌の塊)がついてしまいます。ひどい汚れは入れ歯の不具合につながります。内面をさわってぬるぬるしているときは汚れがついています。入れ歯を洗う場合は水で濡らした歯ブラシでこすり洗いをしてください。歯磨き粉をつけてしまうと研磨剤で入れ歯が削れてしまうため、お水だけで大丈夫です。
磨いたあとは入れ歯洗浄剤につけ置きして、化学的にも汚れをとってあげてください。
入れ歯は人工物ですので、長年使っているとすり減ったりして状態が変わっていきます。
定期的にお口にあわせて調整していくと、残っている歯や歯茎を守れますし入れ歯を長く使い続けることができます。調整はメンテナンスの際に行えますので、ご自身にあったメンテナンスの頻度を一緒に相談してきめていきましょう。
乳歯のきれいな歯並びがどのようなものかを説明していきます。
ぜひお子さんのお口の中を観察してみてください。
参考(画像):子供たちを健全歯列に導くためのコツ
〈お口を開けた状態〉
- 歯と歯の間に成長のための空隙がある
- 歯列がU字型をしている
- 歯が上10本、下10本ある
〈お口を閉じた状態〉
- 上下の前歯が接触している
- 上下の真ん中がそろっている
以上のような状態が乳歯のきれいな歯並びです。
大人の場合とは少し違うのがわかりますか?永久歯の場合は、歯と歯の間に隙間はなく、上の歯と下の歯は接触せず、2~3㎜の被蓋があるのがきれいな歯並びです。これらの永久歯と乳歯の差は成長に必要なものなのです。
よくある注意したほうが良い乳歯の歯並びは
参考(画像):子供たちを健全歯列に導くためのコツ
- 上下の前歯がかみあっておらず隙間がある
- 上の前歯が下の前歯を覆っている
- 下あごがでている
- 歯と歯の間に隙間がなく、ぴっちりと生えている
という状態です。そのままにしておくと将来的に出っ歯や受け口、がたがたの歯並びになることが予想されます。
お子さんの歯並びチェックは検診の際にも行います。お子さんの定期健診は歯が生え始める6か月頃から来ていただくとよいと思います。歯並びに異常はないか、虫歯になっていないか、歯磨きの仕方のチェック、フッ素塗布などを行います。
検診の頻度はフッ素の効果がなくなる3か月~4か月に一度をお勧めしています。
乳歯について皆さんはどのくらい知っていますか?お子さんができると乳歯について詳しく知りたくなりますよね。
実は乳歯と大人の歯では違うところがたくさんあります。どうせ途中でぬけるし大人の歯より大事じゃなさそう…と思う方もいるかもしれません。確かに乳歯は途中で生え変わる一時的な歯ですが、乳歯列期はちょうどお子さんの大切な成長期と重なります。
乳歯でしっかり噛んですごすことは身体の成長、あごの成長、きれいな歯ならび、健康な大人の歯のためにとても重要です。
〇乳歯と永久歯の違い
乳歯 | 永久歯 | |
---|---|---|
数 | 20本 | 28本(32本) |
歯の厚み | 薄い | 厚い |
色 | 白 | 薄い黄色 |
歯の形 | 横長の長方形、歯の先端がギザギザ | 縦長の長方形、先端が平ら |
歯の柔らかさ | 柔らかい | 硬い |
歯髄腔の広さ | 広い | 狭い |
乳歯と永久歯には表のような違いがあります。
・数
乳歯は前歯が12本、奥歯が8本の計20本生えてきます。
それに対して永久歯は前歯が12本、奥歯が16本の計28本(親知らずをあわせると32本)生えてきます。
顎の成長によってスペースができるため、乳歯よりも多くの本数が生えてくることができます。あごの成長が不十分だと永久歯が生えるスペースが足りず、将来がたがたとした歯並びになってしまいます。
・歯の厚み
歯はエナメル質と象牙質という組織が層になっています。
この厚みが乳歯の場合、永久歯の約二分の一の厚みしかありません。そのため、むし歯ができると層の奥にある神経のお部屋(歯髄腔)まですぐに到達してしまいます。
・色
歯の色も少し違います。乳歯は真っ白で、永久歯は薄い黄色をしています。
乳歯の隣に永久歯が生えてきて、色の違いにびっくりする親御さんも多くいらっしゃいますが、乳歯に比べて少し暗い色だな、という場合は問題ありませんので安心してください。
・歯の形
歯の形も違います。乳歯の前歯は横長で、先の方がギザギザとしています。
一方永久歯は、縦長で先端がまっすぐです。実は生えたての永久歯は乳歯と同じように先端がギザギザとしています。使っていくうちにすり減って、平らになっていくのです。また、奥歯の形もよく見ると違います。お子さんの歯磨きの際に観察してみてください。
・歯の柔らかさ
乳歯は石灰化が十分ではないため、歯がやわらかいです。
といっても噛んですぐ割れるというようなことはありません。永久歯と比較すると柔らかいため、むし歯によって歯がとけやすく進行が早いため、注意が必要です。
・歯髄腔の広さ
歯髄腔とは神経のお部屋のことです。乳歯は歯の大きさに対して歯髄腔が広いため、むし歯ができてしまうとすぐに神経に達してしまいます。
また、乳歯は歯と歯の間が空いている状態で生えてきます。
この歯と歯の間のことを成長空隙といい、この隙間があることで乳歯よりも大きな永久歯がきれいに生えることができます。空隙がなくきっちりと乳歯が生えている場合は、大人になったときに永久歯がまっすぐ生えることができず、歯並びががたがたになってしまう場合が多いです。きれいな歯並びは呼吸のしやすさ、体調などさまざまな部分に影響を与えます。
歯科矯正は思春期頃からするイメージがあると思いますが、小さな子が行うものもあります。器具をつかってあごの成長を助けてあげたり、歯並びが悪くなるような癖を取り除いてあげるようなものです。
大人のものとは少し違いますが、将来きれいな歯並びを目指しておこなうもの、という点で同じです。詳しくは 小児矯正 をご覧ください。
〇乳歯の生える順番・生え変わりの時期
- 6か月 下の前歯が2本生えてきます(下AA)
- 10か月 上の前歯が2本生えてきます(上AA)
- 1歳 二つ目の前歯が上下4本生えてきます(上下BB)
- 1歳半 奥歯が上下4本生えてきます(上下DD)
- 2歳 上下の糸切り歯が生えてきます(上下CC)
- 2歳半 一番奥の歯が上下4本生えてきます(上下EE)
→乳歯列完成
生える時期は目安です。一人ひとり成長スピードは違いますので前後しても気にしすぎることはありません。半年以上生えてこないという場合は一度歯科医院を受診してみてください。検査をして歯が埋まっている状態なのか、もとから歯がないのかを調べることができます。
もとから歯がない場合でも心配しすぎなくて大丈夫です。先天性欠如といい、よくあることです。ただ先天性欠如の場合は、永久歯も同じように足りない場合があり歯並びに影響してきますので、永久歯の赤ちゃんがあるかどうかも一緒に検査します。
乳歯が抜ける時期と永久歯が抜ける時期は図のようになります。
初めて生えてくる永久歯は第一大臼歯という歯で、乳歯のさらに奥から生えてきます。6歳ころに生えてくることから6歳臼歯とも呼ばれています。また、最後に生えてくる永久歯は親知らずを除くと第二大臼歯という一番奥の歯です。12歳頃に生えてくるため12歳臼歯と呼ばれます。だいたい小学生の時期が生え変わりの時期です。
生えたばかりの永久歯は乳歯と同じように、石灰化が不十分のため柔らかく、虫歯になりやすいです。一人で歯磨きできるようになっても磨き残しがあるとすぐに虫歯になってしまうため、ぜひ仕上げ磨きやチェックをしてあげてください。
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乳歯が抜ける目安の時期より半年以上たっている場合や、大人の歯が先に生えてきた場合は歯科医院を受診してください。
乳歯が抜けない原因としては
- ①永久歯の埋まっている位置が悪い
- ②はえてくる永久歯がない
- ③生え変わりはすすんでいるが一部が組織にくっついている
が考えられます。
乳歯は初め、あごの骨に根っこをしっかり固定されて生えています。生え変わりの時期になると、次に生えてくる永久歯がだんだんと乳歯に近づいてきて、乳歯の根っこを圧迫していきます。そうすると乳歯の根っこは徐々に吸収され、支えがなくなった乳歯はグラグラとしてきます。根っこがすべて吸収されると乳歯は自然に脱落します。抜けてしまった乳歯を見ていただくと根っこが無いのはこのためです。
上記のように、乳歯が抜けるためには次に生えてくる永久歯がとても重要な役割を果たします。
「①永久歯の埋まっている位置が悪い」と乳歯の根っこがうまく吸収されません。そのため、乳歯はまったくグラグラしていないのに先に永久歯が生えてきたという状態がおこります。
「②生えてくる永久歯がない」という場合もあります。先天性欠如といい元から永久歯がないことは珍しくありません。特に2番目の前歯がないという方が多いです。
ずっとぐらぐらしているのになかなか抜けない、というときは③生え変わりは進んでいるが一部が組織にくっついている という状態です。この場合はどのくらい根っこが吸収されているかによって乳歯のぐらつき具合は変わります。根っこはほぼ吸収されているが歯茎にひっかかって抜けていないということもあります。
歯科医院を受診した場合はまずお口の中を診ます。歯のぐらつき度、永久歯が見えてないか、ほかの歯の生え変わりの状況を確認します。レントゲン写真も撮影し、後ろに永久歯があるかどうかの確認も行います。
次の永久歯がすでに生えている場合や、ほかの歯の生え変わりが進んでいて遅すぎると判断する場合は抜歯をお勧めします。長く放っていると歯並びが悪くなっていってしまうためです。次に生えてくる永久歯がない場合は大人になっても乳歯をできるだけ使っていくことがあります。その場合抜歯はしません。永久歯は生えてきておらず、ほとんど抜けそうな乳歯に関してはお子さんと相談のうえ抜歯をするかしないか決める場合が多いです。ほとんど抜けている場合、麻酔をしないで抜いたり、表面麻酔のみで抜いたりする場合もあります。
乳歯の抜歯は大人の抜歯とあまり変わりません。麻酔をし、歯を抜いて止血を確認して終了です。
乳歯がグラグラしている
乳歯は大人になるとどんどん生え変わっていきます。
皆さんも小さなころは、歯がグラグラして気づいたら歯がポロっととれていたな…と懐かしい思い出もあると思います。乳歯は抜けるものだ、と思っていてもいざお子さんの歯がグラグラしてくると、このままでいいのかな…と気になる方もいるかもしれません。
結論から言うと、グラグラしている乳歯はそのままにしておいて大丈夫です。
グラグラしているのが気になってお子さんが歯を触ってしまう、ということもあると思います。その場合も、さわっても大丈夫ですし気にしすぎることはありません。また、グラグラしている歯を放置していたら間違って飲み込んでしまうかも…と心配になる方もいらっしゃると思います。
確かに飲み込んでしまう可能性は0ではありませんが、乳歯はのどにひっかかってしまう大きさよりも小さいですし、飲み込んでも排泄されるため問題ありません。
皆さんは乳歯が抜ける時期、永久歯が生える時期を知っているでしょうか?
だいたい小学校に通っている間に歯の生え変わりが始まり終了します。細かい時期を覚えている必要はありません。小学校では毎年歯科検診が行われるため、乳歯の生え変わりがうまくいっていない場合はその際に指摘してもらえると思います。
グラグラして抜けるまでに3か月以上たっている、という場合は歯の一部がうまく吸収できておらず部分的に歯茎とくっついているからかもしれません。後からはえてくる永久歯の位置が悪いといつまでたっても吸収がすすまず、なかなか乳歯が抜けないということが起こります。その場合は歯科医院で乳歯を抜歯します。乳歯の抜歯はめずらしいことではありません。また、抜歯の方法も大人の歯とあまり変わりがありません。
そのままにしても抜けない場合や、後ろから永久歯が生えてきている場合は抜歯を検討します。
永久歯が生えてこない
乳歯が抜けたはいいものの、なかなか永久歯が生えてこない…と心配になる親御さんから相談をうけることもたくさんあります。
その場合は一度歯科医院を受診してみてください。エックス線検査を行い、次に生えてくる永久歯がきちんと存在するか確認をします。ほとんどの場合は放っておいても生えてくることがほとんどですので経過観察を行います。半年以上たっても生えてこないという場合は、麻酔をして歯茎を少しだけ切り、永久歯の頭が出やすいように手伝ってあげることもあります。その場合はお子さんを含め一緒に相談をしながら行いますのでご安心ください。
歯の生え変わりは身長などと同じくお子さんによって個人差があります。もちろん目安となる時期はありますが、そこから大きくはずれない限りは問題ありません。ゆっくりした目で成長を見守ってあげてください。
ただし生えたての歯は柔らかくむし歯になりやすいので、その点のチェックはしっかりと行ってあげてください。定期的に歯医者を受診しむし歯になっていないか、きれいに磨けているかのチェックをうけること、定期的にフッ素塗布を行うことで虫歯になりにくくすることは健康な永久歯を育てるために効果的です。
歯医者さんに対する苦手意識を持たせないことにもつながります。一緒にお子さんのお口の中を守っていきましょう。
当院で行っている矯正治療法は、大きく3つにわけられます。
● ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれるボタンをつけ、そこにワイヤーを通して歯全体に力をかけることによって歯を動かす治療法です。
使用するブラケットには金属製やセラミック製のものがあり、装置を唇側につける方法や舌側につける方法などバリエーションがあります。定期的にワイヤーの太さや形を変えるなど調整をおこないながら、理想的な歯並びを目指していきます。
特徴
- 装置の取り外しができない
- 通院時にドクターが調整することで歯を動かす
- 治療できる症例が多い
- 歯磨きが難しく、虫歯や歯周病に注意が必要
費用: ラビアル矯正 ¥800,000+診断料¥33,000
リンガル矯正 ¥1,470,000+診断料¥33,000
種類
①リンガル矯正
リンガル矯正とは歯の裏側に矯正器具をつけて歯を動かしていく方法です。
歯の裏側につけるため矯正器具が見えづらく見た目が気になる方にお勧めです。舌がわに器具があるため発音がしづらかったり、器具が舌にあたって痛むことがあります。
②ラビアル矯正
ラビアル矯正とは歯の表側に矯正器具をつけて歯を動かしていく、最も一般的な方法です。
歯の表側に器具をつけるため見た目は良くないですが、リンガル矯正に比べ過ごしにくさは少ないです。
また、矯正器具のボタン(ブラケット)には金属製のものとセラミック製のものがあります。金属製のものは器具をつけていることが分かりやすいですが、大きさが小さく違和感が少ないです。セラミック製のものは白いため器具が目立ちにくいですが、金属製に比べて少し大きめです。
● マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを使用して歯全体に力をかけ、治療する方法です。デジタル技術を使用して装置を作成します。少しずつ歯の位置が異なるマウスピースを交換していきながら理想的な歯並びへと近づけていきます。
特徴
- 装置は取り外し式
- 患者さん自身によってマウスピースを交換してもらい歯を動かす
- 患者さん自身でマウスピースの管理が必要
- 歯磨きがしやすい
- 装置が透明なため目立ちにくい
- 痛みや違和感が少ない
- 治療できない症例もある
当院ではインビザラインというマウスピース矯正を行っています。
費用:¥820,000+診断料¥33,000
● セラミック矯正
セラミック矯正とは、歯を削りセラミックの被せものをかぶせて歯並びを改善していく方法です。
歯並びのデコボコが軽度の場合は歯並びが気になる数歯のみおこなう場合もあります。被せものをするためご自身の好きな白さにすることができます。治療期間は他の矯正治療よりも短いですが、健康な歯を削るため治療後に知覚過敏の症状がでる方もいます。
費用:セラミックの本数・種類・歯肉の形によって変わります
歯科矯正の痛みに関して
歯科矯正には痛みがともないます。
骨に植わっている歯に力をかけて動かしていくため、歯を押されるギューッとした痛みがあります。マウスピース矯正は比較的痛みが少ないです。ワイヤー矯正は1か月に1度ワイヤーを交換するため、交換して1週間程度痛みがありますがだんだんと慣れていきます。
またワイヤー矯正では器具が粘膜や舌にあたって傷ができ痛みがでる場合もあります。
抜歯について
抜歯は歯並びのデコボコが大きく、抜歯をしないと歯がきれいに並べられない場合にのみ行います。マウスピース矯正は抜歯をせずに治る症例が適応になることが多いです。
矯正治療の流れ
ワイヤー矯正・外科矯正
①矯正診断
歯の型取り・パノラマ写真(お口全体のエックス線写真)・セファロ(顎関節や首、顎の骨や骨格を含めたエックス線写真)・口腔内写真 の検査をおこないどのような矯正治療が適切か、抜歯は必要かなどを診断します。
↓
②器具をつける前準備
奥歯に金属の器具(わっか)をつけることができるように、歯の隙間をあける必要があります。そこで奥歯と奥歯の間にゴムをいれて隙間をあけていきます。十分な隙間があいたら金属のわっかをいれます。また抜歯が必要な場合や虫歯の治療が必要な場合もこの段階で行います。
↓
③矯正器具をつける
歯の表面に歯科用接着剤を使用して、ブラケットを装着します。ワイヤーも通し本格的に歯を動かしていきます。外科矯正の方は術前矯正といって、手術前にまずワイヤー矯正をおこないます。
↓
④矯正期間
ワイヤー矯正のみの方は月に1度ワイヤーを交換し少しづつ力を加えていき、理想的な歯並びを目指していきます。外科矯正の方は術前矯正が終わったら、顎の骨を切る手術を行い、手術後には切った顎にあわせて歯の調整をおこなうため術後矯正をおこないます。
↓
⑤矯正終了
理想的な歯並びができあがったら器具をはずします。はずした後にそのままにしておくと、後戻りといって歯が動いてしまうため、保定といって後戻りを防ぐ処置をします。保定方法には、固定式(細いワイヤーを歯の裏側にくっつける)と可撤式(最終的な歯並びにあわせてマウスピースをつくる)があります。
マウスピース矯正(インビザライン)
①矯正診断
歯の型取り・パノラマ写真(お口全体のエックス線写真)・セファロ(顎関節や首、顎の骨や骨格を含めたエックス線写真)・口腔内写真 の検査をおこないどのような矯正治療が適切か、抜歯は必要かなどを診断します。
↓
②クリンチェック確認
クリンチェックという矯正治療のシミュレーションができあがったら、一緒に動きの確認をします。患者さんの要望を聞きながら、気になる点は修正をかけ、問題なければマウスピースのオーダーに進みます。
↓
③マウスピース装着
治療に必要なマウスピースが一式できあがっているので、お渡しして装着方法などを説明します。
↓
④矯正期間
ご自身でマウスピースを交換していきます。定期的に歯科医院に来院し、順調に歯が動いているか確認をさせていただきます。歯の動きが悪い場合はマウスピースの追加を行う場合があります。
↓
⑤矯正終了
矯正後にそのままにしておくと、後戻りといって歯が動いてしまうため、保定といって後戻りを防ぐ処置をします。保定方法には、固定式(細いワイヤーを歯の裏側にくっつける)と可撤式(最終的な歯並びにあわせてマウスピースをつくる)があります。
当院でおこなっているホワイトニングには、歯科医院でおこなうオフィスホワイトニング、ご自宅でおこなうホームホワイトニング、どちらもおこなうデュアルホワイトニングの3種類があります。
オフィスホワイトニング
https://www.gcdental.co.jp/tion/img/product/jjj.png
- 歯科医院で行います
- 歯の表面をクリーニングしたあと、薬剤を塗布し光をあてて歯を白くします
- ホワイトニングでは強い薬剤を使いますが、プロが行うので安心です
- 1回の施術でも効果がでやすいです
- 光が届きにくい奥歯のほうは前歯に比べて白くなりづらいです
- 2回目以降をご希望の方は1週間以上間隔をあける必要があります
料金:27,240円/回
ホームホワイトニング
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- ご自宅でおこなっていただきます
- まず歯科医院でお口にぴったりあったトレーを作成します。薬剤をお渡ししますので、ご自宅でトレーに薬剤をいれ、寝ているときにはめていただき薬剤を作用させます
- 毎回歯科医院に通う必要はなく、ご自身のペースで行うことができます
- 時間をかけて徐々に白くなっていきます(2週間~1か月程度)
- 装着しないと白くならないため、しっかりと時間を管理してつかっていただく必要があります
料金:上下 33,660円
片顎 16,830円
追加ジェル 2,040円
デュアルホワイトニング
- 上記の二つの方法を同時に行います
- 歯科医院で処置+トレー作成し、ご自宅でトレーを装着して使用していただきます
- ホワイトニングの効果を得やすいです
料金 上下60,900円(セット割引 55,360円)
片顎44,070円(セット割引 40,060円)
注意点
- ・ホワイトニング時に痛みがでるのを防ぐため、治療が必要な部位がある場合はそちらを優先させていただくことがあります。
- ・歯石がついているとその部分は薬剤がとどかないため、ホワイトニングの前に除去をおすすめしています。
- ・詰め物や被せもの、神経のない歯はホワイトニングで白くすることができません。ホワイトニングをおこなったあと詰め物の色が気になる場合は、白くなった歯にあわせて詰め物をやりかえることができます。
- ・ホワイトニングの効果は個人差がありますので、希望されている色と一致しない場合があります。
- ・ホワイトニングは永久的にもつものではありません。着色が気になってきたな、とかんじたら追加でホワイトニングをおこなっていただくことで(タッチアップ)白さをキープすることができます。
- ・妊娠・授乳中、15歳未満の方はホワイトニングを控えることをおすすめしております。
- ・薬を服用されている方はご相談ください。
- ・ホワイトニング直後2~3時間は酸性のもの(柑橘類、炭酸飲料、酢、スポーツドリンク、ヨーグルトなど)の摂取をひかえてください。
- ・術後24時間以内は歯の表面が不安定な状態で色素が入りやすいので、カレー、コーヒー、赤ワインなどの色の濃い食べ物はひかえてください。
- ・術後にしみる場合がありますが、時間の経過とともにおさまっていきます。もし症状がおさまらない場合は歯科医院へご連絡ください。
ホワイトニングのメカニズム
歯の表面はエナメル質をいう無機質でできています。
毎日の食事などにより、だんだんと歯の表面に有機物が蓄積していくと黄ばみとして見えるようになります。そこで歯の表面に蓄積した有機物を分解するために行うのがホワイトニングです。
ホワイトニングでは過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を使用します。過酸化水素はオフィスホワイトニング、過酸化尿素はホームホワイトニングに使用されています。過酸化水素は光をあてるとヒドロキシラジカルという物質を発生し、このヒドロキシラジカルが有機物にくっつき分解することで歯が白くなります。
当院ではTiONというホワイトニング剤を使用しています。
このホワイトニング剤には過酸化水素にV-CAT(可視光応答型光触媒)を含みます。この物質のおかげでヒドロキシラジカルがより多く発生し、効率よく着色を分解することができます。歯科医院用のホワイトニングは1度の処置で効果が出るぶん、一般的に高濃度の過酸化水素が使用されています。高濃度の過酸化水素は皮膚につくと火傷をおこすくらい危険な薬剤です。
TiONはV-CATを含むことで着色を分解しやすくしているため、比較低濃度となっており安心です。
ホワイトニング効果を長持ちさせるためには
・定期健診をうける
歯の定期健診では、虫歯ができていないか、歯茎が悪くなっていないか、普段の歯磨きが十分にできているか、ホワイトニング後の方は色の変化はどうかなどをチェックしていきます。
またクリーニングも同時に行います。きれいに磨く方法を定期的におさらいし、毎日のお手入れで汚れをつかないようにしていき、プロのクリーニングで落とせるうちに汚れをおとして色素沈着を防いでいきましょう。
・タッチアップをする
定期的に歯の色の変化を観察し、黄ばみが再度気になってきた方にはタッチアップ(再ホワイトニング)をおすすめしています。
さこだ歯科では毎月19日20日のLikaの日に、ホワイトニングジェルのサービスを実施しています。ホワイトニングを検討している方はぜひご利用ください。
朝起きると歯が痛むということはありませんか。
その原因は寝ている間の歯ぎしりや食いしばりです。歯ぎしり・食いしばりはよく耳にしますし、それほど問題ではないと感じるかもしれません。しかし、これらは歯を悪くしていくため心当たりがある方はぜひ下記をご覧ください。
皆さんは歯が1日にどれくらいの時間噛んでいるかを知っていますか?
実は歯と歯が合わさっている時間というのはとても短く、正常な場合で約20分ほどといわれています。通常、お口を閉じているとき唇は閉まっていますが、上の歯と下の歯の間には安静空隙といって、2~3㎜の隙間があります。口を閉じているとき、いつも上下の歯が接触している人はTCH(tooth contact habit)・歯列接触癖という癖になっている状態です。
このように食べているとき以外も噛んでしまっていると、必要以上に歯に大きな負担がかかってしまうのです。寝ているときも同じで、ぎゅっと食いしばったりギリギリと歯ぎしりをしていると歯が悪くなってしまいます。
ご家族と一緒に寝ている方だと、指摘をされて歯ぎしりをしていることに気づくことがあると思います。しかし一人で寝ている方は寝ている間のことはわからないですよね。実は夜間に歯ぎしり・食いしばりをしている方には目印があります。
- 朝起きると歯が痛い
- 朝起きると顎がだるい、痛い
- 朝起きると頬の筋肉が痛い
- えらのあたりを押さえると痛い
- 歯の根元がえぐれている
- 歯の山がなく平らになっている
このような症状がある方は、歯ぎしり・食いしばりを疑ってください。
歯ぎしり・食いしばりを放っておくと知覚過敏の症状がでたり、ひどい場合は歯が割れてしまうこともあります。
治療法
マウスピースを作成します。
夜寝るときにマウスピースをはめて寝ていただくことで、歯や顎に加わる力を軽減します。マウスピースは2回の来院で作成できます。1回目に型取りを行い、2回目にはできあがってくるので歯科医院ではめた際の調整を行い、その日の夜から装着していただけます。装着したマウスピースをみると、どれくらい歯ぎしりをしているのかがわかります。
定期健診の際に確認し調整もおこないます。集中したり、ストレス過多の人は日中も歯ぎしり・食いしばりをしていることがあります。その場合は日中にマウスピースをつけていただくことも可能です。
マウスピースの管理法
マウスピースは使用したら何もつけていない歯ブラシでこすり洗いをしてください。
歯磨き粉をつけて洗ってしまうと、研磨剤によってマウスピースに傷がついてしまうため、お水だけで大丈夫です。洗ったあとは、入れ歯洗浄剤につけておくと汚れを化学的にも除去できるためおすすめです。
知覚過敏とは
冷たいものを食べたり飲んだりするときにしみたり、痛んだりする場合は知覚過敏の可能性があります。
知覚過敏は歯の表面が削れたり、歯茎がさがったりすることで、本来ならば隠れている象牙質が露出することによって、歯の中に通っている神経に冷たいものの刺激が伝わってしまいキーンとした痛みがでてしまう状態です。
知覚過敏になってしまう原因
知覚過敏になってしまう原因には
- 1.歯肉退縮
- 2.歯ぎしり・食いしばり
- 3.過剰な歯磨き
- 4.くさび状欠損
があります。
1.歯肉退縮
歯肉退縮とは歯茎がもともとあるべき位置よりも下がっている状態をさします。
歯茎がさがってしまうと、本来歯茎で隠れているはずの根っこが出てきてしまいます。根っこの表面はセメント質という比較的やわらかい組織で覆われていますが、強い歯磨きなどで削れてしまいやすく、削れてしまうとその奥にある象牙質という組織が顔をだしてしまいます。象牙質は歯の神経とつながる象牙細管という無数の管をもっていますので、象牙質が顔を出してしまうと、この管を通して外からの刺激が神経に伝わり痛みがでてしまいます。
つまり、加齢によって歯茎がさがってしまいそこに強い力で歯磨きをしてしまうと知覚過敏になりやすくなります。また、歯周病によっても歯茎は下がりますし、健康な歯茎の方でも強い力で歯を磨いてしまうと歯茎はさがってしまいます。そのため知覚過敏は若い方からご年配の方までどなたでもおこりうる疾患です。
2./3./4.歯ぎしり・食いしばり、過剰な歯磨き、くさび状欠損
歯の根元はくびれており、強い歯ぎしりをすると力がすべてこのくびれに集中し、歯の表面の硬いエナメル質をはがしてしまいます。強い力が加わり続けるとエナメル質の奥にある象牙質もけずれてしまい、神経が通っている空間に刺激が伝わって知覚過敏の症状がでます。
また、歯ぎしりだけでなく過剰な力のこもった歯磨きなどでも歯の表面はけずれてしまいます。歯ぎしりや過剰な歯磨きが長期間おこなわれると、くさび状欠損というものができます。
くさび状欠損とはイラストのように歯の根元がくさびのような形にえぐれてしまう状態をさします。ご自身では歯ぎしりをしているかわからない、という方もくさび状欠損がある場合は歯ぎしりをしている可能性が高いです。
知覚過敏の治療
1.正しい歯磨きを習得
気づかないうちに力をいれて歯磨きをしてしまっている方が多くいらっしゃいます。
上記のように強すぎる歯磨きは知覚過敏の原因になりますので、正しい歯磨きを習得することが大切です。歯磨き時の力の目安は歯ブラシの毛先が曲がってしまわないくらいです。力を入れないと汚れが落ちない、歯を磨いたあとも歯がザラザラしているという方は歯ブラシの硬さや歯磨き粉の種類を見直すことも重要です。歯科医院にご来院の際にお気軽にご相談ください。
また、歯ブラシがヘタっていないか定期的にチェックする必要があります。毛先が開いてしまっている場合は替え時です。一度ご自身で確認してみてください。
2.しみ止めをぬる
くさび状欠損はないけれど歯肉退縮などにより知覚過敏の症状がでている、という方にはしみ止めのお薬をぬります。
これはコーティング剤のようなもので、表面を薬でうすく覆い、外部からの刺激を遮断します。コーティングですので永久的にもつものではなく、剥がれてしまうとまた症状がでてくることがあります。
3.くさび状欠損部の治療
くさび状欠損がある方は、その部分に詰め物をすることで外部からの刺激を遮断し、痛みを防ぎます。
詰め物にはプラスチックの白い材料を使います。本院ではマイクロスコープと呼ばれる顕微鏡を使って、隙間がないよう精密に詰め物をすることができます。
4.歯周病の治療
歯周病で歯肉退縮がおこっている方はこれ以上歯肉退縮が進まないように、歯周病の治療もあわせて行います。
歯周病は放っておくと歯茎が腫れて痛みが出たり、気づかないうちに顎の骨がとけて歯がグラグラしてきます。しっかりと治していきましょう。
5.マウスピース
くさび状欠損があり、歯ぎしりがひどい方にはマウスピース治療をお勧めしています。
夜間、寝るときにマウスピースをはめることで歯に伝わる刺激を軽減します。定期健診の際にはマウスピースの調整も一緒におこないます。
6.神経を抜く
知覚過敏は神経に直接外部刺激が届き、痛みがでます。そのため、刺激がつよすぎて神経の炎症がひどいと、痛みがおさまらずシミ止めなどが効かない方もいらっしゃいます。
その場合は神経をとる処置をして、痛まないようにします。
また、治療後に一時的に知覚過敏の症状が出る場合があります。歯石除去後やホワイトニング後です。歯石で覆われていた象牙質が除去によって露出することで痛んだり、ホワイトニングの薬剤で表面の歯質がはがれたりすることで痛みがでます。しかしどちらの場合も時間の経過とともに唾液に含まれるカルシウムなどにより再石灰化がおこり痛みはなくなっていきます。
歯がしみると飲み物を飲んだり食事の際に不便ですよね。我慢せずに一度ご相談にいらしてください。
皆さんは親知らずについて知っていますか?
後から生えてくる歯、生えたら抜かないといけない歯…などの印象があるかもしれません。親知らずとはどのような歯なのか、抜く場合にはどのようにするのかについて解説していきます。
親知らずとは…
まず、皆さんは大人の歯が何本あるか知っていますか?
大人の歯はお口を上下左右に4分割したとき、1つの区画に7本、計28本あります。この28本は大人の歯並び(永久歯列)が完成するときに先天的な欠損がないかぎり皆さん必ず生えてきます。
親知らずというのはこの28本にはふくまれない最も奥の方に生えてくる歯を言います。親知らずは子供の歯が大人の歯にすべて生え変わった後、親も知らないうちにはえてくる歯という意味です。思春期を過ぎてなかには30歳代で生えてきた!という方もいます。
この親知らずは退化していっている歯で、初めから親知らず自体がなく生えてこないという人もいます。
親知らずはきれいに生えてくる方が少なく、かみ合わせに参加していないことがほとんどです。そのため汚れが停滞しやすく、さらに一番奥にあるため磨きづらくむし歯になりやすいです。また現代の日本人はあごが小さく親知らずがまっすぐ生えるスペースが十分にないため、斜めに生えてくることも多いです。
痛み
親知らずが生えてくるときには痛みを感じる方も多いです。
生えようとして歯茎を押して痛みが出たり、歯の頭が少しでていて周りの歯茎に汚れがたまってしまい炎症をおこして痛みが出たりします。人によっては歯茎が痛いと感じる人とあごが痛いと感じる人がいます。歯茎が腫れている場合は歯科医院で洗浄を行い、お薬を歯茎の中にいれこむという処置をおこなうことが可能です。
しかしながらこれは対象療法のため、原因である親知らずを抜歯することを検討してみてください。
抜歯は必要?
→むし歯になっておらずまっすぐ生えている場合は特に抜く必要はありません。
むし歯になってしまったり、斜めに生えてしまったり、痛みがある場合は抜歯をお勧めしています。むし歯になった場合は奥の方なので治療自体ができない場合があります。治療が可能でどうしても残したい!という場合以外は抜いてしまってよいです。斜めに生えている場合は隣の歯もむし歯になりやすくしてしまうため、早めに抜いてしまった方が良いです。
痛みがある方は抜いてすっきりします。また、矯正治療をする方は歯を動かすスペースのためにも親知らずを抜いてしまうことが多いです。
抜歯方法
【歯の頭がすべて生えている場合】
通常の抜歯と同じ手順で抜歯します。
- ①麻酔をします
- ②麻酔が十分に効いたらテコの原理で歯に力を加えます。そうするとあごの骨から歯がはずれます。
- ③歯の頭を器具でつかみお口の外へとりだします。
- ④歯を抜いたあとの歯茎がきれいな状態か確認します。肉芽という悪い組織があった場合、出血が止まりにくくなったり、傷が治りづらくなるためそれをすべてとりのぞきます。
- ⑤ガーゼをしばらく噛んでいただき止血します。
- ⑥止血が完了したら治療は終了です。
【歯の頭が一部だけでている場合】
歯茎を切ったり、歯を分割するため通常の抜歯よりもお時間がかかります。
- ①麻酔をします。
- ②麻酔が十分に効いたら歯を取り出すのに必要なぶんだけ歯茎を少し切ります。
- ③歯の周りの骨を削り、歯が見える状態にしていきます。
- ④抜きやすいように歯を分割します。
- ⑤骨から歯がとれたらお口から歯をとりだします。
- ⑥肉芽がないか確認し、抜いたあとの組織をきれいな状態にします。
- ⑦切った歯茎を縫い合わせます。
- ⑧ガーゼをしばらく噛んでいただき止血します。
- ⑨止血が完了したら治療は終了です。
親知らず抜歯時の注意点
- 親知らずの生えている状態によって、骨を削る量や分割するかしないか、歯茎を縫い合わせる必要があるかないかが変わってきます。
- 抜歯の翌日、もしくは近い日で、確認と消毒のために来院をおすすめしています。抜いた直後は心配なため、出血や痛みの確認を行い、必要に応じて追加の投薬や消毒を行います。
- 歯茎を縫った場合は、後日糸を取りに(抜糸)来院していただきます。抜糸と同時に傷の治り具合なども確認します。抜糸はすぐに終わります。
- 抜歯の方法などはあご全体のレントゲンを撮影し、どのように親知らずがうまっているかを確認して決定します。
- 下顎の骨には大きな神経が通っています。親知らずが埋まっている方は、歯が神経に接した状態で埋まっている方もいます。その場合は治療時に神経にふれてしまい強い痛みがでたり、口唇にしびれが残ることがあるため、CTにて確認してから行います。
- 分割して抜歯を行う際、分割した半分が奥に入り込んで取り出すことが困難な場合、一部を残して治療を終了することがあります。一部歯を残したままでも問題はありませんのでご安心ください。
- 抜歯をした日は激しい運動や、飲酒、熱い湯舟につかるなど血行が促進される行動は行わないようにしてください。しっかりと止血を確認した場合でも出血してくる場合があります。
- もしご自宅で出血してきた場合は医院で行ったように、ガーゼを丸めてしばらく噛んでください。それでもダラダラと血がでてくる場合は歯科医院にご連絡ください。
- 持病がある方や服薬している方はお知らせください。
- 妊婦さんや授乳中の方は、状況によっては抜歯を避けた方がいい場合もありますのでお知らせください。
- 親知らずを抜いた後は頬が大きく腫れることがあります。腫れるピークは抜歯をして3日後くらいです。大きなご予定があるときは避けていただくことをお勧めします。
- 上下左右4本の抜歯を予定している方は、通常2回にわけて抜歯します。一度目に右の上下を抜いたら、次回に左の上下を抜く、というような流れです。4本同時に抜いてしまうと、抜歯後に歯茎が腫れた場合、飲食がしづらくなってしまうからです。片側ずつ抜いて、どちらか一方は噛める状態にしておくと抜歯後が少し楽になります。
- 抜歯後は抗生物質と痛み止めをお出しします。抗生物質はすべて飲み切ってください。痛み止めは痛いときにその都度服用してください。
さこだ歯科では3歳から行える予防矯正治療のマイオブレースを行っています。
〇マイオブレース
マイオブレースとは歯並びが悪くなる原因である癖を防止したり、正しいお口の使い方を学習することで、あごがしっかりと成長するように補助し、きれいな歯並びを実現する装置です。日本人のあごは小さく、歯並びがガタガタになりやすい傾向があります。
あごが正常に発育すると歯が並ぶための十分なスペースが生まれます。また、歯並びを悪くする癖を小さいうちから治しておくことで、永久歯がきれいに並びます。抜歯やワイヤー矯正を行わずに、自然な成長を促すことできれいな歯並びを目指すため、予防矯正治療ともいいます。
こちらがマイオブレースです。
ゴムでできており、マウスピースと同じようにお口の中にはめて使用します。治療は3歳から行うことができます。舌の正しい位置や正しい飲み込み方を学び、鼻呼吸を促します。またお口を閉じる訓練にもなります。この装置をはめて1日に2回決まったお口の運動を行います。
それに加え夜寝ている間に装置をはめてもらいます。
〇歯並びに影響する悪習癖
- 舌の位置が悪い
- 口呼吸
- 唇をかむ
- 舌突出癖(歯と歯の間から舌を出す)
これらの癖は歯並びを悪くしてしまいます。
歯はお口の周りの筋肉である口輪筋による外側からの力と、舌からの内側からの力がどちらも加わることできれいに並びます。例えば舌の位置が悪いとします。舌は正常だと上あごの先に舌先がくっついている状態にあります。それが下あごの中に納まっており、上あごに触れていないと、上あごの成長に必要な舌の力がなくなり十分な成長が得られず歯がガタガタになってしまいます。
このように力のバランスがとても大事なため、それを崩してしまうような上記の癖を放置していると歯並びは悪くなってしまうのです。
〇マウスピース矯正(インビザライン)との違い
当院ではマウスピース矯正であるインビザラインも行っています。
インビザラインも歯並びをきれいにすることを目的としマウスピースをはめるという点は同じですが両者は全く違うものです。インビザラインはすでに悪い歯並びとなった状態に対して行うのに対し、マイオブレースはこれから生えてくる歯をきれいに並ぶよう手助けする装置です。
歯並びの状態によってはお子さんの矯正治療として使用することも可能です。
〇マイオブレースの治療フロー
https://myobrace.com/storage/app/media/how-myobrace-works/ja-wmd_tms_appliance-sequence.png
①習癖改善
まずは習癖をなくし、正しいあごの成長を促してあげます。先に習癖をとっておくと、歯がななめに生えてくるのを防ぐことにもつながります。
↓
②歯列の拡大
あごの発達に加えて歯列の成長を促すことで、歯の大きさにあったスペースを確保します。歯の大きさというのは人によって異なります。あごに対して歯が大きい人は歯ならびがガタガタしていますし、あごに対して歯が小さい人はすきっ歯になってしまいます。歯の大きさは生まれつき決まっているため、変えることはできません。そのため、歯の大きさにあわせたスペースをつくってあげることが理想です。この歯列拡大の段階では必要に応じて、マイオブレースに付随したバイオブロックなどの顎を広げる装置もあわせて使用します。
マイオブレースにて十分な顎の成長を認めたのちにインビザラインシステムやワイヤー矯正を用いて下記の流れで治療を行っていきます。
↓
③歯の配列
永久歯が生えそろったら歯列を整えるための装置に移ります。マウスピース型の装置は取り外しができるのが利点ですが、しっかりと必要時間装着することも重要です。しっかりと装着していないと思うような結果が出なくなってしまいます。
↓
④保定
きれいに並んだあとは保定用の装置に移ります。これまでに身に着けた正しいお口の使い方を定着させます。よく矯正後に後戻りをしてしまった、と聞きますが、悪習癖がなくなりきちんとした口腔習癖の中でそこにマッチした状態に歯が生えてきているため、あと戻りは起こりにくくなります。
〇生えてきた永久歯をきれいに並べたい
現在6歳以上で、大人の歯が生えていているが歯並びが悪いというお子さんにはマウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正を行うことができます。
インビザラインは形が少しずつ違うたくさんのマウスピースを交換しながら使用することで、歯を目的の位置へと動かしていきます。取り外しが可能なため、しっかりと歯磨きを行うことができむし歯のリスクが低いです。また装置が透明なため、はめていることはわかりますがあまり気にならない程度です。痛みもワイヤー矯正よりも穏やかだといわれています。マウスピースをはめる時間が足りないと、歯は全く動かないためコツコツと続ける必要があります。
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれるボタンのような器具とワイヤーをつかって歯を正しい位置に動かしていきます。取り外しができないため歯磨きが難しくなります。親御さんが仕上げ磨きをおこなってあげたり、磨けたかのチェックをしてあげるとよいです。歯を動かすときにはグっと歯が押されるため痛みがありますが、1週間程度で慣れていきます。ワイヤー矯正は歯の表側につけるラビアルと、歯の裏側につけるリンガルとあります。ラビアルは装置がしっかりと見えてしまいますが、透明なブラケットで目立ちにくくすることができます。それでも気になる場合は、見えにくいリンガルを選ぶのも一つです。
お子さんの矯正は現在のお口の状態、これからの成長、癖などいろいろなことが治療に関係してきます。気になっている方は無料の矯正相談を行っていますので、どの治療法がその子にとってお勧めなのかやそれぞれの治療法の詳しいお話など聞きにいらしてください。
最近歯医者に行ってない…久しぶりに行きたいけどやっぱり少し怖い…と歯医者に行きたいと思っていてもなんとなく行きづらいという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は定期健診に関してご説明していきます。
〇定期健診はいつ行ったらいい?
いつでも大丈夫です。
飛び込みですと長い時間お待ちいただくことになりますので、事前にご予約をお願いします。初診のご予約は電話でもインターネットでも可能です。検診を受けたい旨をお伝えいただくとスムーズです。また、妊産婦検診や年齢ごとの歯科検診をご希望の場合はお知らせください。
再診の方は、担当の歯科衛生士とのアポイントを合わせるために電話でのご予約をおすすめしています。
〇定期健診ってどのくらいの頻度で行くの?
お忙しくて定期的に歯科医院に行くのが難しい方もいらっしゃると思います。
メインテナンスの頻度は個人のお口の中の状態にもよりますが、理想は1か月に1回です。毎日きれいに磨いていても、細かな部分まできれいにするのは難しいものです。プロの手で1か月に一度口腔内をリセットすると健康を保ちやすくなります。
1か月に1度は頻繁過ぎる…忙しくて時間が取れない!という方は担当の歯科衛生士と相談して、1-3か月の間で続けやすく、かつお口の健康を保てる期間を見つけていきましょう。
〇定期健診って何をするの?
- 1. 口腔内診査(お口の中をしっかりと目で確認します)
- 2. 歯周検査(歯周ポケットとよばれる部分の長さをはかり、歯周病の度合いを検査します)
- 3. エックス線検査(パノラマ写真といってあご全体のエックス線写真をとります。むし歯が疑わしい場合など、必要であれば1本単位のエックス線検査も行います)
- 4. 口腔内写真撮影(お口だけのアップの写真を正面・右・左・上あご・下あごの計5枚おとりします。経過をみていくために使用します)
- 5. スケーリング(たまった歯石をとります)
- 6. PMTC(歯科医院の機械を使って歯面の清掃をおこないます)
- 7. TBI(正しい歯磨きの仕方をお教えします)
以上がメインテナンスで行うことです。
順不同ですが上記のような検査と清掃をおこないます。大人の方からお子様までおこなっています。さこだ歯科では担当の歯科衛生士がつきます。毎回同じ人にみてもらうことで経過をしっかりと把握し変化にも気づきやすくなります。
〇いくらかかるの?
保険適応になります。3割負担の方で、3000円~4000円ほどです。
初めて受診する方は、治療がなければ3割負担で4000円~5000円ほどです。
歯医者というと病院のイメージが強いため、“通う”というよりも痛いときに行くという方が多いようです。
美容院にいって髪の毛のメインテナンスをするように、歯も定期的にメインテナンスを行って気になることは気軽に相談していただけたらと思います。
きれいな歯並びの人は笑顔が素敵で魅力的ですよね。
日本人は外国の方に比べると顎が小さいため、歯並びがよくない方が多いです。歯並びが悪いと見た目が良くないだけではなく、歯を磨きにくいことで虫歯や歯周病になりやすかったり、きちんと噛めていないことで消化が悪く身体にもよくありません。また、かみ合わせが悪いと一部の歯だけが過剰に使われてしまい、負担が大きい歯は寿命を縮めてしまいます。
きれいな笑顔とおじいちゃんおばあちゃんになってもご自分の歯で健康に生活するために、さこだ歯科では歯科矯正をお勧めしています。
歯並びが悪いと…
- 😵見た目が悪い
- 😵虫歯・歯周病になりやすい
- 😵身体によくない
- 😵歯の寿命が短くなる
理想的な歯並びとは
理想的な歯並びがどういうものかご存知でしょうか?
歯がデコボコしていなくても、顎が前に出ていると“きれいな歯並び”とは感じにくいですよね。理想的な歯並びは歯がきれいに並んでいるだけではなく、歯茎の位置や顎のバランスなども決まっています。
理想的な歯並びは
- 歯の並びがデコボコしていない
- 顔の中心と歯の中心が一致している
- 歯茎の高さが適切である
- 上下の歯がきれいにかみ合っている
- 上の歯が下の歯にかぶさっている深さが2~3㎜
- 上から見たときにU字型である
- 上の歯の真ん中と下の歯の真ん中が一致している
- 横から見たときにきれいな直線(エステティックライン)になっている
あなたの歯並びはどれ?
歯並びが悪いと一言でいってもいろいろな状態があります。
あなたの歯並びはどの状態に近いでしょうか。
八重歯
八重歯とは犬歯が前にでて、歯がでこぼこした状態のことです。
日本では可愛いと言われることも多く、一時期つけ八重歯なども流行しました。しかし、日本とは真逆に海外では“ドラキュラの歯”などと嫌がられてしまいます。実は犬歯はとても大事な歯で、口の動き全体に関わっています。
歯をギリギリと動かすときには、動かす目印となる歯が必要です。その役割を担うのが犬歯なのです。目印となる歯には、顎を動かすときに大きな力がかかりますが、その力を負担できるように犬歯の歯根は歯の中で一番長くできています。つまり八重歯の場合、犬歯がきちんと噛んでいないため他の弱い歯がかわりに目印の仕事をすることになるので、負担できない力によって歯がダメになってしまいます。
チャーミングに見える八重歯ですが、力のバランスからみると注意が必要です。
乱杭歯(叢生)
歯がガチャガチャと生えている状態を叢生、いわゆる乱杭歯といいます。
顎の大きさに対して歯が大きかったり、歯の大きさに対して歯が小さい場合、顎の中に歯がおさまらずデコボコとした状態で歯が生えてきてしまいます。
日本人は顎が小さい人が多く、叢生の人が非常に多いです。この状態は歯が重なっている部分が多くて歯磨きが難しいため、虫歯や歯周病になりやすいため注意が必要です。
すきっ歯
歯と歯の間に隙間がある状態です。
前歯の真ん中だけ開いている方もいれば、数歯にわたって隙間がある方もいます。これは乱杭歯と逆で、顎の大きさに対して歯が小さいことが原因でおこります。
歯科矯正や被せものによって改善します。
出っ歯(上顎前突)
写真のように、上の顎が下の顎より前にでている状態を上顎前突、いわゆる出っ歯といいます。
この状態は、上の顎が成長しすぎた場合と、下顎の成長が不十分の場合とがあります。治療をする場合は、骨格のエックス線写真をとり、顎の骨のバランスをみて診断をしていきます。
うけ口(下顎前突)
写真のように下の顎が上の顎よりでている状態を下顎前突、いわゆる受け口といいます。
この場合も出っ歯のときと同様に、下の顎が成長しすぎた場合と上顎の成長が不十分の場合、があります。遺伝による影響が大きく、ご家族も同じような歯並びをしていることが多いです。奥歯ばかりが使われるため、奥歯の寿命が短くなりやすいです。
ガミースマイル
ガミースマイルとは、ニコッと笑ったときに上の歯茎が通常よりもたくさん見えてしまう状態をいいます。
理想的な歯並びでは、歯茎の位置は前歯の根元付近にある状態だとされています。ガミースマイルの方は、歯茎が見えすぎるだけでなく、上顎前突や過蓋咬合となっている場合が多いです。
開口
奥歯が噛んでいるのに前歯が開いている状態を開口といいます。
子供のころに舌を噛んでいた方や舌を前にだす癖があった方、指しゃぶりをしていた方に多くみられます。この状態は奥歯ばかりに負担がかかってしまい、奥歯がダメになってしまうため注意が必要です。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、かみ合わせが深く通常よりも上の歯が下の歯にかぶってしまい、笑った時に上の歯ばかりが見えてしまう状態をいいます。
この状態も、深く噛みこんでしまうことにより奥歯がダメージをうけてしまいます。また、前歯も噛みこんでしまうため歯茎が傷ついている方もいらっしゃいます。
顎の骨は歳をとると硬くなっていきます。
歯科矯正では顎に埋まっている歯に力をかけて動かしていくため、顎の骨が柔らかい若いかたのほうが治療期間が短くなります。見た目や機能的に不都合を感じる場合は早めに歯科医院に相談してみてください。
〇当院では大きくわけて3つの歯科治療を行っています。(マウスピース矯正、ワイヤー矯正、セラミック矯正)それぞれの詳しい治療法、期間、費用などについては 当院の矯正治療について をご覧ください。
〇小児矯正も行っています。当院の小児矯正について をご覧ください。
歯周病はむし歯と並ぶお口の病気としてとても有名です。
以前は歯槽膿漏と呼ばれていました。最近では歯磨き粉のCMなどでもよく耳にします。皆さんは歯周病についてどのくらい知っていますか?
歯周病とは
歯周病とはお口の細菌によって歯茎が炎症をおこし、歯を支えているあごの骨が溶けて最後には歯が抜けてしまう病気です。
健康な歯肉と歯肉炎と歯周病
鏡を見てご自身の歯茎はどの状態かチェックしてみて下さい。
https://images.squarespace-cdn.com/content/v1/5a82179a80bd5e2dfd0d257b/1557321815948-TQX1FUOB6HSYCT2HM7ZU/Healthy-gums.jpg
健康な歯肉
- 歯茎がピンク色
- 歯茎が引き締まっている
- 歯と歯の間にある歯茎が三角形の形をしており、その形がはっきりとしている
- 歯茎を触ったときに硬い
- 歯磨きで出血しない
https://www.dentistrytoday.com/wp-content/uploads/2016/11/faf563c975c003218aecd8e06d26aaac.jpg
歯周炎の歯茎
- 歯茎が赤い
- 歯肉がぶよぶよしている
- 歯と歯の間の歯茎がきれいな三角形をしていない
- 歯磨きで血が出る
歯肉炎と歯周病
歯肉炎とは歯周病になる手前の状態です。
この状態ではまだあごの骨がとけたり歯茎が下がったりしておらず、歯磨きによって炎症がとれるともとの健康な状態にもどります。この歯肉炎の状態をそのままにしてしまうと歯周病(歯周炎)になります。炎症がどんどんと進み骨は溶け、歯茎はさがり、歯が揺れてきます。失った骨や歯茎は簡単にはもどらず、歯周外科と呼ばれるオペが必要になることもあります。
歯肉炎か歯周病かは歯周組織がなくなっているかどうか(骨や歯茎が後退している度合い)を検査することによって診断されます。
歯周病の検査
歯周ポケットの長さ・出血のしやすさ・歯の揺れをはかります。
歯周ポケットとは歯と歯茎の間にある小さな隙間のことです。健康な場合この歯周ポケットは2~3㎜です。歯周病になると歯茎が腫れ、骨が溶けることで歯茎と歯がくっついている部分が下がり、最終的に歯周ポケットが深くなってしまいます。また、健康な歯周ポケットはその長さをはかるために器具をいれても出血はしませんが、歯周病で炎症があると軽くふれただけでも出血をしてしまうため、歯周ポケットをはかったときに出血した部分も同時に記録していきます。
歯の揺れは歯科用のピンセットを使い、軽く歯を揺らして横揺れ、縦揺れ、上下に揺れる度合いをみていきます。
歯周病治療
歯周病の治療は以下のようなことをおこなっています。
〇スケーリング(歯石とり)
歯についた汚れと細菌が合わさったものをプラークといいます。
このプラークを放置していると、唾液中のカルシウムなどが結合し歯ブラシでは取れないほど硬くなってしまいます。これが歯石です。歯石はプラークをさらにつきやすくしていくため、そのままにしておくと歯茎の炎症はとれず、歯周病がどんどんと進んでいきます。
歯ブラシでは取れないため、歯科医院にある歯石をとる機械や器具を使ってきれいにしていきます。
〇歯磨き指導
きれいに歯磨きしたつもりでも意外と汚れは残っているものです。
歯と歯茎の間、歯と歯の間は特に汚れが残りやすいです。また人それぞれ磨き方の癖などもあります。どこが磨けていないのかを一緒に確認し、歯磨きの仕方や使用する器具、力加減などを習得していただきます。
〇クリーニング
歯科医院の機械をつかって歯面を一度きれいにしていきます。汚れがとれると歯の表面はツルツルとしてとても気持ちがいいです。
〇SRP(スケーリングルートプレーニング)
歯石は歯茎の中、根っこの表面にもたまります。
歯茎で覆われているため一見わかりませんが、歯周ポケットの検査の際に器具を挿入すると歯石がついていることがわかります。歯茎の中にある歯石もきちんととってしまわなければ歯周病は治りません。歯茎の深いところに歯石をとる器具を挿入し掃除をしていきます。
一度に多くの部分をすることはできないため、何回かにわけて少しずつきれいにしていきます。
〇歯周外科
SRPで歯茎の中にある歯石をとっていきますが、たくさんついている方やとても深い場所についているときなどは器具が届かず歯石がとりきれません。その場合は、器具がしっかりと到達できるように、また直視で汚れがとりきれているかを確認するために歯茎を開いて歯石とりを行います。
歯周外科では骨がとけた部分に骨補填材を入れ、骨再生を行うこともあります。
歯周病と全身
歯周病は全身にも影響を及ぼすといわれています。
歯周病は細菌の温床といえます。ここから細菌が全身にまわり誤嚥性肺炎をひきおこしたり、妊婦さんの場合は早産につながるとされています。
歯周病と口臭
歯周病は口臭も引き起こします。
歯周病細菌は臭いのもとになる代謝物を産生するからです。歯周病の治療をすると口臭は確実に改善します。歯科医院では口臭の検査もおこなうことができますので気になる方はご相談ください。
歯周病と自宅でむきあう
歯周病を治すためには患者さんご自身にも頑張っていただく必要があります。
例えば高血圧などの身体の病気になってしまった場合、治すためには病院で検査をしたりお薬をもらって治療していきますが、それだけではなく病気の原因となった日々の生活習慣の改善もご自身で行っていくと思います。歯周病も同じです。
治すために歯科医院で検査や治療を行いますが、歯周病の原因となっているお口の汚れを、ご自身で日々きれいにしてもらうことがとても重要なのです。
〇歯磨きの仕方
- 一本一本磨く気持ちで小刻みに歯ブラシを動かす
- 1か所につき10回以上歯ブラシを動かす
- 歯磨きをする順番を決める(右上→上の前歯→左上→左下→下の前歯→右下→ベロ側など)
- 歯ブラシの毛先が曲がらないくらいの力加減で
- 鏡を見ながら磨く
〇歯周病用歯磨き粉・マウスウォッシュ
さこだ歯科では歯周病用の歯磨き粉『デンタルペーストα』、マウスウォッシュ『ハビットプロ』『コンクールF』を販売しています。
〇歯ブラシの選び方・替え時
歯ブラシにはたくさんの種類があります。
歯茎が弱っているときに普通の硬さの歯ブラシを使って磨くと、歯茎が傷ついてしまいます。反対に柔らかすぎる歯ブラシを使ってしまうと汚れが落ちにくく効率が悪くなってしまいます。歯周病検査で歯周病の進み具合がわかりますので、それにそって歯ブラシを選ぶことが大切です。ご自身で選ぶ際は歯茎にあてたときに痛くないものが良いです。また歯ブラシの毛先がひらいてきたら替え時です。だいたい1か月くらいが交換の目安です。それよりも早く毛先がひらいてしまうという方は力を入れすぎている可能性があります。
歯周病は歯科医院に通うだけでは治りません。ご自宅での歯磨きをがんばっていただくことが大切です。一緒に治していきましょう。
歯茎が赤い、歯茎が痛い、歯茎が膨れている…など“歯茎が腫れている”といっても症状はさまざまです。
歯だけでなく歯茎のトラブルも意外と多いもの。歯茎が腫れて気になるときに考えられる原因と治療法について解説します。
慢性歯周炎
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歯茎が腫れる原因として最も多いのが歯周病です。
上記の写真の左側が正常な歯茎、右側が慢性歯周炎の歯茎です。右側の歯茎は左側に比べると歯の周りが全体的に赤く、腫れぼったくなっているのがわかります。慢性歯周炎とはよく耳にする歯周病、歯槽膿漏と同じものをさします。歯周炎は基本的には慢性の疾患で、長い経過をたどります。写真のような状態でも痛みがないことがほとんどで、気づいたら歯がグラグラとしてきます。
磨き残しにより歯周病菌が歯茎と歯の間(歯周ポケット)で増殖します。それにより歯茎は腫れ、歯を支えている骨がとけていく病気です。
また歯周病は口臭の原因にもなります。歯周病の原因菌は歯茎の中の酸素がない環境で増殖し、嫌な臭いをだします。原因菌を減らし、歯茎が引き締まってくると臭いもおさまってきます。
治療では歯茎の奥底にある歯石をとり、原因菌をできるだけ排除していきます。同時進行で正しい歯磨きの仕方をマスターしてもらいます。歯周炎の一番の原因はプラーク(磨き残し+細菌のかたまり)だからです。歯周炎が慢性の疾患である理由はここにもあります。毎日普通に生活しているだけでお口の汚れはたまっていきます。
その汚れがきれいにできない限り治っていきませんし、たまればまた悪くなってしまうからです。歯科医師や衛生士だけではなく患者さんご自身にも頑張っていただく必要のある疾患です。一緒に根気強く治していきましょう。
急性歯周炎
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歯周炎の中でも急に痛みが出た場合を急性歯周炎といいます。
写真のように1歯だけ腫れることもあります。痛みや腫れ、赤みだけでなく膿がでてくる場合もあります。慢性歯周炎と同じものですが、体調が悪かったり、1歯だけに負担がかかっていたり、大量の磨き残しが集中している場合などにこのような状態になることがあります。
治療としてはまず応急処置として、歯周ポケットの洗浄と薬の塗布を行います。急性症状がなくなったら(痛みがなくなったら)、通常の歯周炎の治療をおこなっていきます。
根尖性歯周炎
写真のように歯茎がぷくっと腫れる場合があります。
これは根尖性歯周炎といって、歯の根っこの先に膿がたまった状態です。神経まで達したむし歯や、神経の治療を行った歯の虫歯が再発した場合、歯が破折したときなどにみられます。また、歯周病とむし歯両方が原因のケースもあります。
治療では根っこの治療を行います。むし歯がある場合はむし歯を取り除き、再発症例の場合は被せものをはずして神経のお部屋をきれいにしていきます。神経のお部屋がきれいになり、原因菌が除去できると、ぷくっとした膨らみもだんだんとなくなってきます。歯周病も同時に発症している方は歯周病の治療も同時におこなっていきます。
智歯周囲炎
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智歯周囲炎とは親知らずの周りの歯茎が炎症をおこしている状態です。
写真では奥歯の後ろの歯茎が盛り上がり、腫れているのがわかります。赤くなったり、痛みが出る場合もあります。親知らずが完全に歯茎にうまっている場合は、親知らずが生えようとして盛り上がり痛みがでます。親知らずの頭が少し見えている場合は、生えようとする炎症+汚れがたまったことによる炎症によって腫れます。
治療では原因除去、という観点で親知らずの抜歯をおすすめしています。親知らずはまっすぐ生えてくる場合であれば無理に抜くことはありませんが、かみ合わせに参加していない場合がほとんどですので抜歯をしても問題ありません。生える途中に虫歯になったり痛みが気になるという方は抜いてしまった方がすっきりする場合もあります。
抜きたくないという方は歯科医院でしっかりと清掃を行い、様子をみていくことになります。ご自身での清掃をしっかりと行っていただくことが大事です。
萌出性歯肉炎
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萌出性歯肉炎とは、歯が生えている途中のお子さんによくみられる歯茎の炎症です。
歯周炎とは少し異なり、歯が生えきったり汚れが除去できると痛みや腫れ・赤みはなくなる可逆性の炎症です。そのため骨がとけたり、放っておいたからといって歯がグラグラしてきたりすることはありません。親知らずの場合と同じで、生えようとして歯が歯茎をおして出る痛みと、汚れがたまって炎症が起きます。
特別な治療は必要なく、汚れがたまらないように歯磨きを頑張っていただくことが一番の治療です。写真のように歯茎がかぶさっている場合は特に磨きづらく、歯茎に歯ブラシがあたって痛みを感じるときがあります。優しい力で丁寧に磨き、最後に親御さんが磨けているかどうかチェックしてあげたり、仕上げ磨きをしてあげると安心です。
歯茎が腫れると気になりますよね。歯茎の腫れはどの場合も磨き残しが大きな原因になります。歯磨きが大事なのがわかりますね。
大人になって歯磨きを習うのが恥ずかしいという方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはありません。正しい歯磨きは難しいのです。ぜひ一度チェックしにいらしてください。
歯の根っこに膿がたまっていると聞くことがあると思います。どういう状態なのか、治療法などについて解説していきます。
歯の根っこに膿がたまっている状態とは
歯科の専門用語では根尖性歯周炎といいます。
噛んだ時に痛みがでたり、歯茎の根本がぷくっと腫れたりします。レントゲン写真を撮影すると根っこの先に黒い影としてうつります。歯の神経が虫歯菌に感染して炎症をおこしてしまい、根の先に膿がたまります。
そもそも膿とは何なのかご存知でしょうか。膿とは白血球など炎症とたたかう細胞(炎症性細胞)の死骸があつまったものです。細菌がはいると身体はこの細菌を排除しようと、炎症性細胞を働かせます。細菌と戦った痕が膿なのです。
つまり根尖性歯周炎とは、むし歯などの細菌が神経にはいりこみ、それを排除しようと身体が頑張った結果炎症がおこり、最終的に膿がたまった状態といえます。
根の先は閉じているのではなく、とても小さな穴が開いています。これを根尖孔といいます。この孔で神経や血管が歯周組織とつながっています。そのため、歯の中でおこった炎症もこの孔を通して歯周組織に広がっていきます。
歯の根に膿がたまりその膿が大きくなっていくと、膿を排出しようとし、膿が歯茎まで到達します。そうなると写真のようにぷくっと歯茎がはれた状態になります。
この膿の袋はにきびのように破れて中から膿が出てくることもあります。しかしにきびとは違い、破れても治ることはなく原因となっている汚染した歯の中から治療しないと治癒しません。
レントゲン写真では硬いものが白く、やわらかいものが黒くうつります。
この写真では金属が最も硬いため詰め物が真っ白にうつっています。歯の根っこの周りを白くもやもやと取り囲んでいるのがあごの骨(歯槽骨)です。
根っこの先の膿はこのように黒くうつります。レントゲン写真を撮影し、このような像が見られた場合、根尖性歯周炎と診断されます。
原因は…
1.むし歯
むし歯が大きくなりすぎると歯の神経まで感染しやがて神経は死んでしまいます。神経が死んでしまった後そのままにしていると、炎症が根の外へとひろがり膿の袋ができあがります。神経が死んでいるのになぜ痛むのか。それは膿の袋が大きくなっていくときに周りの組織を圧迫して痛む場合と、歯根膜という歯と顎骨をつなげている組織も炎症をおこしており噛んだ時に痛みがでる場合とあります。
2.歯周病
歯の中から炎症が広がるだけでなく、歯の周りからも炎症は広がります。それが歯周病から根尖性歯周炎になる場合です。歯周病により歯茎が炎症をおこし、歯の根の先から神経へと炎症が広がっていくのです。この場合は歯周病が感染源のため、根っこの治療と歯周病の治療の両方が必要です。
3.破折
噛んだ衝撃などで歯にひびが入ったり割れてしまった場合、このひびから細菌が入り込み、炎症がおこります。炎症によって神経が死に根尖性歯周炎と移行していきます。
4.外傷
歯をぶつけるなど大きな衝撃が加わると歯の神経が死んでしまうことがあります。神経が死んでしまうと身体にとって神経がいらないものとなるため、身体が異物を排除しようとする過程で膿がたまり根尖性歯周炎になります。
治療はどのようにして行うのか
いわゆる神経の治療を行います。
神経の治療の流れ(むし歯の場合)は、
②針状の器具を使って、感染した根の中を物理的にきれいにしていきます。
③レーザーや超音波で、根の中を洗浄します。
④状態にあわせたお薬を歯の根に入れ、仮の蓋をして次回根の中がきれいになっているかを確認します。きちんときれいになるまでお薬の交換が何度か続きます。
⑤きれいになったら、最終的なお薬を隙間がないようにしっかりとつめます。
⑥土台をたてて被せものをつくっていきます。
※神経のお部屋の形は人それぞれ違います。また枝分かれしていたりととても複雑です。最大限の治療をおこなっても長期化した炎症の場合、治癒しない場合もあります。そのときは歯茎を切開し根っこの先を切断して、きれいにしていきます。それでも治らない場合は抜歯をおこなうこともあります。
再発するの…?
一度根の治療をしたのにまた悪くなった、ということはあります。
お口の中にはたくさんの細菌が存在しています。治療をして可能な限り根っこの中をきれいにしますが、細菌を0にすることはできません。ではなぜ根っこの治療をして治るのかというと、細菌の数をできる限り減らして、ご自身の治癒力が菌を退治できるようにしているからです。
免疫が細菌に負けてしまうと、治療をした歯でも根っこの先に膿がたまってしまうのです。
根尖性歯周炎ではしばらくしたら痛みがなくなることがあります。しかし痛みがなくなったからといって治ったわけではありません。そのままにしておくとどんどん治りが悪くなり、抜かなくてはいけなくなることもあります。歯の疾患は自然と治癒することは決してないのです。
また、症状がなくても膿がたまっている場合もあります。痛みを感じたら来院すること、定期健診でエックス線写真を撮影し膿がたまっていないかを確認することが大切です。
歯が欠けて歯科医院を受診する方には
- 1.ぶつけたり、硬いものを噛んだりして歯が欠けてしまった
- 2.朝起きたら歯が欠けていた
- 3.気づいたら欠けていた(欠けていることに気がつかなかった)
という方がいらっしゃいます。
1.ぶつけたり、硬いものを噛んだりして歯が欠けた
この場合は歯が欠けた理由がはっきりとしています。
ぶつかったときの力や噛んだ時の力に歯が耐えられず、割れてしまったということです。強い力が加わった後にお口の中から白い破片が出てきたら、歯が欠けてしまった!と思われると思いますが、実は歯質が欠けたのではなく、被せものの材料がとれてしまった、という場合もあります。
→歯質が欠けた
https://www.connollydentalboutique.com.au/wp-content/uploads/elementor/thumbs/Chipped-Tooth-q1sol1hac2omawxd69cttuajmvh7jfydhgv8aawy6s.jpg
→被せものの材料がとれた
https://scottsdaleaffordabledentistry.com/wp-content/uploads/2018/05/BROKEN-CROWN.jpg
https://www.croftondentalcare.com/wp-content/uploads/2023/02/Fixing-Decayed-Teeth-with-White-Bonded-Fillings-1024×1024.jpg
それぞれの場合で治療法が異なります。
歯質が欠けた
歯質が欠けてしまった場合は、かけた範囲によっても治療法が変わってきます。
『歯が欠けてしまったが、神経に達していない』という場合はCRというプラスチックの白い詰め物で欠けた部分を修復します。この処置は受診した当日に行うことができます。
『歯が欠けて神経まで見えてしまっている』という場合は神経の治療を行う必要があります。
麻酔をして汚染されてしまった神経をとりのぞきます。神経のお部屋がきれいになったら土台をつくり、型取りをして被せものをいれます。治療は最短で4回かかります。神経のお部屋は複雑できれいにする処置には時間がかかるため、4回以上かかる場合がほとんどです。また神経は見えておらずCRによって処置したという方でも、強い外力により実は神経が死んでしまっていたという場合もあります。
その場合はだんだんと歯が変色してくるのがサインです。神経が死んでしまった場合は、欠けて神経まで見えてしまった方と同じように、神経をとる処置から再治療が必要です。
歯質が欠けてしまっても痛みを感じる方とそうでない方がいます。痛みがなく、見た目が気にならないという場合でも一度歯科医院を受診してください。欠けてしまったあとの歯はむし歯になりやすかったり、欠けた部分がギザギザとしていて舌を傷つけてしまう場合があります。
お子さんが歯をぶつけて欠けてしまった場合も、大人と同じような処置をしていきます。
被せものの材料が取れた
上の左側の写真は前装冠という保険適用の被せものです。表面の白い材料がとれてしまっています。
前装冠は金属のかぶせものの表面に白いプラスチック製の材料をはりつけた構造になっています。そのため金属とプラスチックの境目から欠けやすいのです。白い材料が取れた場合はその場で材料を盛りつけて修復することが可能です。金属とプラスチックを接着させるためにはいろいろな表面処理が必要なのですが、この処理をお口の中で完璧にするのは難しく、修復したあと時間がたって同じところがまたかけてしまうということがあります。
その場合は被せものを外して作り直すことをおすすめしています。
右の写真はCRという白いプラスチック製の詰め物が取れた状態です。CRは小さなむし歯の治療でよく使用します。衝撃でかけてしまった場合だとむし歯はできていないことがほとんどですので、もう一度CR処置を行います。CRがとれてしまったのを放置してしまい、むし歯ができた場合はむし歯の治療を行います。
2.朝起きたら歯が欠けていた
朝起きて鏡を見たら前歯が欠けていた!という方もいらっしゃいます。原因は寝ている間の歯ぎしりや食いしばりです。歯ぎしりや食いしばりは自分でコントロールできない力のため、歯を欠けてしまうほどの大きな力がかかってしまうこともあります。
歯が欠けた部分の処置は①のときと同じように行います。それに加えて歯ぎしり・食いしばりを和らげるためにマウスピースを作成します。マウスピースは歯同士がギリギリと接触するのを防ぎます。また、ギリギリしてしまったとしても力が逃げるように調整をして使用します。
歯ぎしりや食いしばりの原因はストレスと言われています。ストレスが解消されればよいのですが、0にするというのは難しく簡単ではありません。歯ぎしりや食いしばりは寝ている間にしていることが多いですが、中には日中に行っている人もいます。今、食いしばってないかな…?と少し意識をするだけでも変わってきますので気にかけてみてください。
3.気づいたらかけていた(欠けていることに気がつかなかった)
欠けたのが前歯だとすぐに気が付きますが、知らず知らずのうちに奥歯が欠けていて定期健診のときに見つかるということもあります。
この場合は痛みもなく、歯の山の部分が少し欠けてしまっているといったケースが多いです。欠けた量にもよりますが、多くは欠けた部分を研磨して滑らかにし、かみ合わせのチェックをして調整をするという処置を行います。大きく欠けている場合はCRで修復することもあります。
いかがでしたか。歯は硬い組織ですが意外と欠けてしまうことも多いです。お口は健康の入口ですので、毎日しっかりと確認して気を配ってみてください。
皆さんは子供の歯(乳歯)と大人の歯(永久歯)の違いを知っていますか?
乳歯はむし歯になりやすく、健康を保つためには親御さんの協力が不可欠です。乳歯についてご説明していきますので、少しでも乳歯管理のヒントになればと思います。
乳歯は何本?
乳歯はすべて生えそろうと20本あります。
すべて生えそろうのはだいたい2歳半~3歳頃です。子供の成長は個人差がありますので、「3歳すぎてもまだ生えそろっていない!」と心配することはありません。4歳を超えても生えそろっていない場合は先天性欠如といい、もとから歯がない可能性があります。エックス線写真を撮影して、歯茎に埋まった状態になっていないか、元から歯がないのかを確認します。また、乳歯が足りなかったからといって、必ずしも永久歯も足りないというわけではありません。
歯が足りないだけでなく、歯と歯がくっついて生えてくる場合もあります。どちらの場合も特殊なことではなく、よくあることなので心配しすぎなくて大丈夫です。
健康な乳歯
健康な乳歯は永久歯よりも白いです。
これは一番外側にあるエナメル質が柔らかくて薄く、中の象牙質がよく見えるからです。また、神経のお部屋も永久歯に比べて大きいです。そのため、むし歯になるとすぐに神経のお部屋へと到達してしまいます。神経の治療は子供の場合でも大人の場合と同じようにしていくため、時間もかかりますし麻酔も必要です。
歯の色が少し違う部分がある、という場合はむし歯の可能性がありますので、早めに歯科医院を受診して検査をうけてください。
歯磨き指導
〇歯が生えていないとき
歯が生えていないので歯ブラシを使っての歯磨きというものは必要ありませんが、授乳後などにガーゼを指にまいてお口の中を優しく拭ってあげてください。
お口の中が健康に保たれますし、口元を触られるということに慣れてもらうことができます。今後歯磨きをするときにスムーズにできるようになりますのでおすすめです。ミルクが口の中に残っているとダメ!というわけではないため、できる範囲で優しく行いましょう。
〇乳歯が生えてきたら
歯が生えてきたら歯ブラシを使って磨いてあげてください。
お子さんの機嫌によっては歯磨きがなかなかできないときもあると思います。そのようなときは無理に歯ブラシを使おうとせず、ガーゼで拭う程度でも大丈夫です。まずは“歯磨き=嫌なこと”にならないように、少しずつ慣らしていきましょう。寝ている間は細菌が繁殖しやすいため、寝る前にはなるべく歯磨きをしてあげるとよいです。口元は敏感な場所のため少しさわっただけでも嫌がるというお子さんもいます。初めのうちは全く磨けなくても大丈夫です。
軽く歯ブラシをあてるというところからはじめて、少しずつ進めていきましょう。
→磨き方
- お子さんの頭を膝の上にのせ、あおむけにします。
- 歯ブラシは子供用のものを使ってください。ヘッドが小さく磨きやすいです。
- 歯ブラシはペンを持つときと同じように握り、軽い力で小刻みに10~20回ほど動かします。
- 歯茎を磨いてしまうと痛いため、歯茎にブラシがあたらないようにしてあげるとよいです。
- 頭はしっかりと固定してください。歯ブラシがお口の中にあるときに急に頭を動かすと危険です。
- お子さんがやる気になるようなキャラクターがついてるものや、歯磨き粉も子供用の甘いものを使ってあげるとよいです。
お子さんの成長にあわせて自分で歯磨きをさせてみましょう。
その場合は最後に仕上げ磨きをしてあげてください。仕上げ磨きの際は、特に歯と歯の間、奥歯、前歯の唇に隠れている部分をチェックしてみてください。何歳まで仕上げ磨きをしなくてはいけない、という決まりはありませんが、6歳以降は乳歯が永久歯へと生え変わっていきますので、可能な限り仕上げ磨きをしてあげてむし歯を予防してあげるとよいと思います。
歯科医院での歯磨き指導
お子さんの歯磨き指導もおこなっています。
ある程度自分で歯磨きをできる子には、汚れを染め出して汚れの残り具合をみてもらったり、歯ブラシの動かし方を直接お子さんに説明します。また親御さんには仕上げ磨きについてもお教えします。自分で歯磨きができない小さなお子さんの場合も、親御さんに歯磨きの仕方をお教えしています。お子さんの治療や指導の際はいつでも親御さんが付き添っていただいて大丈夫です。
さこだ歯科では小児歯科専用のブースを用意しており、ほかの患者さんを気にせずに来院していただけます。入口も別にしていますし、託児所も設置しています。
歯医者は何をされているかよくわからない、治療は痛い、など子供にとって怖い場所になりやすいです。まずは歯磨きにも慣れてもらい、歯医者にも慣れてもらい、むし歯を作らないようにして怖いという思いにさせないことが大切です。歯医者はお子さんだけでなく親御さんも不安だと思います。
気になることはなんでも相談してください。子育ては大変だと思いますが少しでもお力になれたらと思います。
お子さんの仕上げ磨きをしているときに、「あれ…歯が黒くなってる…?」といった部分を見つけると不安になりますよね。毎日磨いていても歯磨きは難しく、トラブルがおきることもあります。
お子さんの歯が黒いときに考えられるのは①着色、②むし歯です。
①着色
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奥歯の溝のところが黒くなっているときは着色の可能性があります。
学校の歯科検診でもらってくる結果にCOという文字を見たことはありますか?
COというのは『要観察歯』のことです。“むし歯一歩手前なので、気を付けましょう”という結果です。写真のような黒い着色や、歯の表面が少し溶けてしまって白っぽくなっている場合にCOがつきます。ただの着色であれば問題はないのですが、難しいのはむし歯との見分けです。一見着色のようでも、よく見たらむし歯で奥の方まで進んでいた…なんてこともあります。このような着色は歯科医院の明るい光の下で、プロがしっかりと見なければわかりません。黒い線があるな、というときは一度来院して診てもらうと安心です。
また、この着色部分はつまようじなどの細くて尖ったものでこすらないようにしてください。着色なら取れるかも!とこすりたくなるのですが、こすってしまうと表面が削れてしまいただの着色がむし歯へと進行してしまうことがあります。普段通りの歯磨きをしっかりと行っていただくことが一番の予防になります。
溝の着色はなかなか白くはなりませんが、気になる方にはほんの少しだけ表面を削りプラスチックの白い詰め物をする処置を行うことができます。むし歯ではないためたくさん削る必要がなく、麻酔なしでおこなうことができます。もちろん不安な方には麻酔をしておこなうこともできますのでご相談ください。
お子さんの場合、このような着色やむし歯を事前に予防するためにシーラントを行う場合もあります。シーラントとは生えたての永久歯の溝をきれいに清掃して白い詰め物をする処置のことです。見た目は溝の部分が白くなりますが、むし歯予防にはとても効果的です。
【シーラント】
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②むし歯
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歯が黒くなっている原因として多いのはむし歯です。
特に溝ではなく平滑面が黒い場合はむし歯の可能性が高いです。子供のむし歯は歯質が未熟なため大人の歯のむし歯よりも進行が早いのが特徴です。どうせ生え変わるから…と乳歯のむし歯を放置していると永久歯がむし歯の影響をうけ、形成不全になる場合もあります。むし歯の治療は早め早めをお勧めします。
子供のむし歯治療は生え変わり時期との兼ね合いを考えながらおこないます。
生え変わりが近い場合や、むし歯が多くとにかくむし歯の進行を止めるのが先という場合はむし歯の進行を止めるお薬を塗ります。塗るだけでむし歯の進行を遅らせることができるため簡便ですが、見た目がさらに黒くなってしまいます。
生え変わりまでまだ時間がある場合はむし歯の治療をおこないます。おおまかには大人の治療と同じです。むし歯を削り神経までむし歯が達していたら神経の治療をおこないます。大人と違うところは被せものです。乳歯では生え変わりがありますので、大人のように型取りをして銀歯をすることは稀です。乳歯用の既成の銀歯があり、それをお子さんにあった形にあわせて使用するか、プラスチックの詰め物やセメントでの詰め物を行うことが多いです。お子さんでも歯が永久歯の場合は大人と同じように型取りをして被せものをしていきます。
お子さんの歯に気になることがあったらぜひ一度受診してください。
さこだ歯科では小児用のスペースと大人用のスペースが分けられており、入口も大人の方とは違いますので気兼ねなく来ていただけます。
分かれていますが親御さんはもちろん一緒についてきてもらって大丈夫です。また電話でもネットでも予約をとることが可能です。小さいご兄弟がいて連れて行くのも大変、という方もいるかもしれません。さこだ歯科には託児所のスペースもあるためご兄弟が治療中に下の子を預かってもらうということもできます。
わからないことがあれば気軽にお聞きください。
〇乳歯のむし歯
乳歯は2歳半~3歳で生えそろいます。
その後6歳になり永久歯が生えてくるまでは前歯から奥歯まですべて乳歯の期間です。乳歯は永久歯に比べて歯質が薄く、やわらかいです。また神経のお部屋は大きいのが特徴です。
そのため一度むし歯になると進行が早く、神経まで達しやすいです。
乳歯に見られる特徴的なむし歯
・哺乳瓶う蝕
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哺乳瓶う蝕とは卒乳した後も哺乳瓶を使ってジュースやミルクを与えている場合に見られる、上の前歯に広範囲にできるむし歯のことです。
寝かしつけのときに哺乳瓶を使ってジュースやミルク与えそのまま寝せてしまうと、前歯に糖分や汚れが付着した状態が長く続きむし歯になってしまいます。
一番初めに生えてくる歯は下の前歯で、そのあとに上の前歯が生えてきます。だいたい6か月~9か月頃で、まだ卒乳をしていない子もたくさんいると思います。
卒乳を急ぐ必要はありませんが、厚生労働省による卒乳の推奨時期は1歳~1歳半頃とされています。このころには奥歯が生えてきますので、ものを咀嚼する力や顎の成長のためにも卒乳を完了させるひとつの目安にしてもらえるとよいと思います。離乳食とミルクを与えている時期には
- ①哺乳瓶を使ってジュースは与えない
- ②できるだけ寝る前のミルクを避ける
- ③卒乳するまで甘いものを与えない
- ④歯が生えてきたら歯磨きを開始する
ことを意識してください。甘いものを覚えてしまうと卒乳が遅れるといわれています。
むし歯の観点からも成長の観点からも甘い食べ物や飲み物は卒乳してからあげるようにすることが大切です。とは言ってもなかなか寝てくれないときや落ち着かないときは困ってしまいますよね。
そのようなときは哺乳瓶に水やお茶を入れる、哺乳瓶をくわえる時間を短くする、ミルクを飲んだあとはお口をすすぐ(すすげない子はお水を飲んでもらう)など工夫をしてみてください。
・ランパントカリエス
https://smilecreationdental.com/wp-content/uploads/2015/01/baby-bottle3.jpg
ランパントカリエスとはむし歯がたくさんできている状態のことです。
普段なら虫歯になりにくい部位にもむし歯ができ、1本ではなく3本も4本も一度にむし歯になってしまっているというのが特徴です。
小さなお子さんは自分でしっかりと歯磨きすることが難しく、また乳歯や生えたての永久歯は柔らかくむし歯の進行がはやいためランパントカリエスになる子がいます。
むし歯ができる流れは子供も大人も同じです。甘いものを長時間摂取している、汚れがとれていないなどが原因です。
ランパントカリエスを防ぐ一番の方法は仕上げ磨きをしてあげることです。
まずは親御さんがお子さんのお口の中をしっかりと見てあげてください。むし歯かどうかわからなくても、少し色が違うかも…と思ったら歯医者さんを受診することも大切です。
子供の歯は進行が早いため、痛みがでたときには重症になっていることが多いです。コミュニケーションをとる良い機会にもなりますので、お子さんのお口の中をのぞいてみてください。
乳歯のむし歯の治療法
お子さんの治療ではむし歯の進み具合だけでなく治療を受け入れられる度合いによっても治療法が変わってきます。
まずたくさんむし歯がある場合は一本一本治療をしていると治療が後になった歯がどんどん悪くなってしまうため、初めにむし歯の進行を止めるお薬をぬることが多いです。
この進行止めのお薬は歯が黒く変色してしまいますが、効果的です。激しく嫌がり治療ができない子にもまずはこのお薬をぬってひどくならないようにしていきます。
治療を嫌がる子には徐々に歯医者に慣れてもらいます。歯医者は見たことがない機械がたくさんあり、あおむけで治療をうけるため、何をされるかわからない恐怖があります。
どんな機械を使うのか、機械を使ってなにをするのかを丁寧に説明しお子さん自身に理解してもらったうえで治療をすすめていきます。怖がりの子は歯磨きから始め、むし歯の治療が終わるまで長くかかることもありますが、将来歯科恐怖症などにならないためにもじっくりとすすめていきましょう。
乳歯のむし歯でも大人のときと同じように削って詰めものをしたり、神経の治療をしたりします。抜歯は生え変わりの時期が近い場合は行います。
生え変わりまで時間がある場合は抜けた状態が長く続くと大人の歯並びが悪くなってしまうため、どうしても必要な場合は抜歯し、保隙装置といって小さな入れ歯のようなものやお口の中にワイヤーをいれたりします。
〇永久歯のむし歯
生えたての永久歯はまだ石灰化が不十分なためとても柔らかいです。
そのためむし歯になりやすく、進行も早いのが特徴です。永久歯にできたむし歯は大人のむし歯と同じように治療をしていきます。奥から2番目の歯は6歳臼歯と言われ、6歳ころに生えてきます。早いですよね。
永久歯は一度失ったら乳歯のように生え変わりませんので大事にしていきましょう。
〇むし歯予防
1.フッ素塗布
「フッ素」と聞くと化学で習ったときのような、強くて体に悪そうといったイメージがありますよね。
そんなものを赤ちゃんにぬっても大丈夫なのかな…と心配になる方もいると思います。歯科で虫歯予防のために使われているフッ素は、フッ素化合物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)といって体に悪影響を及ぼさない、安定した化合物です。
化学で習ったフッ素のようにフッ素単体のものとは性質が異なりますので安心してください。ではフッ素を塗るとなぜむし歯予防になるのか?それはフッ素を塗ると歯が強くなるからです。
食べ物を食べるとお口の中の細菌が酸を産生し、この酸によって歯からリンやカルシウムなどの成分が徐々に溶け出していきます(脱灰)。脱灰がすすんでしまうとむし歯になってしまいます。通常、唾液の成分が歯から溶け出した成分を補いもとの状態へと戻っていきます(再石灰化)。お口の中ではこの脱灰と再石灰化が常に繰り返されています。
歯磨きが不十分のまま寝てしまうと、お口の中で酸がたくさん作られてしまう+寝ている間は唾液が減ってしまうためむし歯になりやすくなってしまうのですね。フッ素塗布を行うとフッ素がカルシウムと結合しフッ化カルシウムという状態になります。
これが歯質にとりこまれると歯質はハイドロキシアパタイトからフルオロキシアパタイトという成分へ進化しより硬く、強くなります。また、フッ素はむし歯菌がつくる酸の働きを邪魔します。歯を強くし、さらにむし歯菌にも対抗できるためむし歯予防にとても有効です。
赤ちゃんから使用できること、うがいなどは必要ないことから歯が生えてきたらすぐにでもフッ素塗布は行うことができます。柔らかい綿球を使って歯にペーストをぬっていくため、お口を触られるのに慣れたり歯科医院に慣れるためにもフッ素塗布はおすすめです。
2.ブラッシング
→乳歯が生えてきたら
やはり一番のむし歯予防は歯磨きです。
歯が生えてきたら歯ブラシを使って磨いてあげてください。お子さんの機嫌によっては歯磨きがなかなかできないときもあると思います。
そのようなときは無理に歯ブラシを使おうとせず、ガーゼで拭う程度でも大丈夫です。まずは“歯磨き=嫌なこと”にならないように、少しずつ慣らしていきましょう。寝ている間は細菌が繁殖しやすいため、寝る前にはなるべく歯磨きをしてあげるとよいです。
口元は敏感な場所のため少しさわっただけでも嫌がるというお子さんもいます。初めのうちは全く磨けなくても大丈夫です。軽く歯ブラシをあてるというところからはじめて、少しずつ進めていきましょう。
→磨き方
- お子さんの頭を膝の上にのせ、あおむけにします。
- 歯ブラシは子供用のものを使ってください。ヘッドが小さく磨きやすいです。
- 歯ブラシはペンを持つときと同じように握り、軽い力で小刻みに10~20回ほど動かします。
- 歯茎を磨いてしまうと痛いため、歯茎にブラシがあたらないようにしてあげるとよいです。
- 頭はしっかりと固定してください。歯ブラシがお口の中にあるときに急に頭を動かすと危険です。
- お子さんがやる気になるようなキャラクターがついてるものや、歯磨き粉も子供用の甘いものを使ってあげるとよいです。
お子さんの成長にあわせて自分で歯磨きをさせてみましょう。
その場合は最後に仕上げ磨きをしてあげてください。仕上げ磨きの際は、特に歯と歯の間、奥歯、前歯の唇に隠れている部分をチェックしてみてください。
何歳まで仕上げ磨きをしなくてはいけない、という決まりはありませんが、6歳以降は乳歯が永久歯へと生え変わっていきますので、可能な限り仕上げ磨きをしてあげてむし歯を予防してあげるとよいと思います。
歯科医院での歯磨き指導
お子さんの歯磨き指導もおこなっています。
ある程度自分で歯磨きをできる子には、汚れを染め出して汚れの残り具合をみてもらったり、歯ブラシの動かし方を直接お子さんに説明します。
また親御さんには仕上げ磨きについてもお教えします。自分で歯磨きができない小さなお子さんの場合も、親御さんに歯磨きの仕方をお教えしています。
お子さんの治療や指導の際はいつでも親御さんが付き添っていただいて大丈夫です。
3.規則正しい食生活
お子さんは成長のためにもおやつを食べると思います。
おやつを食べるのは良いことですがその内容と時間を意識してみてください。おやつは甘いお菓子ではなくふかしたお芋など栄養面でもむし歯の面でもよいものを選んでください。また、毎日バラバラの時間ではなく決まった時間におやつを食べることも大切です。
ごはんやおやつの後は歯を磨き、ルーティンとなるようにすることをおすすめします。
子供が歯をぶつけた
元気いっぱいのお子さんがこけて歯を打ってしまった!と来院されることは歯科医院ではよくあることです。
ひと言で歯をぶつけたといっても、その症状はお子さんによってまちまちですので、考えられるケースについてご紹介していきます。
〇歯をぶつけて歯が抜けてしまった
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歯が抜けてしまったら歯も一緒に持って来院してください。
そのとき抜けてしまった歯はゴミがついていたとしてもごしごしと洗うことはしないでください。歯がもう一度組織に接着するために必要な部分も一緒にとれてしまうからです。大まかな汚れを流水で漱ぐ程度でOKです。あれば牛乳につけて、なければお水につけて歯を持参してください。
歯科医院できれいにしたあと再植をこころみます。抜けてしまった穴の部分に歯をもどし固定します。しばらくは抜けた部分は使用できません。再植はすぐに定着するものではないため、経過観察をおこないながらつきあっていきましょう。
〇歯をぶつけて歯がかけた
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歯が欠けた場合はかけた大きさによって処置が異なります。
もし大きくかけてしまい、そのかけた部分も残っているときは一緒に持参してください。大きくかけた場合は神経まで汚染されている場合が多いため、神経の治療を行います。神経の治療が終わったら被せものをして見た目もきれいに回復していきます。
かけた部分が小さく神経まで達していない場合はかけた部分をプラスチックの詰め物で修復することができます。
〇歯をぶつけて歯がぐらぐらしている
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歯がグラグラしている場合は正しい位置で歯を固定する処置を行います。
グラグラしている=脱臼している状態です。しばらく固定をしているとその位置で定着していきます。定着するには時間がかかるため経過観察をおこないながらつきあっていきましょう。
〇歯をぶつけたが見た目に変化はない
歯をぶつけたが見た目に変化がない場合もエックス線検査などを行います。
ぶつけたすぐは何もなくても、数日後に歯が変色してくる場合があります。これは強い衝撃により歯の神経が死んでしまうためです。死んでしまった神経は残念ながら生き返らないため、神経をとる処置を行います。また歯の色はあまり変わっていないが、歯茎の根元にぷくっとしたふくらみができることがあります。
この場合も神経の処置が必要になるので来院してください。
〇歯茎や唇が裂けて血がでている
歯茎が切れてしまい、血がどんどんでている場合は縫合します。
親知らずをぬくときなど歯茎を切ってその後に縫合をすることがありますが、それと同じイメージを持っていただけたらと思います。歯茎や粘膜の再生は皮膚よりも早いため、1週間後程度で一度経過をみせていただきます。抜糸をおこないます。
お子さんが怪我をしたらとても心配ですよね。歯やお口も大事ですが、まずは頭をぶつけていないか、意識ははっきりしているか、受け答えはしっかりしているか確認してあげてください。
歯科は医科の次でかまいません。親御さんも動揺してしまうと思いますが、そんなときこそドンと構えてお子さんを安心させてあげてくださいね。
お口の中のことは何でもご相談にのります。一緒に解決していきましょう。
皆さんは鼻で呼吸ができていますか?また、お子さんはお口で呼吸をしていないでしょうか?
呼吸は毎日のことだからこそ、意識せずに気づかないことも多いです。皆さんの普段の呼吸は大丈夫か、一度チェックしてみてください。
鼻呼吸と口呼吸
正しい呼吸というのは鼻から息を吸う鼻呼吸のことをさします。
鼻から息を吸うと、
- 1.鼻毛がホコリや花粉などの大きい異物をブロック
- 2.鼻の粘膜細胞にある小さな小さな毛がウイルスや細菌など病原菌をブロック
- 3.空気が鼻腔を通るときに加湿、保温される
これにより、乾いた細菌交じりの空気が直接喉の奥にあたるのを防いだり、肺にかかる負担を軽減したりしています。
口から息を吸うと外からの刺激に無防備になってしまい、風邪をひきやすくなってしまいます。せっかく天然のフィルターを持っているのですから使わないと損ですよね。
口呼吸の悪影響
また、口呼吸は他にも悪影響を及ぼします。
- 1.虫歯になりやすくなる
- 2.歯肉炎が悪化しやすくなる
- 3.お口がにおう
- 4.歯並びが悪くなる
お口で息をすると口はどんどん乾いていきます。
通常、お口の中は唾液で湿潤状態にあります。唾液はものを飲み込むときに飲み込みやすくするだけではありません。唾液の中には殺菌成分が含まれていたり、唾液で汚れを流したりする役割があります。
つまり、口呼吸でお口の中が乾いてしまい十分な唾液がない状態になると、食べたり飲んだりしたものがお口の中に停滞しやすく、むし歯や歯周病になりやすくなります。汚れがつきやすい=口臭の原因にもなり嫌なにおいがすることも。
また、お子さんがお口で息をし続けると歯並びが悪くなってしまいます。歯には舌が内側から押す力と唇が外から押す力が加わっており、その2つがあることできれいな歯並びを維持しています。そのためお口をあけたままの状態が続くと、歯には舌が内側から押す力のみが加わりつづけ、歯が外へとそっていってしまうのです。
最終的には出っ歯と呼ばれる状態になってしまいます。
そして口呼吸はお顔の老化にもつながってしまいます。こわいですよね。
お口の周りには口輪筋という輪っか状の筋肉が存在します。常に口呼吸をしている人は、この口輪筋が十分に使われないため常に緩んだ状態になってしまいます。口輪筋は表情筋の一種で骨格筋とは少し違います。腕や足にある骨格筋は骨に付着していますが、表情筋は皮膚に付着しています。
つまり、表情筋がゆるむとその筋肉に皮膚がひっぱられてしまい、皮膚がたるんでしまうのです。
まとめると、口呼吸を続けた場合
- 風邪をひきやすくなる
- むし歯になりやすくなる
- 歯肉炎が悪化しやすくなる
- お口がにおう
- 歯並びが悪くなる
- 老化につながる
といった悪影響がでてきてしまいます。皆さん知っていたでしょうか?
普段口呼吸をしているかも…という方、お子さんのお口がぽかんと開いている場合などは鼻呼吸を意識してみてください。
といっても呼吸法は簡単には改善しないものです。口が開いていたな、というときはすぐに閉める、また可能であれば口に鼻呼吸を促すテープを貼るなどしてみてください。
お子さんの口呼吸
お子さんが口呼吸をしている場合はまずはじめに鼻で呼吸ができるかどうかを確かめてあげてください。
鼻炎で口呼吸ができないという場合に無理して口呼吸をさせることはできません。まずは耳鼻科にいき原因に対する治療をする必要があります。
また子供の口呼吸の場合、アデノイド肥大といって咽頭扁桃が大きいことが原因で口呼吸をしていることがあります。
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咽頭扁桃が大きいと空気の通り道が狭くなってしまうため、通常の鼻呼吸では空気が足りず、たくさんの空気を取り込むためにお口で呼吸をしてしまいがちになります。
アデノイド肥大は10歳くらいになると自然と縮小していくため、呼吸障害や睡眠障害など深刻な症状が出ない限り経過観察となることがほとんどです。
息をしづらいのに「口で息したらダメだよ!」と注意してしまわないように気を付けてください。
マイオブレース
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お子さんの口呼吸改善にはマイオブレースという器具の使用も可能です。
マイオブレースとはゴムでできたマウスピースのようなもので、小さい子(3歳~)が使用する早期矯正装置です。矯正装置といっても歯を並べるようなものではなく、悪習癖を取り除くのを目的とした装置です。マイオブレースを装着すると正しい舌位置や正しい飲みこみ方、口を閉じた状態の保持、鼻呼吸を学習することができます。装着時間は日中に一日一時間と夜間就寝時です。
正しいお口の使い方はきれいな歯並び、正しい成長につながるため、マイオブレースは予防矯正ともいわれています。気になる方はぜひスタッフに話を聞いてみてください。
コロナによってマスクをしていたときはお口がゆるみがちだった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。マスク必須ではなくなりましたが、なくなったからこそウイルスに負けないように鼻呼吸を意識し、お口の健康にもつなげてみてください。
口臭の90%はお口の中が原因と言われています。人にもなかなか相談しづらい口臭。原因と対処法について説明します。
口臭には生理的口臭と病的口臭と心理的口臭があります。
生理的口臭とは
実は口臭が全くない無臭の人はいません。
ご飯を食べたり飲み物を飲んだり、人間が生活している上で多少のにおいは発生するのです。生理的口臭とは正常範囲内の口臭のことを言います。他人に不快感を与えるほどではなく、そのときの状況によって口臭があったりなかったりする場合です。
よく、“朝起きたすぐは口が臭い”と言いますよね。それも生理的な口臭です。起床時や空腹時、緊張したとき、妊娠中や月経時などホルモンバランスが乱れているときには口臭が強まることがありますが、時間がたてばなくなったり薄くなったりします。
それほど気にしすぎる必要はなく、特別な治療が必要ということもありません。
病的口臭とは
病的口臭とは名前のとおり、病気が原因でおこる口臭です。
呼吸器系や消化器系の全身疾患が原因で口臭が発生します。また、むし歯や歯周病などのお口の中の病気でも口臭は発生します。お口の中には嫌気性菌という細菌がたくさん存在しており、この菌たちは食べ物のかすなどのたんぱく質を分解して、口臭の原因である硫化水素やメチルメルカプタンを発生するのです。
病的口臭は原因である疾患の治療をおこなう必要があります。
心理的口臭とは
心理的口臭とはお口のトラブルもなく、実際にはほとんど臭わないのに本人だけが口臭を強く感じるというものです。
ストレスなどが原因であると考えられます。こちらも特別な治療は必要ありません。実は臭っていないんだ、と実際に知っていただくと安心できると思います。歯科医院では口臭の数値を機械ではかることができますので、実際はどのような状態なのかを調べて知ってもらうとよいと思います。
以上のように口臭にもさまざまありますが、次にまとめて口臭の原因となりやすいものについて説明します。
口臭の原因
- 1.口腔内にたまったプラーク
- 2.舌苔
- 4.むし歯
- 5.唾液が少ない(ドライマウス)
- 6.強いにおいのものを食べた
3.歯周病
1.口腔内にたまったプラーク
お口の中にたまった磨き残し(プラーク)は放っておくと歯石になります。
これらは細菌の代謝物ですので大量に蓄積すると臭いを発しますし、歯周病やむし歯の原因になります。
2.舌苔
舌苔とは舌の表面についた汚れのことです。
きれいな舌はピンク色をしています。舌の上が白くなっていたらそれは舌苔がたまっています。舌も歯と同じように磨いてあげる必要があります。
3.歯周病
歯周病は独特の臭いを発します。
歯周病菌が臭いの原因です。症状がないことの多い歯周病ですが、臭いだけでなく気づいたら歯がグラグラしてきたり様々な不調を引き起こしてしまいます。
4.むし歯
たくさんのむし歯ができている人はプラークがたまっている人が多く臭いを発します。
またむし歯の数は少なくても、大きな穴が開いているようなむし歯がある人は穴の中に食べ残しがつまり、その食べ残しが腐敗して臭いを発することがあります。
5.唾液が少ない(ドライマウス)
唾液には殺菌作用や洗浄作用があります。
食べ物を食べた後にスムーズに消化できるように一役かっているのです。唾液が少ないと食さがたまりやすくなってしまうため臭いを発しやすくなります。また、起床時や緊張時にお口が臭くなるのは唾液が少なくなるからです。唾液は加齢やお薬、糖尿病などの疾患、シェーグレン症候群などで少なくなります。
そのほかにもストレスや喫煙によっても減りますし、最近までマスク生活だったこともありお口を開けっぱなしにして乾燥してしまうという方も増えています。
6.強いにおいのものを食べた
ニンニクやネギ類を食べると強いにおいがしますよね。
これらは歯磨きをきれいにしても臭いがすることも多いです。大事な日の前には控えないといけませんね。
口臭対策
〇歯磨きをしてプラークを減らし、歯周病・むし歯を予防する
臭いの原因となるプラークを除去して歯周病やむし歯も予防していきましょう。プラークを残さない正しい歯磨きのコツは、
- 鏡をみて歯ブラシがしっかりとあたっているかを見ながら磨く
- 右上→左上→左下→右下→歯の内側 など流れを決めて磨き残しがでないようにする
- 補助清掃器具(フロス・歯間ブラシ)を使用する
- 歯ブラシをペンを持つときと同じように握り、小刻みに動かす
しっかり歯を磨くと5分以上はかかります。
特に夜寝る前はしっかりと磨いてください。寝ている間に唾液が減ってしまうため細菌が繁殖しやすいです。
〇マウスウォッシュを使用する
歯磨きで物理的にプラークを落としたあとに、マウスウォッシュで化学的にお口をきれいにし、細菌が増殖するのを防いであげることもおすすめです。
マウスウォッシュは市販のものがたくさんあります。これが良い!これがダメ!ということはなく、刺激がつよいものや辛いものもありますので、ご自身で継続して使っていただきやすいものを使用すると良いです。
さこだ歯科では、歯科医院でしか買えない効果の高いものを取り扱っていますので、是非購入してみて下さい。
〇舌磨き
歯磨きのついでに舌を磨いて舌苔を落としましょう。
舌を磨くときは舌ブラシを使用していただくと良いです。舌が磨きやすいようになったものをさこだ歯科でも取り扱っています。歯ブラシでも磨くことは可能ですが、その際は力の入れすぎに注意してください。舌は繊細で傷がついてしまったり、頑張りすぎておえっとえずいてしまいます。磨くときは舌の表面を奥から手前方向に優しい力でなぞってください。
歯磨き粉などはつけず水だけで大丈夫です。今では舌磨き用のジェルなども売られています。滑りをよくして磨いやすくしてあげるのもお勧めです。
〇歯周病・むし歯・全身疾患の治療をする
歯周病やむし歯、全身疾患が原因の場合はどんなに歯磨きをしても臭いがおさまりません。
原因の疾患を治療しましょう。歯周病の治療ではご自身ではとれない歯茎の奥にある歯石やプラークを取り除きます。そのほかにも、歯がグラグラしていたり歯茎がとても下がってしまった場合など必要に応じて歯周外科という外科手術や歯の固定なども行います。歯周病治療の要は歯周病原菌を減らすことです。
治療と同時に歯磨きを習得していただき、治療とご自身の歯磨きによって治していきます。むし歯の治療はその大きさによって変わってきます。食さが詰まるほど穴が開いてしまっている場合は、虫歯が神経まで達しています。むし歯を削るだけでなく神経の治療もおこないます。
また、むし歯ができている部分は磨けていなかった、というサインでもあります。自分はどのような部分を磨くのが苦手なのか、の目印にもなりますので治療したことがある歯のどこにむし歯があったのか、なども気にしてみてください。
〇唾液腺のマッサージをする
お顔には大きな唾液腺が3つあります。耳下腺・舌下腺・顎下腺です。それぞれを手のひらや指を使ってやさしく刺激してあげてください。
〇歯ごたえのあるものをしっかりと咀嚼する
咀嚼をしっかりと行うと唾液腺が刺激され、分泌量が多くなります。歯ごたえのあるものを食べると口腔フレイルの予防にもなります。
噛む際には片側だけに集中して噛むのではなく、両側で均等に噛めると良いです。かみ合わせによっては片側でしか噛めないという方もいらっしゃいます。その場合はずっとつかっている側の歯が破折するなど悪くなってしまいます。ぜひ歯科医院で相談してください。
口臭は多少なりともみんなにあるものです。それが病的なものなのか、対策が必要なものなのかを知る必要があります。さこだ歯科には口臭測定器がありますので、口臭が気になっている方はお知らせください。
甘いものを食べているときに歯が痛むことはありませんか。
もし痛むようであれば中等度の虫歯(C2)~重度の虫歯(C3)になっているかもしれません。
中等度の虫歯(C2)とは
象牙質まで虫歯が進行した状態です。
冷たいものや甘いもので痛みがでてきます。中等度の虫歯なので麻酔をして虫歯の部分を削り、その大きさが小さければCR、大きければセラミックや金属でできたインレー・アンレーという詰め物をいれて治します。
重度の虫歯(C3)とは
神経まで虫歯が進行した状態です。
ここまでくるとズキズキする痛みがでたり、じっとしていても耐え難い痛みがでることがあります。麻酔をして虫歯を削り、虫歯菌に侵された神経をとってきれいにしなければなりません。神経の治療が終わった後は被せものをして治します。
治療法
CR | 白いプラスチックの詰め物で、虫歯を削ったその日に行うことができます。 |
---|---|
インレー | 虫歯の範囲が歯の溝の部分にのみ広がっている場合に行います。セラミックや金属、CAD/CAM(白いプラスチック製)などがあります。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。 |
アンレー | 虫歯の範囲が溝の部分を越えて歯の山部分まで広がっている場合に行います。歯の山部分は大きな力に耐えられる材料でなくてはならないため、セラミックや金属の詰め物で回復します。 |
クラウン | C3のときに行います。歯のすべてが被せものになります。セラミックや金属、CAD/CAMがあります。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。 |
神経の治療 | C3のときに行います。神経のお部屋の中を針状の器具を使用してきれいにお掃除していきます。神経のお部屋は人によって形がさまざまで、枝分かれしていたりととても複雑です。そのためお掃除には数回来院していただく必要があります。完全にきれいになったら神経のお部屋につめものをして、被せものをするための土台をつくり、クラウンの作成にはいります。 |
マイクロスコープ治療 | 当院ではマイクロスコープという拡大鏡を使用した治療もおこなっています。自費治療ではありますが、マイクロスコープを使用するときれいに隙間なく詰め物をすることができます。また、肉眼ではほとんど見えない根っこの細かい部分もしっかりと見ながら治療を行うことができるため、治療の確実性があがります。 |
麻酔について
治療の際は麻酔が必要です。
当院では痛くない麻酔を心がけています。細い針を使用することで針がささるときの痛みを軽減し、常温の麻酔薬をゆっくりと注入することで歯肉組織にかかる圧を軽減しています。また刺入時の痛みを和らげるために、表面麻酔といって塗るタイプの麻酔や貼るタイプの麻酔も併用しています。
それでも歯科治療は怖い!痛いのが怖くて一歩を踏み出せない!という方もいると思います。当院では普通の麻酔のほかに半分眠った状態でおこなう笑気麻酔や静脈麻酔も行っています。
笑気麻酔
鼻から気体の麻酔を吸い込みます。笑気麻酔をすると酔っぱらったときのようなふわふわとした感覚になり力がぬけた状態で治療をうけることができます。
静脈麻酔
点滴で麻酔を体内に注入します。笑気麻酔より強いためほぼ眠った状態となり治療時のことは覚えていません。治療本数が多い場合や大きな歯科手術のときに行うことが多いです。
どちらの場合も入院などは必要なく、当日お帰りいただけます。治療後にしばらくお休みいただいて問題がないことを確認いたします。服薬中の方や持病をお持ちの方はご相談ください。
虫歯は放っておいても治ることはありません。また、小さい虫歯だと思っていても中まで広がっている場合もあります。痛みがでると治るのに時間もかかってしまいます。虫歯かな?と思ったら出来るだけ早く歯医者さんへいって診てもらってください。早めの治療が歯を長持ちさせることにつながります。
また、知覚過敏でも甘いものにより痛みがでることがあります。ただし知覚過敏の場合は冷たいもので痛みがでることが多いため、それらの痛みもあり、虫歯らしきものが見当たらない場合は知覚過敏の可能性もあります。虫歯かどうかご自身で判断することはとても難しいです。
特に歯と歯の間にできた虫歯などは、歯科医院の明るい光のもとでしっかり見たり、エックス線写真をとらないとわかりません。甘いもので痛みがある場合は一度ご来院されることをお勧めします。
噛んだときに痛みがあるとお食事がつらいですよね。考えられる原因について解説していきます。
噛んだ時に痛む原因は
- 1.むし歯
- 2.根っこの先に膿がたまっている
- 3.歯が割れている
- 4.歯周病
- 5.親知らず
- 6.顎関節症
などが考えられます。
1.むし歯
噛んだ時に痛い原因として中等度のむし歯(C2)や大きなむし歯(C3)が考えられます。
この場合は熱いものを食べたときや甘いものを食べたとき、そして何もしていないときでも痛みがでることがあります。C2の場合は象牙質という部分までむし歯になっています。象牙質は象牙細管という細い管で神経のお部屋とつながっており、噛んで食べ物が入り込むと神経を刺激し痛みがでます。
また、C3は神経までむし歯が到達しているため、触れると痛みがあります。
治療法
麻酔をしてむし歯を削ります。C2の場合は削った後むし歯の大きさに合わせて詰め物をし、C3の場合は神経の治療へとうつっていきます。
麻酔について
治療の際は麻酔が必要です。
当院では痛くない麻酔を心がけています。細い針を使用することで針がささるときの痛みを軽減し、常温の麻酔薬をゆっくりと注入することで歯肉組織にかかる圧を軽減しています。また刺入時の痛みを和らげるために、表面麻酔といって塗るタイプの麻酔や貼るタイプの麻酔も併用しています。
それでも歯科治療は怖い!痛いのが怖くて一歩を踏み出せない!という方もいると思います。当院では普通の麻酔のほかに半分眠った状態でおこなう笑気麻酔や静脈麻酔も行っています。
笑気麻酔
鼻から気体の麻酔を吸い込みます。笑気麻酔をすると酔っぱらったときのようなふわふわとした感覚になり力がぬけた状態で治療をうけることができます。
静脈麻酔
点滴で麻酔を体内に注入します。笑気麻酔より強いためほぼ眠った状態となり治療時のことは覚えていません。治療本数が多い場合や大きな歯科手術のときに行うことが多いです。
どちらの場合も入院などは必要なく、当日お帰りいただけます。治療後にしばらくお休みいただいて問題がないことを確認いたします。服薬中の方や持病をお持ちの方はご相談ください。
2.根っこの先に膿がたまっている
根っこの先に膿がたまっているということは、根っこの先に炎症が起こっているという証拠です。
にきびを押すと痛いですよね。根っこの先に膿がたまっているときも同じで、噛んでぎゅっと力が加わると痛みがでます。
治療法
神経の入っているお部屋をきれいにする根管治療を行います。いわゆる根っこの治療と言われるものです。
根っこの中から膿の袋にアプローチして治していきます。感染源がなくなりきれいになると、膿の袋はなくなります。きれいになったあとは土台をたて、型取りをし、被せものをかぶせて終了です。
3.歯が割れている
歯が割れていたり歯にヒビが入っている場合も噛むと痛みがでます。
特に根っこの治療をした歯は脆くなっているため、噛んだときの力に耐えきれず割れてしまいやすいです。
治療法
割れてしまった歯は残念ながら抜歯になる場合が多いです。しかし、割れてしまった箇所によっては修復して使える場合もありますので、状況をみて治療をすすめます。
4.歯周病
重度の歯周病で歯がグラグラしてしまっている場合、噛んだ時に痛みがでる場合があります。
歯がグラグラしているということは、歯周病により顎の骨が溶けてしまい、根っこの先しか骨に埋まっていない状態になっているということです。
そのため、噛んだ力が支えきれず、歯茎や周りの組織を刺激して痛みがでてしまいます。
治療法
どのくらい歯が残っているかや歯周病の程度にもよりますが、ほとんど骨にくっついていない歯は残念ですが抜歯をおこないます。
まだ骨も一部くっついていて残せる場合は歯周病の治療を行い、お口の中全体の環境を改善していきます。必要に応じて、残っている歯と歯を接着剤やワイヤーで固定し、噛んだときの力に抵抗できるようにしていきます。
5.親知らず
親知らずはとても磨きづらい歯です。
そのため気づかないうちにむし歯になっていることも多いです。また、親知らずが生えようとしているときは歯茎が赤く腫れることも多く、噛んだ時に食べ物があたり痛みを感じることがあります。
治療法
親知らずはかみ合わせにほとんどの場合参加していないため、むし歯ができている場合でもむし歯の治療ではなく抜歯をすることが多いです。
また、親知らずが生えようとしているときの歯茎の腫れは時間がたつとおさまるため、大きな治療は必要ありません。生えるのを待つか、待たずに歯茎を切って抜歯します。
レントゲン写真で親知らずの状態を確認し、お隣の歯を邪魔している場合は早めの抜歯をおすすめします。
親知らずの詳しい抜歯方法については 親知らず をご覧ください。
6.顎関節症
噛んだ時に顎や耳の横、頭が痛い場合は顎関節症の可能性があります。
顎関節症は頭蓋骨と顎の骨の間にあるクッション(顎関節)に異常がある状態です。ひどい場合は口が開かなくなります。
治療法
現在の顎の状態を確認します。
どのくらいお口が開くのか、どのあたりが痛むのかや、顎関節のレントゲン写真などから診察します。顎関節症の治療の多くはマウスピース治療を行います。
マウスピースは噛んだ時の力を逃がし、顎の負担を軽減することができます。顎関節症について詳しく知りたい方は 顎関節症 をご覧ください。
ご来院された場合
ご来院されたらまずお口の中のチェックをします。
噛んだときに痛む部分を歯科チェアの明るい光の下で確認します。お口の中は複雑な環境のため、痛いと思った歯ではない部分が原因だった、ということもあります。レントゲン写真も撮影し、原因となっている部分をしっかりと確認して治療にはいります。
痛みがあるときの治療は緊張することもあると思いますが、歯科医院のスタッフは患者さんの味方です。放置していると治療がどんどんつらくなってしまうので、お早めにご来院ください。
甘いものを食べて痛くなったり、冷たいもの熱いもので痛んだり、噛むと痛かったり、なにもしなくても痛いときは虫歯になっているかもしれません。
歯の病気というと虫歯が思い浮かぶと思いますが、虫歯とは具体的にはどのような状態になっているのかご存知でしょうか。
虫歯とは、虫歯菌が糖を分解してできた酸によって歯が溶かされてしまい、歯に穴があいてしまう状態です。砂糖をとると虫歯になる!と言われているのは、砂糖が虫歯菌の餌になるからなのです。
また、虫歯にはその大きさによって段階があります。
CO
虫歯になる一歩手前の状態です。歯の表面のカルシウムがとけて(脱灰)し、歯が白くにごって見えます。この段階では処置をすることで、溶けだしたカルシウムがもどり(再石灰化)本格的な虫歯になるのを防ぐことができます。
C1
エナメル質まで虫歯が進行した状態です。痛みが出ることはほとんどなく、気づかないうちに進行していきます。虫歯の部分を削って、小さなつめもの(CR)をして治します。
C2
象牙質まで虫歯が進行した状態です。冷たいものや甘いもので痛みがでてきます。中等度の虫歯なので虫歯の部分を削って、その大きさが小さければCR、大きければ金属の詰め物であるインレー・アンレーをいれて治します。
C3
神経まで虫歯が進行した状態です。ここまでくると耐え難い痛みがでることがあります。虫歯を削り、虫歯菌に侵された神経をとってきれいにしなければなりません。神経の治療が終わった後は被せものをして治します。
C4
歯の頭の部分がすべて崩壊した状態です。このころには痛みがでていた時期はすぎ、痛むことはあまりありません。健全な歯がほとんど残っておらず被せものをすることもできないため抜歯になります。
虫歯の治療法
フッ素塗布 | COのときに行います。フッ素を塗布することでフッ素イオンが歯にとりこまれ歯質が強くなります。 また再石灰化を促進し、虫歯を予防することができます。 |
---|---|
CR | C1またC2のときに行います。 白いプラスチックの詰め物で、虫歯を削ったその日に行うことができます。 |
インレー | C2のときに行います。虫歯の範囲が歯の溝の部分にのみ広がっている場合に行います。 セラミックインレーや金属インレーなどがあります。条件次第ではCAD/CAMインレーも可能です。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。 |
アンレー | C2のときに行います。虫歯の範囲が溝の部分を越えて歯の山部分まで広がっている場合に行います。 歯の山部分は大きな力に耐えられる材料でなくてはならないため、セラミックの詰め物や金属の詰め物(銀色、金色)で回復します。 |
クラウン | C3のときに行います。歯のすべてが被せものになります。 セラミックのクラウンや金属製のクラウン、新しく保険適用となった白い強化プラスチックのCAD/CAMがあります。それぞれ利点欠点がありますので歯科医院で詳しくご説明します。 |
神経の治療 | C3のときに行います。 神経のお部屋の中を針状の器具を使用してきれいにお掃除していきます。神経のお部屋は人によって形がさまざまで、枝分かれしていたりととても複雑です。そのためお掃除には数回来院していただきます。 完全にきれいになったら神経のお部屋に詰め物をして、被せものをするための土台をつくり、クラウンの作成にはいります。 |
マイクロスコープ治療 | 当院ではマイクロスコープという拡大鏡を使用した治療もおこなっています。 マイクロスコープを使用するときれいに隙間なく詰め物をすることができます。また、肉眼ではほとんど見えない根っこの細かい部分もしっかりと見ながら治療を行うことができるため、治療の確実性があがります。 |
麻酔について
治療の際は麻酔が必要です。
当院では痛くない麻酔を心がけています。細い針を使用することで針がささるときの痛みを軽減し、常温の麻酔薬をゆっくりと注入することで歯肉組織にかかる圧を軽減しています。また刺入時の痛みを和らげるために、表面麻酔といって塗るタイプの麻酔や貼るタイプの麻酔も併用しています。
それでも歯科治療は怖い!痛いのが怖くて一歩を踏み出せない!という方もいると思います。当院では普通の麻酔のほかに半分眠った状態でおこなう笑気麻酔や静脈麻酔も行っています。
笑気麻酔
鼻から気体の麻酔を吸い込みます。笑気麻酔をすると酔っぱらったときのようなふわふわとした感覚になり力がぬけた状態で治療をうけることができます。
静脈麻酔
点滴で麻酔を体内に注入します。笑気麻酔より強いためほぼ眠った状態となり治療時のことは覚えていません。治療本数が多い場合や大きな歯科手術のときに行うことが多いです。
どちらの場合も入院などは必要なく、当日お帰りいただけます。治療後にしばらくお休みいただいて問題がないことを確認いたします。服薬中の方や持病をお持ちの方はご相談ください。
虫歯は放っておいても治ることはありません。また、小さい虫歯だと思っていても中まで広がっている場合もあります。痛みがでると治るのに時間もかかってしまいます。虫歯かな?と思ったら出来るだけ早く歯医者さんへいって診てもらってください。早めの治療が歯を長持ちさせることにつながります。
口が開けにくい!あごが痛い!などと感じたことはありませんか。
もしかしたら顎関節症かもしれません。顎関節症について説明していきます。
顎関節症とは
顎関節症とは、口が開きにくかったり、口を開けるとカクッと音が鳴ったり、あごが痛かったり…といった症状がある顎関節の病気です。
病気というと怖いですが、痛みはないけれど口を開けると音がする、という方はたくさんいらっしゃいます。特に若い女性に多いのが特徴です。痛みがなく、日常生活で困らない場合は治療は必要ありません。実際に治療が必要となるケースは少ないです。
しかし痛みが続いたり、あごがあまり開かず食事がつらいなどの場合は歯科医院を受診してください。また、顎関節症の症状は親知らずの炎症や、顎関節リウマチ、ディスキネジア、筋突起過形成症、顎関節付近にできた腫瘍など、他の多くの疾患でみられる症状と似ています。
それらの疾患ではない場合に初めて顎関節症と診断されるため、病院で検査をうけてみてください。
顎関節症かも?顎関節症の症状
- あごからカクッと音がする
- 口が開けにくい
- あごが痛い(安静時は痛みがない)
- あごの周りの筋肉を押さえると痛い
顎関節症の診断
エックス線写真を数枚(お口と顎関節がうつる写真、口を閉じているときと開いたときの顎関節部をアップにした写真)撮影します。
顎関節症の場合あごの関節部にあるクッション(関節円盤)が原因です。その部分を確認していきます。
顎関節症はあごの中で何がおこっている?
頭蓋骨と下あごの骨(下顎頭)の間には、あごを動かすときに痛みなくスムーズに開閉口するために、クッションの役割をはたす関節円盤があります。
この関節円盤は下顎頭の上にのっており、通常お口を開け閉めするとき下顎頭と一緒に動きます。しかし顎関節症の場合、この関節円盤が変形して前のほうにずれてしまっています。そのため、あごを開けて下顎頭が前に動くとき、関節円盤の上を下顎頭がグっと乗り越えることでカクンと音が鳴ります。
そして、関節円盤の変形が強くなると、下顎頭が関節円盤を乗り越えることができなくなり口が大きく開かなくなります。あごがうまく開け閉めできなくなるとその周辺の筋肉もうまく動かなくなり、痛みがでてしまいます。
顎関節症の原因
顎関節症はさまざまな要因がくみあわさって発症するとされています。
- ストレス
- 咬合不良
- TCH(常に噛んでいる状態)
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 外傷
- 片側での噛み癖
- うつぶせで寝る
- 頬杖
etc…
このようにたくさんの要因が混ざり合って発症します。
顎関節は他の身体のどの部分にも存在しない、骨と骨がぶらぶらとした状態で存在する珍しい関節です。とても繊細なつくりのため、上記のような負担がかかってしまうと悪くなってしまいやすいのです。
また、矯正治療などでかみ合わせが変わったあとに顎関節症になる方もいらっしゃいます。身体は順応性があるためこの場合はしばらくすると症状が治まる方がほとんどです。
治療法
1.顎に負担のかかる習慣・癖をなくす
片側ばかりで噛む癖や頬杖、うつぶせで寝るなどの癖がある方はまずはなるべくそれらを行わないように気をつけてすごしていただきます。
2.スプリント
スプリントという硬いマウスピースを作成します。これをはめていただくことで、歯の接触を減らしあごの負担を減らします。夜間寝ている間にはめてもらう場合が多いですが、日中にも食いしばりをしている方は、日中もはめていただくことが可能です。
3.痛み止めの処方
痛みが強い方は痛み止めも併用します。
4.あごを開ける訓練
あごが開かない方は、痛みが和らいできたころから口をあける訓練を開始します。あごは正常な場合、約40センチあけることができます。40センチはだいたい指3本分です。ご自身でも確かめられるので試してみてください。まずは40センチ以上開けられるように訓練をしていきます。
5.バンピングマニュピュレーション
痛みが強く、またあごの硬直がひどい場合は顎関節に注射をおこないます。当院ではこの処置が必要な方は大学病院の口腔外科をご紹介しています。
治療期間
顎関節症はたくさんの要因が複雑に絡み合っておこります。そのため治療期間は人によってさまざまで、長くかかることもあります。治療終了時の目標は、痛みなく正常範囲の開口ができるようになる(40センチ以上)ことです。変形してしまった関節円盤はもとの形に戻ることはないため、カクンという音が完全になくなることはあまりありません。顎は一生使っていきます。無理せずつきあっていくことが必要です。
どこでみてもらえる?
顎関節症は歯科医院で対応しています。顎関節症の治療をおこなっていないところもありますが、その場合は大学病院に紹介されます。
大学病院では歯科の中でも口腔外科が対応することが多いです。本院ではマウスピースによる顎関節症の治療をおこなっています。気になる方はご相談ください。
あごが突然あきにくくなったり食べづらいととても不便ですよね。
特に痛みがある方は我慢せずに歯科医院を受診してみてください。
皆さんはエナメル質形成不全という言葉を聞いたことがありますか?約5人に1人ほどの割合でみかけることのある歯の疾患です。
どのようなものなのか、原因や処置に関して説明していきます。
https://dentalhavenwi.com/tpn/c/C1010/img/enamel-3-what-causes-enamel-hypoplasia.PNG
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エナメル質形成不全とは
お子さんのお口の中を見て、写真のような歯になっていたらひどいむし歯になってる!?とびっくりしてしまいますよね。
実は写真の茶色い歯はむし歯ではなく、エナメル質形成不全歯です。むし歯とは別物です。そのため痛みなどはありません。
エナメル質形成不全とは歯の一番外側にあるエナメル質という部分がうまく作られず、その下の象牙質という部分がむき出しの状態になってしまう状態をさします。
象牙質の色が黄色をしているため写真のような見た目になります。形成不全の程度によって見た目も少し変わってきます。形成不全は乳歯でも永久歯でもみられます。
原因
原因は胎内での栄養不足や代謝異常による生まれつきのものと、外傷や乳歯のひどいむし歯により永久歯の発育に悪影響が及んでしまう後天的なものがあるといわれています。
しかしわかっていないことも多く、乳歯がエナメル質形成不全だったから永久歯も形成不全になるとは限りません。そのためひどいむし歯にならないようにすること、大きな外傷を避けることが重要です。
注意点
エナメル質形成不全でもっとも気をつけていただきたいのがむし歯です。
エナメル質という歯の最も硬く丈夫な部分がありませんので、当然のことながら虫歯菌に弱くすぐにむし歯になってしまいます。また進行も早いため小さなむし歯でもすぐに対処する必要があります。
定期健診に通い、むし歯になっていないかのチェックが大事です。
処置
形成不全の方には見た目が黄色く気になるという方もたくさんいらっしゃいます。
治療としてはむし歯でない限り特別な処置は必要ありませんが、見た目の回復をおこなうことができます。基本的には乳歯の形成不全に対して被せものをしたりすることはありません。生え変わりで抜けてしまうからです。
永久歯の形成不全に対してはきちんと生え終わるまでまってから被せものの処置を行います。保険適応のものから自費にはなりますがご自身の歯と見分けがつかないくらいきれいな被せものまでありますので、歯科医師と相談して決めていきましょう。
お口の中は暗くて見えづらい上に、形成不全とむし歯はプロでないと見分けがつかないと思います。もしかしたら…と思ったらぜひご相談ください。
何もしてなくても歯が痛いととても辛いし不安ですよね。考えられる原因と治療法について解説していきます。
何もしてなくても痛む原因は
- 1.重度の虫歯(C3)
- 2.根っこに膿がたまっている
- 3.歯根膜炎
などが考えられます。
1.重度の虫歯(C3)
虫歯の大きさには段階があります。
C3は神経まで虫歯が達してしまった、とても大きな虫歯をさします。画像の濃い赤色の部分が神経の通っているお部屋です。
神経まで虫歯菌に侵されてしまうと神経が炎症をおこし(歯髄炎)何もしていなくてもズキズキをした痛みがでてきます。
治療法
麻酔をして虫歯の部分をとりのぞきます。神経も虫歯菌に侵されてしまっているので、神経をとる処置をして神経のお部屋をきれいにしていきます。感染源が取り除けたら土台を立てて被せものをします。
汚染された歯質と神経をとり→神経のお部屋をきれいにし→土台をたてて→被せものの型取りをして→被せものをかぶせる という工程をふみますので、治療終了までには最低4回以上かかります。神経のお部屋は複雑な形をしており感染源が残りやすいです。
残ったままにしてしまうと中からむし歯が広がったり再発してしまうため、神経のお部屋をきれいにする処置は時間がかかることもあります。一緒にしっかりと治していきましょう。
2.根っこに膿がたまっている
C3のむし歯がさらにすすんだ状態です。身体が菌を追い出そうと戦っている証拠として膿がでてきます。
膿は根っこの先にたまり、出口を求めて歯茎の方へと広がっていきます。歯の周りにはあごの骨などがあり隙間がないため、膿の袋ができ始めていると膿の袋が周囲の組織を圧迫してズキズキとした痛みが出ます。
レントゲン写真を撮ると、歯の根っこに黒い影がうつります。
治療法
C3の場合と同じように神経のお部屋のお掃除が必要です。
治療の過程はC3の場合と同じですが、C3の場合よりも虫歯菌による汚染がひどいため治療には長い時間がかかることが多いです。
神経のお部屋がきれいになること、歯茎の腫れがひくこと、痛みがなくなること、レントゲン写真の透過像がなくなることなどが治った印です。
3.歯根膜炎
歯根膜というのは歯の根っこと歯茎をつないでいる組織です。
噛んだ時の圧力を感知する、とても重要な役割を果たしている組織です。かみ合わせが悪い方の場合、噛んだ時に歯周組織に負担をかけてしまい、歯根膜に炎症がおこってしまいます。これが歯根膜炎です。
手でも足でも、指でぐーっと押すと痛いですよね。噛んだ時のあたりが悪く、一か所にぐーっと力が偏ってしまい痛むということがお口の中でおこっていると想像してください。
むし歯もなく歯茎の腫れもない場合歯根膜炎である可能性が高いです。歯根膜炎の場合は噛んだ後に何もしていなくてもしばらく痛みがつづく、といった症状がでます。
治療法
かみ合わせの状態にもよりますが、まずは咬合調整をおこないます。
かみ合わせの位置を記録することのできる薄い紙をカチカチと噛んでもらい、現在のかみ合わせを記録し診断します。本来ならばあたらないで良いところや、強く当たりすぎている場所がわかるため、その部分を削って調整します。歯並びが悪く、咬合調整で改善できない場合は歯科矯正をすすめる場合があります。このような咬合による歯根膜炎を咬合性外傷と言いますが、放っておくと歯がグラグラとしてきます。
痛みの観点からだけでなく、かみ合わせはとても重要なのです。また、歯ぎしりや食いしばりも歯根膜炎をおこす原因となります。歯ぎしりや食いしばりがひどい方にはマウスピースをしていただき、歯にかかる負担を軽減します。
痛み止めの服用について
歯科を受診するまで待てない!痛みが強くてどうしようもない!という方は市販の痛み止めを服用していただいても大丈夫です。
ただし応急処置にすぎないので、早めに歯科医院を受診してください。また、痛み止めを服用してから来院されても大丈夫です。
薬局で買える痛み止め一例
バファリン | たくさんの種類があり、痛みに効く成分として小児用のものにはアセトアミノフェン、大人用にはイブプロフェンやアスピリン、ロキソニンが含まれています。 |
---|---|
イブ | 痛みに効く成分としてイブプロフェンが配合されています。 |
ロキソニンS | 名前の通り、痛みに効く成分としてロキソニンが配合されています。 |
他にもありますが、よく耳にする市販薬の例をあげてみました。それぞれ他の薬との飲み合わせや、妊婦さんにはよくない、腎臓が悪い方にはよくない、など注意事項がありますので、お近くの薬局できちんと相談して購入することをお勧めします。
いずれの場合も“何もしてなくても歯が痛い”という場合は重症のことがほとんどです。
痛み止めで痛みをごまかし放置してしまうと歯を抜歯しなくてはならなくなったり、治療期間が長引いたり、治療のときに痛みが伴ったりします。なるべく軽症なうちに一緒に治していきましょう。
歯が抜けてしまったり抜歯をして歯がなくなった部分を補う方法には、ブリッジ、入れ歯そしてインプラントがあります。
インプラント治療も最近ではCMでも耳にしますし、以前よりポピュラーな選択肢となりました。
インプラントとは
インプラントとは、歯がなくなった場所に人工の歯根を顎の骨に埋め、その上に土台と被せものをしたもので、歯をすべて人工のもので作り直したような構造をしています。
顎の骨で噛む力を負担するので‘噛みやすい’というのが特徴です。第二の永久歯といわれているほどです。
人工の歯根は身体との親和性が高いチタンでできており、よく「金属製のネジ」と表現されます。顎に金属製のねじを埋め込むために手術が必要となるため、治療期間は他の治療よりも長くかかります。また、手術をするためのさまざまな検査、実際の手術、精密な人工の歯根(インプラント)・土台(アバットメント)・被せものが必要なため、治療は高額になります。
インプラントのもう1つの大きな特徴は‘歯を削らなくてよい’ということです。ブリッジは両隣の歯を大きく削らなくてはなりませんし、入れ歯も金具をひっかける部分を削る必要があります。周りの歯への負担がなく、残っている歯を傷つける心配がありません、
〇インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
インプラント | ブリッジ | 入れ歯 | |
---|---|---|---|
噛みやすさ | ◎ | 〇 | △ |
見ため | ◎ | 〇 | △ |
歯を削る量 | ◎(削らない) | ×(両隣の歯を大きく削る) | △(金具をかける部分を少し削る) |
手術 | あり | なし | なし |
治療期間 | 長い | 短い | 短い |
取り外し | 歯科医院にて取り外し可能 | 不可 | 可能 |
費用 | 自費 | 自費・保険 | 自費・保険 |
〇インプラントを検討しているが手術が怖い
インプラントの手術は歯茎を切って骨を出、骨にインプラントを埋め込み、歯茎を縫い合わせます。
このように聞くと大がかりで痛そう、腫れそうと感じるかもしれませんが、痛みや腫れは親知らずを抜くときと同じくらいです。痛みも通常は処方された痛み止めで治まる程度です。手術の3日後くらいが腫れのピークで1週間後くらいには抜糸を行います。
手術が怖いという方には静脈麻酔を行い、半分眠ったような状態で手術を行うこともできます。術中軽い受け答えはできても、治療中の記憶はなくなるため怖さもなく治療をうけることができます。
〇治療の流れ
大まかな治療の流れを説明します。手術には1回法と2回法という2つのやり方があります。
インプラントはあごの骨に埋めてから3~6か月で骨とくっつきます。インプラントと骨がしっかりとくっつくことが重要なため、くっつくまではインプラントに力がかからないようにする必要があります。
2回法はインプラント体を骨の中に埋めたあと、歯茎でしっかりと覆います。インプラント体と骨がくっついた後、インプラントの頭を出し土台をつける2回目の手術が必要です。
これに対し1回法は最初の手術でインプラント体を埋めたあと、土台をつけた状態で歯茎を閉じます。つまり歯茎からパーツが出た状態になります。そのため外部からの力がかからないように注意したり、感染しないように気を付ける必要があります。
どちらの方法がよいかは検査をした後に判断し、インプラント治療の計画をご説明する際に一緒にお話しします。
今回は治療工程が多い2回法で流れを説明します。
↓
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インプラントをするためには十分な骨がないとできません。
顎の骨が十分にない場合は骨造成という骨を増やす処置を別で行ったり、インプラント手術と一緒に行ったりします。これらは個人個人のお口の状態でいるかいらないか、いるならばどの方法が適しているかが異なってきます。
CT検査で骨の状態を検査したあと、埋入のシミュレーションを行います。シミュレーション画像はご説明する際に一緒に見ていただきますので、どのような状態でインプラントが入るのかを想像してもらいやすいと思います。
〇インプラント治療後のメンテナンスについて
インプラントは入れて終わりではありません。歯をしっかり磨けていないと歯周病になりますが、インプラント部分が磨けていないとインプラント周囲炎になってしまいます。
インプラント周囲炎は簡単に言うと歯周病のインプラント版です。磨き残しがたまることで細菌が増殖し、歯茎は腫れ、インプラントを支えている骨は溶け、最終的にはインプラントがグラグラしてきて抜けてしまいます。
また、インプラント周囲炎予防だけでなくかみ合わせのチェックも定期的に行う必要があります。インプラントと歯の大きな違いは歯根膜という組織の有無です。歯根膜とは歯と骨をつなぎ、噛む力を感知する大事な組織です。インプラントにはこの歯根膜がないため、強すぎる力で噛んでしまった際に気づくことができないのです。いくらでもガンガン噛めてしまうため、かみ合わせをチェックしないと不調がでてきてしまいます。
そのほかにもインプラントのネジが緩んでいないか、などもチェックします。ここでいうネジはインプラント本体のことではなく、被せものと土台を連結している小さな小さなネジのことです。このネジは強く噛みすぎていた場合などにゆるんでくることがあります。緩んでくると被せものがグラグラしてきてしまうので、しっかりとしまっているかの確認も行います。せっかくいれたインプラントを長く使うためにも、1か月~3か月に1回のメンテナンスが大切です。
芸能人みたいな真っ白で、きれいな歯って憧れますよね。
あなたの気になる歯の黄ばみは全体的でしょうか、それとも部分的でしょうか。
それぞれの場合で原因と対処法が異なりますのでご説明していきます。
〇全体的に気になる方
歯が全体的に黄色くなっている原因として大きく3つ考えられます。
- 1.着色
- 2.生まれつき
- 3.加齢
1.着色
黄ばみが気になって来院された方で一番多いのが、着色による黄ばみです。
たばこやコーヒー、赤ワイン、カレーなどの色素が歯の表面に付着・蓄積することで、歯が全体的に黄ばんできます。また、磨き残しによる歯の汚れ(歯垢)は薄い黄色をしているので、歯垢がたまっている場合も歯が黄ばんで見えます。
対処法
正しい歯磨き
着色の場合は、付着した色素を除去することで歯を白くすることができます。
最も手軽で簡単なのは正しい歯磨きを習得することです。毎日きちんと歯を磨いている方でも、正しく歯を磨くのは実はとても難しいことです。歯科医院で正しい歯の磨き方をマスターし、色素が付着し続けるのを防ぐことが大切です。また歯科医院でプロにクリーニングをしてもらうことで白くなることもあります。
人によって着色のしやすさ、歯茎の状態は異なりますので、使用したほうがよい歯磨き粉の種類なども違います、来院した際に気軽に相談してみてください。
ホワイトニング
着色がすすむと歯磨きでは落ちない黄ばみになっていきます。
その場合にはホワイトニングといって、お薬の力を使って歯を白くしていきます。ホワイトニングには、歯科医院で行う方法のオフィスホワイトニングとご自宅で行う方法のホームホワイトニング、歯科医院とご自宅の両方で行うデュアルホワイトニングがあります。
当院では上記の3つを行っております。それぞれの違いについては 当院のホワイトニングについて をご覧ください。
2.生まれつき/3.加齢
歯の色は人によってさまざまです。
一般的に西洋人のほうが日本人に比べ、歯が白いといわれています。また、大人の歯ができる過程で形成不全をおこし黄色くなっている場合や、加齢により歯の厚みが変わることでだんだんと黄色く見える場合があります。
対処法
被せもの
上記の原因による黄ばみは歯磨きやホワイトニングでは改善できません。
そのため上から被せものをすることで白くしていきます。被せもので歯を白くする際は、虫歯の治療で被せものをするときと同じように、歯を削ってから型とりをして被せものをつくります。費用や治療期間、被せものの種類などの詳しい説明は 当院で行っているセラミック治療について をご覧ください。
〇部分的に気になる方
歯が部分的に黄色くなっている原因として大きく3つ考えられます。
- 1.歯の神経が死んでいる
- 2.詰め物が変色している
- 3.被せものの色があっていない
1.歯の神経が死んでいる
歯の中心には神経が通っています。
この神経は普段エナメル質という硬い組織で守られていますが、転んでぶつけたり大きな虫歯ができたりした場合には、その刺激によって失活(死んで)してしまいます。その場合、歯の内側からだんだんと色が変わってしまいます。
対処法
上記のように、この場合の変色は歯の中が原因なので、歯磨きや一般的なホワイトニングでは白くすることができません。
死んでしまった神経の治療をして中からきれいにお掃除し、後で被せものをして白くしていきます。
2.詰め物が変色している/3.被せものの色があっていない
小さな虫歯を治療した場合にはCRというプラスチックの詰め物をおこないます。
この材料は経年的に着色することがあります。また被せものも、保険診療で行われるものは時間がたつと黄色くなり、ご自身の歯と差がでてきてしまうことがあります、
対処法
詰め物の色があってない場合は、古い詰め物をとって新しくやりなおします。
また、被せものの色があっていない場合も現在の被せものをはずし、あたらしく作り変えることができます。古い詰め物や被せものを外してみると、見えない隙間から虫歯になっている場合が多くあります。当院ではなるべく隙間ができないように、また詰め物とご自身の歯の色がきれいになじむように、マイクロという拡大鏡を使用た治療も行っています。
詳細に関しては 当院のマイクロ治療に関して をご覧ください。
ちなみに、最近では、ご自宅で重曹を使って黄ばみをとる方もいらっしゃるようですが、重曹は歯の黄ばみをとるには表面を傷つけてしまうためおすすめしません。また、たくさんの歯を白くする製品が薬局などで簡単に手に入れることができるようになりました。そしてその種類も豊富です。とても手軽で魅力的ですが、それらの商品では虫歯や歯周病などの、現在お口に潜んでいる問題を解決することはできません。
また、どのような方法でも、白さを保つには正しい歯のお手入れ方法を習得する必要があります。黄ばみで悩んでいる方は一度歯科医院で相談してみてください。
歯周病の治療はポケット退治!
歯周病の治療と聞いて想像するのは、歯磨き指導・歯石とり・プロによる口腔清掃だと思います。これらの治療を行うのは、深い歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)をなくすため。歯周ポケットは正常な歯茎にも存在しますが、その深さは2~3ミリです。ところが歯周病になると、細菌によっておこる炎症のせいで歯周ポケットの深さは4ミリ以上へとどんどん深くなっていきます。深い歯周ポケットは、炎症によって腫れ・出血をひきおこし、歯磨きで汚れが取りづらく炎症がさらに悪化する…という悪循環を引き起こします。さらに炎症は歯茎だけでなく歯を支える骨まで広がり骨を溶かしてしまうため、歯周病を放置すると最終的には歯が抜けてしまうのです。炎症を食い止めるためには深くなった歯周ポケットを浅くして、炎症を取り除くことが必要なのです。
歯周外科が必要な歯周病って?
先ほども記載したように、歯周病の治療ではまず『歯磨き指導・歯石とり・プロによる口腔清掃』を一通り行います。これを歯周基本治療と呼びます。歯周外科が必要な歯周病とは、ずばり、『歯周基本治療を行ったあとに4ミリ以上のポケットが残っており、検査時や歯磨き時に出血する場合』です。ただし、例えば歯周基本治療後に4ミリのポケットが残っていたとしても炎症が落ち着いていると考えられる場合は歯周外科を行わない場合もあります。ある論文では6ミリ以上のポケットは歯周基本治療(SRPという歯石とり)よりも歯周外科が効果的だったという結果がでています。*1
そのため6ミリ以上のポケットがある場合は歯周外科が必要かもしれない!と頭の片隅で思っていても良いかもしれません。
*1 Lindhe J, Socransky SS, Nyman S, Haffajee A, Westfelt E: “Critical probing depths” in periodontal therapy. J Clin Periodontol, 9: 323-336, 1982.
歯周外科ってどんなことをするの?
歯周外科では歯茎を開いて、根っこにくっついている歯石を目視で確認してきれいに取り除きます。歯周基本治療でもSRPと言って、根っこについた歯石をとる処置をおこないますが、この処置は目で見ることができないため細かい部分まではとりきれません。歯周外科ではSRPではとりきれない歯石を取り除き、根っこの表面をきれいに整えて、炎症を引き起こす原因をなくすことができます。そのほかにも歯周外科では、溶けてしまった骨を再生したり、歯茎が下がって見えてしまった根っこを元にもどす歯肉移植、歯ブラシが歯茎にあたって痛い方にはあたっても痛くない角化歯肉を増やすなど、さまざまな処置をおこなうことができます。
歯周外科と聞くと何だか大ごとで恐ろしく聞こえてしまうかもしれませんが、歯周外科という選択肢は歯茎の中は目に見えない世界を見えるようにし、さらに普段の治療では行うことのできない再生治療などをすることができるため、歯周病という慢性疾患に対してもとても有効です。必要な方にはご説明させていただいておりますが、ご自身でも気になる方はお気軽にご質問ください。
インプラントはブリッジや入れ歯にもなる?!
インプラント治療は歯を失ってしまった場合の治療法の1つです。歯がなくなった場所にネジを埋め込み、人工の歯を作るというものであることも浸透してきました。インプラント=歯のかわり のイメージがあるため、『歯が1本なくなってしまったらそこにインプラントを1本埋める…私は歯が3本ないから、インプラントをしたいけど3本もインプラントをうめないといけないのか…』と考えている方もいるかもしれません。確かに以前は「1本のインプラントで1本の歯の代わりをする」治療が行われてきました。しかし現在では治療技術や製品の発展により、数本でたくさんの歯の代わりをすることができるようになっています。
インプラントブリッジ
本来ブリッジとは歯がない部分の両隣の歯を削って土台とし、間に人工の歯をつくる治療法です。ブリッジでは1本以上の歯の代わりをする場合もあります。実はインプラントでもブリッジのように数本の歯の代わりをすることができます。ブリッジとの違いは、土台を残っている歯にするか人工のネジにするかです。3本歯がないから3本インプラントを埋めないといけない、と決まっているわけではなく土台となる2本のインプラントを埋めて、3本分の歯をつくることができます。歯がない場所や本数によって埋めるインプラントの数は変わってきますが、歯がたくさんない人ほどインプラント治療の幅は広がるとも言えます。
インプラントデンチャー
入れ歯は金具をつかって入れ歯を固定したり、あごの骨にぴったりとはめることで使用することができます。そのため固定源が得られにくく動きやすいので噛みづらさを感じる方もいるかもしれません。インプラントデンチャーは顎の骨にインプラント、入れ歯側にインプラントにはまる金具を埋め込むことによって、ガチっとした動きづらい入れ歯にする方法です。入れ歯に埋め込む金具にはいくつか種類(マグネット、バー、ボール、キャップなど)があります。
また、歯が1本もないという方でも、入れ歯のように取り外し式ではなく、固定式にすることができるのがインプラントの強みです。この場合もブリッジの部分で記載したように、歯1本に対してインプラント1本埋める必要はなく、4~6本のインプラントで片側の歯すべてを支えることができます。
全身疾患とインプラント治療
インプラント治療は手術が必要です。手術といっても日帰りで行うことができ、親知らずを抜くのと似たようなものと考えてもらえれば大丈夫です。しかしながら、一度にたくさんのインプラントを埋める方は負担も増えますし、全身疾患がある方や服薬状況によってはインプラント治療自体を進められない場合もあります。ご自身の体調が優先ですので、かかりつけの医師と連携をしながらインプラント治療が可能か、またインプラント治療が適しているのかを判断していきます。下記にインプラント治療ができない場合がある方を記載します。
△インプラント治療(インプラントは場合によってできないことがあります)
- ・高血圧
- ・糖尿病
- ・骨粗鬆症
- ・心臓疾患などの循環器系疾患
- ・ぜんそくなどの呼吸器疾患
- ・腎臓や肝臓の機能不全
×インプラント治療(インプラントはオススメしません)
- ・病気ではないですが、妊娠中の方
- ・骨成長の途中である10代の方
満足のいく治療を受けるために
インプラント治療に限ったことではありませんが、この治療を受けてよかった!と満足するためには患者さんと歯科医師の間で目指すゴールが一致していることが重要です。
お口の治療は①見た目②機能面③治療期間(スピード)④費用⑤メンテナンスなど治療後のケア と、たくさんのポイントがあります。まずは、ご自身が求める条件に最もあう治療法を話し合い、治療法が決まったあとはどのように進んでいくのか、それぞれのポイントについてしっかりとお互いが把握することが必要です。そのため、さこだ歯科では治療計画や相談に力をいれています。治療前にしっかりと説明を行うようにしておりますが、人によって歯科知識は様々なため、説明が足りないなと感じる方もいらっしゃる方もいるかもしれません。そのような場合は遠慮なく、わからないことはご質問いただければと思います。また、患者さん側も「お医者さんの言った通りでいいや」ではなく、一緒に治していく!という気持ちで臨んでいただけると納得のいく治療へと近づいていきますので、まずは気軽に気になることをご相談ください。
歯科治療の費用は治療内容によって異なります。簡単な処置から複雑な手術まで幅広い範囲がありますので、具体的な費用については歯科医院に直接相談することをおすすめします。
料金表のページをご用意していますのでご参考ください。