tooth decay

むし歯診療案内

むし歯とはどういうものか、むし歯の進行について等を詳しく解説します。


むし歯とはどういうもの?

歯が傷む、むし歯かも?という方へ。

むし歯とは、口腔内にいる細菌が出す酸によって歯が溶かされてしまう病気のことです。

歯科検診でよく耳にする C1,C2,C3,C4というのは、歯に穴が空いてしまっていることを示し、その進行度合いによって1から4に分類されます。

痛みが出てくるまで自覚症状が少なく、気づきづらいのも特徴です。

なお、原因は一つではなく、清掃状態や、飲食の回数、歯並び、唾液の分泌量など複数の要因が影響しあっています。

むし歯の進行

むし歯の進行度合い、C0,C1,C2,C3,C4とは

C0:初期のむし歯

初期のむし歯のことを言います。

歯にまだ穴は空いておらず、『白濁』といって他のところよりも濃い白色になっている状態を指します。

この場合、歯に穴は空いていませんが、歯自体は大変脆くなっており、むし歯に進行しやすい状態です。

治療は特に行われず、フッ化物の塗布を行うことで、歯自体を強くしていきます。歯科医院でのフッ化物塗布以外にも、フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、おうちでもむし歯の進行を抑制することが可能です。

ドラッグストアや歯科医院で歯磨き粉を買う際は、フッ素濃度 1450ppm と記載されているものをお勧めします。


C1:完全にむし歯

C1 では、完全にむし歯になっています。

歯に小さく穴が空いている、或いは歯が黒くなっている状態です。

症状としては、無症状か冷たいものがしみる程度で、自分で気づくことが難しく、定期検診で発見されることが多いです。むし歯の部分を削り取り、プラスチックレジンを詰める治療を行います。

治療自体は 1 日で終了しますが、『歯を削ってみたら思いの外むし歯が大きかった』なんてこともあり、その時はまた一つ次の治療を行います。


C2:大きいむし歯

また一つ大きいむし歯の段階です。

見た目は C1 と同じか、それよりも範囲が大きくなっています。何もしなくても痛みを伴い、冷たいものを食べるとしみる症状があります。

幸いにも、細菌が神経を侵してしまう前の段階なので、歯を生きたまま残すことができます。むし歯の部分を削り取るのは同じですが、前回と異なる点は、範囲が大きくなるためプラスチックレジンでは補いきれないということです。

噛み合わせには、想像より大きな力がかかっており、範囲が広くなるとプラスチックだけでは噛み合わせの際に割れてしまう可能性が高くなってしまうんです。

その代わりに金属やセラミックが使用されます。削った穴を型取りし、形に合わせた金属やセラミックを接着します。作成には一週間ほどお時間いただきます。

治療はむし歯を削って型取りをする回と、金属やセラミックを接着する回の2回で終了です。

C1 同様、こちらも削ってみるとむし歯が大きかったということもあります。


C3:神経まで到達

先ほどよりもむし歯が大きく、歯の神経まで到達しています。

酷く痛みを伴い、冷たいものではなく温かいものに痛みを感じます。歯の神経が細菌に侵されてしまっているので、神経を抜かなければ痛みは引きません

『酷く痛みが続いていたけど、痛くなくなった』のようなものは、神経が完全に死んでしまっている可能性が高いです。すぐに歯科医院へ行ってください。

神経を抜き、歯の中を洗浄消毒を繰り返し、神経の代わりとなる土台を入れることになります。治療は4回以上かかるとみておきましょう。

神経を抜いた歯は、死んでしまった歯とも言えるので、生きている歯より脆く、かけたりヒビが入りやすいです。

前回までは詰め物でしたが、ここからは被せ物になることがほとんどです。


C4:一番大きいむし歯

一番大きいむし歯で、歯の根っこしか残っていない状態です。

神経は死んでしまい、痛みすら感じません。歯がないように見えたり、大きく穴が空いているように見えます。

ここまで来ると歯として機能させることは難しいので、歯自体を抜くことになります。

歯を抜いたところには、代わりに入れ歯やインプラントを入れて噛み合わせを作ってあげます。


むし歯の治療方法

保険

むし歯を取り除き、銀歯やプラスチックを詰めていくのが保険の範囲での治療方法です。

銀歯やプラスチックの耐久性は 5、6年で、劣化により隙間からむし歯になったり、詰め物が外れてしまう可能性が出てきます。

保険治療は、あくまでも今あるむし歯をなくすことが目的です。

自費

むし歯を取り除き、詰め物にセラミックを使用する治療方法です。

見た目も白く綺麗で、物によっては詰めていることがわからないようなものもあります。

耐久性があり劣化も少なく、保険治療の場合に出てくるやり直しのリスクを大幅に減らすことができます