診療体制
篤志会の歯科医院(さこだ歯科、さこだ歯科ケアクリニック、キラメキテラス歯科)では、現在3名の診療放射線技師が在籍しています。
放射線を照射(撮影など)することができるのは、医師、歯科医師と指示を受けた診療放射線技師のみと「診療放射線技師法」という法律で、定められています。
診療放射線技師は、歯科医師、歯科衛生士と同じ国家資格ですが、全国の一般診療所に勤める診療放射線技師の数は約8700名ほどしかいないとされています。(H26年厚労省)
正確なレントゲン写真を撮影することは診療方針を決定する上でとても重要になっています。
レントゲン写真は、一般的には歯科医師が撮影を行っている歯科医院がほとんどだと思います。
放射線技師によるレントゲン撮影
さこだ歯科では診療放射線技師がレントゲン撮影を対応しています。
診療放射線技師が撮影を行うメリットとしては、患者様に合わせた撮影条件で撮影を行うことで、被曝の低減に努めて撮影を行うことができます。
また、当医院はモリタ社の撮影装置を使用しています。
パノラマ撮影(顎を含めたお口の全体的なレントゲン)については成人の方と小児では違いがあり、お子様や顎の小さい患者さんの場合、撮影範囲を小さくし、照射線量を低減して撮影を行います。
パノラマ撮影以外の各撮影についても解像度も高く、患者様の診療目的に合わせた撮影を行っています。
検査機器
- Veraview X800……………3台
- DIGORA Optime e………3台
- max ix Type2……………3台
当院で行う撮影で分かることは以下の通りになります。
口内法X線検査(デンタル画像)
お口の中にフィルムを入れて撮影を行い、画像には3~4本の歯が映し出されます。
この撮影で分かることは以下の3点です。
虫歯の進行状態、隣り合っている歯と歯の間の虫歯の確認
お口の中の状態を確認する時に虫歯の状態も確認します。ただ、視診だけでは虫歯があるのか、またどの程度進行しているのかを正確に判別することができない場合があります。
そのような時は部分的なレントゲンの画像を用いて確認します。
根管治療時に根充後、薬が根尖まで入っているかどうかの確認
歯の根っこの治療(根管治療)終わった後、お薬が根っこの先まで入っているかの確認のためにデンタル撮影を行います。
根っこの治療の後のデンタル画像には細い根の管が白く映し出されます。
お薬が根っこの先まで詰まっているかという治療過程を知る上で重要です。
歯周病の進行状態、インプラントが入れてある骨の状態確認
デンタル画像では歯槽骨の吸収具合も知ることができます。歯周病が進行すると歯槽骨が吸収してしまいます。
このことから歯周病の進行度合を知ることができます。また、インプラントの周りに炎症が起こっていないかの確認もできます。
パノラマ撮影
歯の並び方や顎を含めた全体的な画像を撮影することができます。顎の関節や鼻の骨の一部も映し出されます。
撮影するときには、患者さんの頭の周りを装置がぐるっと回ります。
パノラマ撮影は以下の場合に撮影されます。
お子さんの歯の生え変わりの状態、先天性欠如歯の確認
お子様の永久歯が生えてきていない場合、パノラマ撮影を行い、確認を行います。
永久歯がまだ生えていない状態でも、歯槽骨や歯茎の中に歯が確認できれば、成長と共に自然に永久歯が生えてきます。
反対に、歯槽骨や歯茎の中に歯が確認できなければ、先天性欠如歯と診断します。
埋伏過剰歯や埋伏歯の確認
埋伏歯とは、歯の一部又は全ての歯が顎の骨や歯茎に埋まったままの状態の歯のことです。
お口の中を見るだけでは埋まっている歯の確認ができないため、パノラマ撮影を行い、画像から埋伏歯の有無を確認します。
親知らずの治療の有無の診断
親知らずが生えている方向や周りの歯との関係を知るためには、お口全体を撮影するパノラマ撮影をします。
この画像から、親知らずを抜歯した方がよいのか、そのままでもよいのかを診断します。
複数の歯の虫歯の進行状態、歯周病の進行度の確認
数本の歯を目的とした虫歯の診断にはデンタル撮影が向いていますが、複数の歯の虫歯の状態を確認するにはパノラマ撮影が向いています。
また、歯周病に関しても全体的な歯周病の進行度合い、歯槽骨の吸収度合を確認するにはパノラマ撮影が向いています。
CT撮影
デンタル、パノラマ撮影は二次元の画像ですが、歯科用CT撮影は三次元の立体画像を得ることができます。
インプラント治療前の骨の状態の確認
インプラント治療を行う前のお口の中の骨の状態を知ることはインプラントの寿命に大きく関係します。
そのため、CT撮影を行い、詳細な診断を行います。インプラントを長期で維持するために重要な検査です。
親知らずの抜歯(下顎神経との距離や上顎洞の確認)
パノラマ撮影で親知らずを抜歯した方がよいと診断した後、顎骨内にある神経との位置関係を正確に知るために、CT撮影を行います。下の親知らずの近くには神経が走っていて、歯と神経の位置関係を三次元画像を用いて、正確に把握し、抜歯を行います。
根尖病巣の広がり、埋伏歯の位置の確認
歯の根っこの先に炎症が起きた(根尖病巣)状態のとき、通常のレントゲン撮影では、根の位置がはっきりと確認できない場合があります。
その場合、CT撮影を行うことにより、様々な角度から病巣を撮影し、病巣の立体的に確認します。
また、埋伏歯に関してもパノラマでも位置を確認できますが、より立体的な位置情報を把握するためにCT撮影を行う場合があります。
歯科用のレントゲン、CTで受ける被ばく線量
歯科医院で行うレントゲン撮影の放射線の量は、1年間の限度とされる値(1,0mSv)の10~100分の1の値であり、病院で撮影するCTや、胸部や胃のX線検査で浴びる放射線被ばくの量よりも少ない値です。
ですので、歯科医院での放射線量は心配しなくてもよい範囲の線量といえます。
歯科用CT : 0.1mSv / 1枚
従来のレントゲンでは見ることができなかった顎の骨の立体的な形態や、神経、血管、腫瘍の位置などが正確に知ることができます。
口の中に入れて撮影する小さい写真(デンタル) : 0.01mSv / 1枚
フィルムを口の中に入れて撮影する「口内法」と呼ばれる撮影法です。小さな虫歯や歯の形態、歯の中の神経の位置、歯槽骨(歯を支えている骨)の状態などを見ることができます。
お口全体が撮影できる大きい写真(パノラマ) : 0.03mSv / 1枚
歯だけでなく、口全体を写す撮影法です。上下の顎全体、歯の本数、親知らずの有無など総合的に把握することができます。